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    中国のゲーム会社S-GAMEが手がけるアクションRPG『Phantom Blade Zero』が10月29日、PS5とPC向けに発売された。PC版はSteamで発売から24時間以内に同時接続プレイヤー数(同時に遊んでいる人数)70万人を突破し、10月31日には77万5647人まで伸びた(SteamDB調べ)。Steamの歴代同時接続ランキングで上位15位に入る水準だ。

    2024年に『黒神話:悟空』が世界的ヒットとなって以来、「中国発の大作アクションは続くのか」が業界の関心事だった。本作の好発進は、その問いへのひとつの答えといえる。

    発売前から積み上がった予約の山

    本作の勢いは発売前から表れていた。調査会社Alinea Analyticsの推計によれば、10月21日時点でSteamの予約販売だけで50万本を超え、売上は約2400万ドルに達していた。発売直前にはPS5を含めて約85万本、約4300万ドルまで伸びたという。

    見逃せないのが、7月に中国当局から国内での販売許可にあたる「版号」を、PC版とPS5版の両方で取得していた点だ。これにより、中国国内のPCゲームストア「WeGame」などでも海外と同日に発売できた。批評家の評価も高く、レビュー集積サイトMetacriticではPC版が88点を獲得し、『黒神話:悟空』の81点を上回った。

    手本は日本のアクションゲーム

    本作の特徴は、日本のアクションゲームを強く意識していることだ。ディレクターのSoulframe Liang氏は過去のインタビューで、本作をカプコンの『デビル メイ クライ5』と『バイオハザード4』、フロム・ソフトウェアの「ソウル」シリーズの要素を組み合わせたものだと説明している。テンポの速い戦闘については、コーエーテクモの『NINJA GAIDEN』も参考にしたと語る。日本のメーカーが四半世紀かけて磨いてきたアクションの”文法”を研究し、そこに中国武術と、俳優ドニー・イェン氏によるアクション監修を重ねたのである。

    数字で比べると、勢いの差は鮮明だ。今年発売された日本の剣戟アクションでは、カプコン『鬼武者 Way of the Sword』のSteam最大同時接続が約8万5000人、コーエーテクモ『仁王3』が約8万8000人だった。『Phantom Blade Zero』はその約9倍にあたる。もちろん、日本の作品は家庭用ゲーム機での販売も多く、Steamの数字だけで優劣は決まらない。それでも、日本作品を手本にしてきた中国の開発者が、同じ土俵で桁違いの集客を見せた事実は重い。

    一発屋ではなかった中国大作

    『黒神話:悟空』は、中国で広く親しまれる『西遊記』を題材にした国民的ヒットで、Steamの最大同時接続は約241万人に達した。本作はその3分の1ほどだが、武侠アクションというコア層向けのジャンルでこの規模に届いた意味は大きい。

    2025年発売の『明末:ウツロノハネ』も売上が200万本を超えたと報じられている。異なるスタジオが、異なる題材と客層でヒットを重ねていることは、中国の大作アクション制作が一度きりの話題性に頼る段階を抜け、産業として回り始めたことを示している。

    Liang氏が明かした3億〜4億元の開発費を回収できるかは、今後の販売次第。しかし日本のメーカーにとって、中国勢はもはや”日本の後を追う存在”ではない。日本が築いたアクションの文法を自分たちの文化で塗り替えるライバルが、次々と現れ始めている。

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