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日本郵船が11月5日に発表した2027年3月期決算(4~9月)によると、売上高は1兆5050億2500万円(前年同期比27.3%増)、営業利益は1148億7600万円(同91.9%増)、経常利益は2132億6200万円(同79.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は2034億8100万円(同106.9%増)となった。

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増収増益の背景には、円安や海運市況の上昇がある。平均為替レートは1ドル160.47円と前年同期より14.29円円安、平均消費燃料価格は1トン当たり759.88ドルと191.61ドル上昇した。営業外収益では持分法による投資利益1120億円を計上し、このうちコンテナ船事業を手掛けるONE社からの利益は805億円だった。物流事業は航空貨物の取扱量が増えた一方、海上貨物の仕入価格上昇や一部地域の取扱量減少、欧州のヘルスケア物流事業買収に伴うのれん償却費などが響き、経常損失8億円となった。
2023年度からの中期経営計画が2026年度で終了する点について、伴野拓司CFOは次期中期経営計画の内容について憶測記事が出ている現状を、「そういった記事が独り歩きするのは良くない」とした上で、「今の段階で説明できる範囲内で説明すると、今年の中計期間で約1.6兆円という過去に例を見ない大きさの投資をしている。この結果が次期中計期間に出るので、それを通して再生産、再投資していき成長へつなげていく」と述べた。
また、コンテナ事業の影響を受けない自営事業について、経常利益の水準に関する達成感を問われると、曽我貴也社長は「中核事業としてこの4年間で進めてきたことの一つが、ONE以外の足腰を強化すること。M&Aを含め様々な取り組みを進めるなかで、かつてと比べて強固かつ安定化してきている。現状、努力が報われていると感じていて、これをさらに拡大することを次の中期経営計画の一つの大きな柱としている」と語った。
セグメント別動向
定期船事業は、北米航路を中心とする旺盛な輸送需要や港湾混雑で船腹需給が引き締まり、運賃市況が前年同期を大幅に上回った。売上高は951億円(前年同期比5.7%増)、経常利益は979億円(同193.9%増)。物流事業は売上高5588億円(同46.7%増)となったが、仕入価格上昇などで経常損失8億円に転落した。
自動車事業は売上高3061億円(同20.5%増)、経常利益351億円(同28.4%減)。輸送台数は前年同期並みだったものの、ホルムズ海峡封鎖によるルート変更や燃料費、港湾混雑、傭船コストの上昇が利益を圧迫した。ドライバルク事業は市況の上昇や円安を受け、売上高3608億円(同29.2%増)、経常利益297億円と黒字化。エネルギー事業はVLCCなどの市況上昇を背景に、売上高1370億円(同39.9%増)、経常利益454億円(同49.8%増)だった。
セグメント
売上高
前年同期比
経常利益
前年同期比
定期船事業
951億円
5.7%増
979億円
193.9%増
物流事業
5588億円
46.7%増
8億円の損失
前年同期は62億円の利益
自動車事業
3061億円
20.5%増
351億円
28.4%減
ドライバルク事業
3608億円
29.2%増
297億円
前年同期は15億円の損失
エネルギー事業
1370億円
39.9%増
454億円
49.8%増
その他事業
1144億円
9.2%減
82億円
148.5%増
NSユナイテッド海運を子会社化へ
日本郵船は7月31日、持分法適用関連会社のNSユナイテッド海運を子会社化する取引を決議した。公開買付けなどを通じ、取引完了後の議決権比率を83.33%とする計画で、取得原価は約1670億円を見込む。公開買付けの開始は2026年11月下旬から12月下旬、取引完了は2027年4月中旬を予定する。
同社の鉄鋼原料輸送を中心とする顧客基盤や専門人材と、日本郵船のグローバルネットワーク、技術力を組み合わせる。製鉄サプライチェーンの構築やコスト競争力の強化、脱炭素化への対応を進め、ドライバルク事業の競争力向上を目指す。
今後の見通し
2027年3月期の通期予想は、売上高3兆円(前期比23.8%増)、営業利益2100億円(同51.5%増)、経常利益3350億円(同58.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3300億円(同55.8%増)。会社はホルムズ海峡封鎖が2027年3月末まで続くことを前提に業績予想を策定した。定期船とドライバルクでは市況が前回想定を上回る一方、物流事業では仕入価格の上昇や一部地域の取扱量減少、自動車事業では封鎖長期化に伴う費用増を見込む。
為替レートの前提は通期で1ドル157.98円、燃料価格は1トン当たり802.32ドル。スエズ運河経由の航行が一部段階的に再開することも、コンテナ船事業の予想に織り込んだ。NSユナイテッド海運の子会社化を通じ、ドライバルク輸送の安定収益や製鉄サプライチェーンの強化を図る。
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