
ソニーグループは5日、2026年度第2四半期の連結業績説明会を実施。連結業績は、売上高が前年同期比で3,215億円増の3兆4,294億円、営業利益が同1,934億円増の6,223億円を記録し、いずれも第2四半期として過去最高を更新した。税引前利益は1,814億円増の6,232億円、四半期純利益は1,382億円増の4,496億円となった。
セグメント別では、特に映画分野、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野が好調で、2026年度通期の見通しでは、7月時点比で、売上高が5,000億円増の13兆円、営業利益が1,500億円増の1兆8,700億円。税引前利益は1,500億円増の1兆8,600億円、当期純利益は1,200億円増の1兆3,300億円とした。
その他分野でソニー・ホンダモビリティに係る追加損失約300億円を計上しており、説明会に登壇した執行役CFOの陶琳氏は「これをもって同社の事業縮⼩に伴う損失計上は概ね完了した」と語った。

なお説明会では、テレビ事業に関しても言及。
TCLとのJV(合弁会社)については、「来年4月からの本格稼働に向けて、両社間でJVの組織体制やオペレーションに関する詳細の詰めが順調に進んでいる」とコメント。また現在発売中のRGBミニLED液晶ブラビアについても「世界各地で好調な売れ行き」とアピールした。
各事業の概況
G&NS分野の売上高は、販売台数減少によるハードウェアの減収があるものの、1兆2,085億円で953億円(9%)の増収。営業利益も、ネットワークサービスの増収と、自社制作ゲームソフトの販売増加に加え、昨年同期に計上した減損や費用等の反動もあり、997億円(83%)の増益の2,201億円となり、第2四半期として過去最高益を更新した。
なお、営業利益は、前年同期に計上した一時的な損失498億円を除くベースでは、29%の増益となっている。

通期見通しでは7月時点比で、売上高は2,900億円上方修正して4兆8,300億円、営業利益は400億円上方修正して7,000億円とした。自社制作以外のゲームソフトの販売増加とコスト改善などを踏まえたもの。

9月のプレイステーション全体の月間アクティブユーザー数は、前年同月⽐7%増、同月として過去最高の1億2,700万アカウント、当四半期の総プレイ時間は前年同期⽐4%増となり、第1四半期から大きく改善。エンゲージメントのベースラインが着実に向上していると説明。
PS5のハードウェアでは、プロモーションや価格の調整、追加コストダウンなどにより、メモリ価格の上昇分を相殺できており、ハードウェア損益は前年度並みを維持できる見込みだという。
また、来年度のメモリ調達についても、サプライヤー各社との協議で、ハードウェア販売台数の想定に対応するメモリ必要量の確保に関する合意ができているとのこと。
自社開発のゲームソフトについては、9月に発売された「Marvel’s Wolverine」の累計実売本数が240万本を超え、当四半期の分野全体の業績拡⼤に貢献。一方「God of War Laufey」は発売延期を決定し、「幅広いファンベースの期待に応え、より作品の完成度を高めるべく開発を進めていく」とした。
また陶氏は「次世代プラットフォームに向けた準備をしっかり進めていく」とも述べたほか、予定通りに投資を行なっており、下半期にはその影響が見える形になると説明。なお、この金額の発生については会計基準にそって、来年発生するものもある。
音楽分野は、売上高が560億円増の5,984億円。このうち343億円が為替影響による増収。前年同期に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来」のヒットの反動あるものの、音楽制作における興行・物販からの収入増加、音楽制作及び音楽出版におけるストリーミングサービスからの収入増加などにより増収となった。営業利益は74億円増の1,228億円で、第2四半期として過去最高益を更新した。

通期見通しでは7月時点比で、売上高は1,100億円上方修正して2兆3,000億円、営業利益は250億円上方修正して4,450億円とした。音楽制作における興行・物販からの収入増加と、音楽制作及び音楽出版におけるストリーミングサービスからの収入増加を踏まえたもの。

Ella Langleyのシングル曲「Choosin’ Texas」のストリーミング再⽣回数が世界累計18億回を突破するなど、⾳楽チャートの様々な記録を塗り替える⼤ヒットを記録。
また、伝記映画の⼤ヒットにより、Michael Jacksonのカタログ楽曲が今年1月からの9カ月間でストリーミング再⽣回数が30億回を超え、前年の年間約1億回から飛躍的に増加。陶氏は「この再⽣回数の増加の約半分をZ世代のリスナーが占めたことは、映像によるナラティブの⼒が、カタログの再活性化と新たなリスナーの獲得をもたらした好例」と話した。
映画分野は売上高が1,677億円増収の5,137億円。主に「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」の貢献による劇場興行収入の増加による影響。営業利益も映画制作における増収の影響で、787億円(568%)増の926億円となり、第2四半期として過去最高益を記録した。

通期見通しでは、7月時点比で売上高を1,000億円上方修正した1兆7,600億円、営業利益は500億円の上方修正で2,000億円となっている。

「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」は全世界の累計興⾏収⼊が25億ドルを超え、北⽶で歴代1位、全世界でも歴代3位となる記録的な⼤ヒットとなり、関連するゲームタイトルの販売本数は約2倍となり、劇中で使⽤されたSMG(Sony Music Group)全楽曲のストリーミング再⽣も累計10億回を超えるなど、グループ横断で重層的なIP価値向上を実現した。
Crunchyrollを中⼼とするアニメ事業についても言及。「コンテンツ拡充では、Crunchyroll Storyworksを⽴ち上げ、CrunchyrollとAniplex及びSPEが日本のクリエイターとの協業を通して、世界中の物語のアニメ化や日本アニメの実写化を強化していく」と話した。
具体的には、来年春にPS5のホーム画⾯にCrunchyroll専⽤ハブを導⼊。ユーザーが関連コンテンツをシームレスに発⾒できるクロスディスカバリー機能を備え、ファン層の重なりが⼤きいゲームとアニメのクロス需要の取り込みを狙うとしている。
エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野(ET&S)は、為替の好影響がありつつも、イメージングをはじめとする各事業における販売台数の減少が影響し、売上高が79億円減収の5,678億円。一方、営業利益は32億円増益の641億円となっており、米国関税還付の影響によるものとしている。通期の見通しは7月時点から変更なし。

当四半期のイメージング事業は、中国の市場減速を中⼼に厳しい状況が続いたものの、新製品を中⼼に市場シェアを拡⼤し、高付加価値製品へのシフトを進めることで、メモリコストの増加や販売台数減による損益影響を最⼩化したという。
また、TCLとの合弁会社については、来年4月からの本格稼働に向けて、両社間で組織体制やオペレーションに関する詳細の詰めが順調に進んでいると説明。
「6月に発売し、世界各地で好調な売れ⾏きとなっているTrue RGB BRAVIAに搭載した高付加価値技術群は、当年度のディスプレイ事業の収益改善に⼤きく貢献するとともに、来年度以降、TCLの事業規模やコスト競争⼒との融合により、JVにおける⼤きな競争⼒となることを期待しています」と述べた。
イメージング&センシング・ソリューション分野(I&SS)も、為替の好影響を受けつつも、モバイル機器向けイメージセンサーの減収により、売上高は370億円減収の5,776億円。営業利益は164億円増の1,546億円となっている。

通年の見通しは、売上高は7月時点からほぼ横ばいの2兆1,200億円。営業利益は、コストの減少と為替の好影響を踏まえて、300億円の上方修正で4,500億円とした。

7月28日の熊本地震で被災した熊本テクノロジーセンターについては、「現場関係者の尽⼒と協⼒会社の皆様のご⽀援により、既に震災前の⽔準まで稼働が回復しているが、仕掛在庫の被害や設備修繕、⽣産停⽌期間の機会損失などにより、年間約160億円の損失を今回の業績⾒通しに反映している」と説明。
また、ソニーセミコンダクタソリューションズとTSMCとの協業については、「両社でイメージセンサーの性能とコスト競争⼒を高め、フィジカルAI時代に向けて新たな価値創造を進めるとともに、⻑期的には、当分野における資本効率を更に高めていく⼟台となることも期待している」とコメントした。
陶氏は、「2026年度の上半期を終え、関税還付や一部需要の前倒しなどによる利益計上もあったものの、半期の連結営業利益として初めて1兆円を超えることができた。PlayStation NetworkやCrunchyrollなどの配信プラットフォームの安定成⻑と、『Spider-Man』や『Wolverine』、Ella Langleyなど、強⼒なIPやクリエイティブによるコンテンツのヒットの両輪が噛み合い、⼒強い業績を達成できたと評価している」と語った。
