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    21歳のブラジル人ドライバー、ラファエル・カマラのF1デビューが決まった。だが、出走が確定しているのはサンパウロGPのみであり、ラスベガスGP以降のオリバー・ベアマンのチームメイトは発表されていない。平川亮の再起用はあるのか?

    2026年のF1カレンダーには、第20戦サンパウロGP、第21戦ラスベガスGP、第22戦カタールGP、最終第23戦アブダビGPの4戦が残っている。カタールとアブダビに代わるイモラ開催の可能性も取り沙汰されているが、ここでは予定通りに開催されることを前提として、ハースの今後のラインナップを考えてみたい。

    オコンの今季復帰は消滅、残るシートは誰の手に?

    ガレージ内でエンジニアと打ち合わせをするエステバン・オコン(ハース)、2026年7月17日(金) F1ベルギーGP FP1(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Haas

    ガレージ内でエンジニアと打ち合わせをするエステバン・オコン(ハース)、2026年7月17日(金) F1ベルギーGP FP1(スパ・フランコルシャン)

    エステバン・オコンが今季中に再び「VF-26」のステアリングを握る可能性はない。小松礼雄チーム代表は、「エステバン・オコンに対し、今季中にTGRハースF1チームのレースシートへ復帰することはないと通告しました」としている。

    一方、オコンの後任として2027年からハースに加入することが決まっているカマラについては、来季に向けて経験を積ませる利点はあるものの、ハースが現時点で確約しているのはサンパウロGPへの出場だけだ。

    そこで注目されるのが、前戦メキシコGPで代役を務め、史上71人目となるデビュー戦入賞を果たした平川だ。ただし、ハースはジャック・ドゥーハンというもう1人のリザーブドライバーを抱えている。だが、ドゥーハンが起用される可能性はない。さらに言えば、ドゥーハン以外の別のドライバーが抜擢される可能性もない。

    なぜか。その答えはレギュレーションにある。

    年間4人までの起用制限、候補が2人に絞られる理由

    F1規則第B1条7項1号は、各チームが1シーズン中にレースで起用可能なドライバーの数を「最大4人」に制限している。

    ハースではすでにオコンとベアマン、そしてメキシコGPでF1デビューした平川の3人が出走している。カマラがサンパウロGPでレースに出場すれば4人目となり、年間の起用枠をすべて使い切ることになる。

    その後にドゥーハンや別のドライバーを投入すれば、5人目となる。オコンを復帰させないチーム方針を踏まえると、サンパウロGP以降のベアマンのチームメイトはカマラか平川の二択となる。

    なお、ドライバー変更に関する規定には、「不可抗力による追加の変更については、別途検討するものとする」との記載もあるが、これは起用可能なドライバーの上限に関わるものではなく、ドライバー変更のタイミングに関するものと当編集部は解釈している。

    ヘレス・サーキットのピットレーンに立つレーシングスーツ姿のジャック・ドゥーハン(ハース リザーブドライバー)、2026年9月17日(木) TPCテストCourtesy Of Haas

    ヘレス・サーキットのピットレーンに立つレーシングスーツ姿のジャック・ドゥーハン(ハース リザーブドライバー)、2026年9月17日(木) TPCテスト

    なおドゥーハンはAFコルセに加わり、ポール・リカール・サーキットで開催されるアジアン・ル・マン・シリーズの開幕戦でLMP2クラスに出場することが決まっている。

    ただし開催されるのは、サンパウロGPとラスベガスGPの間の11月13〜15日であり、F1との重複はない。その後の大会も2027年1月と2月であるため、仮にそれらへの参戦が決まったとしても、日程的にはハースでの起用を妨げる要因とはならない。

    F2王座かF1出走か、カマラが直面する二者択一

    椅子に座り、笑顔でインタビューに応じるラファエル・カマラ(ハース)、2026年10月15日(木)Courtesy Of Haas

    椅子に座り、笑顔でインタビューに応じるラファエル・カマラ(ハース)、2026年10月15日(木)

    カマラ継続起用の可能性を考えるうえでは、FIA-F2選手権でのタイトル争いと、所属先のインヴィクタ・レーシングとの契約が鍵となる。ラスベガスではF2の開催はないものの、その後のカタールとアブダビはF2との併催が予定されている。

    カマラは現在207ポイントを重ね、2位ニコラ・ツォロフを7ポイント差で上回り選手権争いをリードしている。来季のF1シートは確保したものの、今季のF2タイトルはまだ決着していない。

    カマラ個人としては、F1とF2の両方に出走できれば理想なのかもしれないが、そうは問屋が卸さない。なぜか? F2競技規則第26条5項が、同一開催地におけるF1とF2の両方への出走を禁止しているためだ。

    同項は「FIAフォーミュラ1世界選手権に参戦する競技参加者[※チームのこと]からレース出場ドライバーとして指名された者は、同一大会におけるFIAフォーミュラ2選手権への参加を認められない」としている。

    実際、虫垂炎を発症したカルロス・サインツの代役としてフェラーリに加わり、2024年のサウジアラビアGPでF1デビューを果たしたオリバー・ベアマンは当時、プレマでのF2レースを欠場している。

    予定どおり中東での2戦が開催され、その2戦にハースから出場する場合、カマラはその2大会のF2を欠場しなければならない。来季のF1に向けた準備を進めるのか、それとも接戦のF2王座争いを続けるのか。ハースのラインナップは、今季のF2タイトル争いの行方にも関わる。

    カマラのF2王座争いを支える、平川再起用という選択肢

    身振りを交えながら話をするハースの平川亮とオリバー・ベアマン、2026年10月31日(土) F1メキシコGPフリー走行(FP3)・公式予選(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)Courtesy Of Haas

    身振りを交えながら話をするハースの平川亮とオリバー・ベアマン、2026年10月31日(土) F1メキシコGPフリー走行(FP3)・公式予選(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)

    そこで、平川の今後のスケジュールが意味を持ってくる。今週末のサンパウロGPは、FIA世界耐久選手権(WEC)第8戦モンツァ6時間レースと日程が重複しているものの、WECの今シーズンはモンツァで閉幕する。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーとともにトヨタ8号車をドライブする平川は、モンツァで5位以内に入れば2022年、2023年に続く3度目のドライバーズタイトル獲得が決まる。最終戦を終えれば、平川にもスケジュール調整の余地があるだろう。

    メキシコGPで急きょ代役を務め、10位入賞を果たした平川を再び起用すれば、カマラは併催されるF2でタイトル争いを続けることができる。

    平川は再び我々の前でハースを駆る姿を見せるだろうか。小松代表の判断が注目される。

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