レーシング・ブルズのアラン・パーメイン代表は、2027年のF1ドライバーラインナップ選考について「科学的なアプローチ」を取り入れていると説明し、その中でレッドブルの若手育成プログラムの過去に踏み込んだ。
大きな成功を収めてきたとして評価しつつも、適応する十分な時間をドライバーに与えられなかったことや、性急な判断があった可能性に言及。現在の選考では、あらゆる要素を検討・分析し、結論を急がない姿勢を示した。
リアム・ローソンとアーヴィッド・リンブラッドの来季の去就は、いずれも未定。ただ、リンブラッドの残留は有力視されており、ローソンが結果を重ねながらも確約を得られない状況が続いている。
パーメインが最優先の判断材料に挙げるのは「ペースと速さ」だが、若手を次々と入れ替えることが育成になるとは限らないとも指摘する。新しい才能に機会を与えることと、その実力を測る基準となる経験をチームに残すこと。その両面を考慮しながら、来季の組み合わせを見極めようとしている。
レッドブル育成の過去を踏まえ、選考に「科学的アプローチ」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
パドックで真剣な表情を浮かべるアラン・パーメイン(レーシング・ブルズ チーム代表)、2026年11月6日(金) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)
パーメインは2026年F1第20戦サンパウロGPの初日、直接的な質問があったわけではないが、レッドブルの若手育成プログラムはこれまで大きな成功を収めてきたと評価したうえで、慎重に言葉を選びつつ、従来のやり方にも改善の余地はあると指摘した。
具体的な分析手法には踏み込まなかったが、チームは現在「科学的なアプローチ」を取り入れ、ドライバーの評価を進めているという。
「批判するつもりはない。だが、みなさんが批判的に見るとすれば、ドライバーに対して慣れるための十分な時間を与えられなかったことや、性急な判断が下された場合があったのかもしれない」とパーメインは語った。
「我々は、もう少し科学的なアプローチを取り入れようとしている。ただそれには時間がかかる。あらゆる要素を検討し、調査し、分析している。時間的な余裕はある」
「急いで決める必要はないし、適切な判断が下されると強く確信している」
「速さが最優先」も育成には経験不可欠、難航する人選
元チーム代表のクリスチャン・ホーナーや、育成プログラムを統括していたヘルムート・マルコは既にレッドブル・レーシングを去ったが、依然としてレーシング・ブルズはレッドブル・レーシングの将来的なドライバー候補を育成する役割を担っている。
パーメインは、「主な判断材料は、これまでどおりペースと速さだ」としつつも、「我々は単にレースで競争するためだけに存在しているチームではない」と説明する。
「若い才能を育てるという役割もあるため、その点にも目を向けなければならない。とはいえ、それは必ずしも、若いドライバーを次々とクルマに乗せては入れ替えていくという意味ではない。若い才能を評価するためには、[反対側のガレージに]ある程度の経験を持ったドライバーも必要なのかもしれない」
「だから、簡単な決断ではないし、皆がもどかしく感じていることは理解している。自分たちのドライバーが感じているフラストレーションも理解している」
チームメイトが経験を持つドライバーであれば、若手がどの程度マシンの性能を引き出しているかを比較する基準になる。育成のために新しい才能へ機会を与える一方、その成長を評価できる体制も整える必要があるとパーメインは考えている。
ローソンのほかに、来季のシート候補にはFIA-F2選手権でタイトルを争うニコラ・ツォロフがいる。
「これ以上何をすれば?」ローソンに募る焦り
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ベージュのジャケットに黒いTシャツを合わせ、パドックを歩くリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)、2026年11月6日(金) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)
慎重な選考が続く間にも、来季に向けて動くことのできる時間は短くなっていく。
ローソンはチームメイトの2倍以上のポイントを獲得し、4強チーム以外のドライバーで最上位となるドライバーズランキング9位につけている。直近4戦だけでも26ポイントを積み上げたが、それでも残留の確約は得られていない。
「これ以上、僕に何をしてほしいのか分からない。でも、今はそういう状況なんだ」とローソンは語る。
決定が遅れた末にシートを失った場合、来季の選択肢が限られる事情にも言及した。
「厳しいよね。もうシーズン終盤だから。こういうことが最後の最後まで先延ばしにされると、実際にはほとんど選択肢が残らなくなる」
パーメインも、決定を待つドライバーたちの心理的な負担を認めている。
「ドライバーたちにとって、この状況がもどかしいものであることは理解しているし、周囲の人々にとってもそれは同じだろう。ただ、我々は正しい判断を下したいと考えているし、必ずそうするつもりだ」
ドライバーラインナップの正式発表については「今後数週間のうち」と説明したが、パーメインは1ヶ月前のシンガポールGP前にも同様の見通しを示していた。今回も具体的な期日は約束せず、「決定には近づいているし、もうそれほど時間はかからない」と述べるにとどめた。
