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配属先で担当するのは、大きなものづくりの「一部の工程」であることが多い。設計だけ、評価だけ、製造工程の一部だけといった分業が進んだ現場では当然のことだが、エンジニアとして「企画から完成まで、一連の流れを自分の手でやってみたい」という思いを持つ人は少なくない。
オープンアップグループは、エンジニア同士のつながりや研修・教育制度をグループ共通のサービス価値として位置づけている。その考え方につながる「業務外で本気になれる場」の一つが、本記事で紹介する取り組みである。
グループの一員である株式会社オープンアップネクストエンジニア(旧社名:ビーネックステクノロジーズ)(以下、ONE)のロボコン部は、その思いに会社が場を用意した取り組みだ。2025年11月に社内公募で発足し、配属先も勤務地も年齢も異なるエンジニアが集まって、企画・設計・製作・調整のすべてをチームで進め、2026年8月23日、「かわさきロボット競技大会」(第31回)に、20代から50代の8名が3チームに分かれて出場した。
業務では経験の機会が得にくい「一気通貫のものづくり」を、業務外のプロジェクトとしてゼロから形にしていく。発起人の情熱とメンバーの意欲が結実した、発足から大会出場までの約1年間の歩みを紐解く。
※本記事は、オープンアップグループ・DM部が執筆しています。
社内公募に、全国から手が挙がった
ロボコン部の始まりは、エンジニア専用サイト「NEXTATION(ネクステーション)」に出した一本の社内公募だった。仙台、横浜、宇都宮、名古屋、広島といった全国から応募が集まり、勤務地や年代、業務内容の異なるエンジニアが集まって活動をスタートした。
「こんなワクワクする企画を待っていました」
「チームで何かを作り上げたい、新しいことに挑戦したい」
「学生時代のリベンジのために、ぜひ挑戦したい」
応募動機はさまざまだが、共通するのは「業務だけでは経験できないことをやりたい」という思いだ。指導役には、専門学校のロボットコースで8年間教官を務め、自身もロボコン出場経験を持つ機電研修センター講師の五味渕氏が就いた。
座学から始めて、手を動かす——全7コースの活動設計
活動は思いつきの部活ではなく、全7コースの研修プログラムとして設計された。初回はロボットの構造(機械・電気)や、アルミ合金・ステンレス・黄銅といった金属、ポリカーボネート・CFRPといった樹脂の材料特性を座学で学び、リンク機構や部品図・組図の読み方まで基礎を固めた。
そのうえで、市販のロボットキットを使った製作と対戦を実施。Aチームの「クワガタ号」とBチームの「カブトムシ号」が対戦し、リモコン操作で巧みに攻撃を避けたカブトムシ号が勝利した。まず小さく作って動かし、勝ち負けから学ぶ、現場のものづくりと同じ順序だ。
座学で原理を押さえ、小さく作って試し、本番機に向かう。この段階設計自体が、「企画→設計→製作→調整」という一連の流れの縮図になっている。業務では分業の一部を担うことが多いエンジニアが、ここでは全工程を自分ごととして経験する。
現場が違っても、開発は進む——3Dプリンターと音声チャット
2026年1月の第2回研修(東京・お台場と大阪・堂島の2拠点、2日間)からは、3Dプリンターを導入し、立体部品を自作する本格的なロボット製作に移行した。
メンバーの配属先も勤務地も業務内容もバラバラ。それでも研修の合間はTeamsや電話の音声チャットで打ち合わせを重ね、開発を止めなかった。企画、設計、製作、調整の工程ごとに得意な人が引っ張り、若手からベテランまでが知識と経験を持ち寄る。日々の業務では接点のないエンジニア同士が、教え合いながら一つの機体を仕上げていく体制が自然にできあがった。
そして、かわさきロボット競技大会へ
目標としてきた「かわさきロボット競技大会」は、リング上の1対1で相手を倒すかリング外へ押し出せば勝ちという、今回で31回を数える伝統あるバトル形式の大会だ。ONEは同大会への協賛も行っている。
2025年11月の発足から現在に至るまで、部は熱意をもって活動を続けてきた。当初は座学から始まり、3Dプリンターで部品を自作するなど試行錯誤を重ね、約1年で大会リングに自作の機体を持ち込むまでに成長。2026年8月23日の第31回大会には3チームに分かれて出場を果たした。
結果は惜しくも3チームともに予選ブロック敗退となったものの、全行程を一気通貫でやり遂げた経験は大きな財産となった。なお、今回のメンバーによる取り組みは今大会で区切りを迎え、来年に向けては新たにメンバーを募り、新たな挑戦へとバトンをつないでいく予定だ。
「業務外の挑戦」が、業務に還る
企画から完成までを自分たちの手で通しでやり切る経験は、配属先での業務にもそのまま還っていく。上流工程の視点を持って自分の担当工程を見られるようになること。別分野のエンジニアに質問し、教え合う関係ができること。これらは研修だけでは身につきにくい、協働の実践知だ。
「担当工程の外」を知っているエンジニアは、現場での動き方が変わる。前後の工程で何が起きるかを想像して設計できるし、他分野の担当者と話す共通言語を持てる。ロボコン部が全7コースの研修プログラムとして設計され、社内の研修センター講師が伴走し、研修拠点と3Dプリンターという環境が用意されているのは、エンジニアの育成やキャリア形成につながる実践の機会として、会社がこの挑戦を支えているからだ。エンジニアが持ち込むのは、時間と「挑戦したい」という気持ちだけでいい。
若手からベテランまでが対等に教え合う関係は、日々の業務にもある「エンジニア同士のコミュニケーション」の凝縮版でもある。仙台・横浜・宇都宮・名古屋・広島といった普段は顔を合わせない全国のエンジニアが、知識や経験を持ち寄り、質問し合いながらひとつの目標に向かう。この経験は、配属先で新しいチームに入るときの立ち上がりの速さにもつながっていく。
なお、ONEにはロボコン部のほかに、2024年設立のeスポーツ部もある。部員は新卒社員を含む約150名。プロeスポーツチーム「FENNEL」とのスポンサー契約を機に発足し、プロ選手によるコーチングや社内大会を実施している。運営担当者によれば、「ゲームが好き」であることを強みとして評価し、入社後の満足度やエンゲージメントにつなげる狙いがあるという。部員からは「営業のゲーム好きの人とも対戦してみたい」という声も上がっており、エンジニアと営業の交流の場としての広がりも見込まれている。
手を動かすロボコン部と、対戦で盛り上がるeスポーツ部。毛色は違うが、どちらも「配属先が違う仲間と、業務外で本気になれる場」だ。
来年は、また新しいメンバーで
現在のメンバーの活動は今年の大会出場をもって一区切りとなり、来年は新たにメンバーを募集する予定だ。「一連のものづくりを経験する機会」を、特定のメンバーのものにせず、開かれた挑戦の場にしていく。社内公募から始まった約1年は、その最初のモデルケースになった。
業務外の挑戦を支える本気の育成投資——5つのサービス価値の延長線上に
分散配置・リモート勤務の常態化で、配属先が異なる社員がどう帰属意識とつながりを持てるかは、採用・定着の課題として顕在化している。ロボコン部が思いつきの部活ではなく全7コースの研修プログラムとして設計され、講師が伴走し、研修拠点と3Dプリンターが用意されているのは、ONEが属するオープンアップグループがグループ共通で定義する5つのサービス価値——フォロー支援体制、仲間と共に成長(エンジニアコミュニケーション)、チャンスをつかめる大手優良案件、研修・教育制度、キャリアパス——の考え方が、業務外の活動にまで一貫しているからだ。全7コースの段階設計は「研修・教育制度」の、配属先の違うエンジニアが教え合う関係は「エンジニアコミュニケーション」の、それぞれ縮図になっている。
この育成投資は、例外的な取り組みではない。グループ全体では、技術・技能社員の資格取得数16,302(2021年4月〜2025年6月の累計)を「数字でみるオープンアップ」で、総研修時間3,884,022時間(2024年6月末時点)を「非財務データ」でそれぞれ開示するなど、育成への投資姿勢を一次情報として公開している。業務外のロボコン部に研修と同じ本気度で環境を用意するのは、この投資姿勢の延長にほかならない。
グループのパーパスは「幸せな仕事を通じて ひとりひとりの可能性をひらく社会に」。次への扉をひらくとき人は成長し、そしてその扉は、業務のなかだけにあるわけではない。ブランドサイト「#いい仕事ってなんだろう」が問いかけるように、「いい仕事」の答えは人それぞれだ。企画から完成まで自分の手でやり切りたいという思いに、会社が本気の環境で応える。ロボコン部の約1年は、その思想が業務の外でも貫かれていることを示す実例になった。
[一般の方からのお問い合わせ先]
オープンアップグループ DM部
dm@openupgroup.co.jp
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