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    F1史に名を残すジル・ヴィルヌーヴの前半生を描く長編伝記映画『Villeneuve: Rise of a Legend』が、2026年9月19日(土)にトロント国際映画祭のクロージング作品として世界初公開される。これに先立ちティザー映像が公開された。

    同作は、フェラーリで名声を築く以前の、ヴィルヌーヴを形作った若き日々に焦点を当てる。11月にはカナダ・ケベック州の劇場で公開され、その後、ヴィルヌーヴのF1デビュー50周年にあたる2027年に世界各国での公開を予定している。

    雪上からF1へ、知られざる前半生と伝説の始まりを描く

    物語の中心となるのは、ケベック州の地方で質素な家庭のもとに育ったヴィルヌーヴが、北米屈指のスノーモービル選手となり、その後フォーミュラ・アトランティックで頭角を現してF1へと上り詰める時期だ。

    ヴィルヌーヴ役はケベック出身の俳優レミ・グーレが務める。監督を務めるヤン・ラヌエット・テュルジョンによれば、映画化の構想には10年以上を費やした。

    「私にとって、ジル・ヴィルヌーヴの物語は語られるべきものだった。彼は非常に興味深い人物であり、今なおケベックとF1における偉大な存在でありながらも、彼についての映画はこれまで作られてこなかった」とテュルジョンは語る。

    「この映画を作るのは私でなければならないと感じた。F1への関心がかつてないほど高まっている今は、タイミングとしても申し分ない」

    映画『Villeneuve Rise of a Legend』でレミ・グーレが演じるジル・ヴィルヌーヴを描いた2種類の公式ポスター、2026年9月Courtesy Of Entract Films

    映画『Villeneuve Rise of a Legend』でレミ・グーレが演じるジル・ヴィルヌーヴを描いた2種類の公式ポスター、2026年9月

    映画『Villeneuve Rise of a Legend』で、フォーミュラカーを走らせながら拳を突き上げるジル・ヴィルヌーヴを再現した劇中シーンCourtesy Of Entract Films

    映画『Villeneuve Rise of a Legend』で、フォーミュラカーを走らせながら拳を突き上げるジル・ヴィルヌーヴを再現した劇中シーン

    同作では、ヴィルヌーヴのキャリアの転機となった1976年のトロワリヴィエール市街地で開催されたフォーミュラ・アトランティックのレースも描かれる。

    ヴィルヌーヴはこのレースで、同年にF1王者となるジェームス・ハントをはじめとする複数のF1ドライバーを破った。この結果によってグランプリチームから注目を集め、翌1977年のイギリスGPでF1デビューを果たした。

    息子ジャック「涙をこらえるのが難しかった」父の実像

    1979年型フェラーリ312T4のそばで家族と過ごすジル・ヴィルヌーヴ、1979年Courtesy Of Villeneuve Family

    1979年型フェラーリ312T4のそばで家族と過ごすジル・ヴィルヌーヴ、1979年

    ジルの息子で1997年F1王者のジャック・ヴィルヌーヴは、この作品が父親の全盛期ではなく、それ以前の人生に光を当てたことを高く評価している。

    「予告編を見て、涙をこらえるのが難しかった。初期の時代に焦点を当てているところが本当に気に入っている。僕ら家族以外は誰も知らない時代だからね」とジャックは語る。

    「伝記映画の多くは、その人の全盛期を扱う。観客がすでに知っているものを見せるんだ。でも、この映画が描いているのは、その全盛期の礎となった要素だ」

    「父について覚えていることの大半は、レースをしていたか、それ以外でも限界まで突き詰めるようなことをしていた時のことだ。スキーでも、ピックアップトラックの運転でも、ヘリコプターの操縦でもそうだった」

    「僕はずっと、自分がレーシングドライバーになると分かっていた。問題は、いつなるかだけだった。実現しない可能性があるなんて考えたこともなかった。何故か、それが自分の運命だと分かっていたからだ。父の後を継ぎたいという気持ちがあったのかって? 一度もない。そもそも、父の歩んだ道は僕とはまったく違っていた」

    フェラーリのF1マシンを前に並ぶジル・ヴィルヌーヴの息子ジャックと娘メラニー、1979年F1アメリカGPCourtesy Of Villeneuve Family

    フェラーリのF1マシンを前に並ぶジル・ヴィルヌーヴの息子ジャックと娘メラニー、1979年F1アメリカGP

    制作にはヴィルヌーヴ家も当初から関わっており、娘のメラニーさんはエグゼクティブ・プロデューサーを務めている。

    メラニーさんは、この役割を引き受けた理由について「父が社会に残したものを理解し、私達家族の歴史を取り戻したいと思っていました。父を最も愛した人達の手によって、その記憶が守られるようにしたかったのです」と語る。

    「この映画は、ケベックの田舎で労働者階級の家庭に育った一人の男性が、エンツォ・フェラーリのお気に入りのドライバーになるまでの驚くべき飛躍を描いています」

    「父は明確なビジョンと目的を持って生き、毎日一歩ずつ前へ進み続けました。これは、深い情熱と不屈の努力の物語です」

    撮影には、ヴィルヌーヴの死後となる1982年にその名を冠することになったモントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットも使用された。当時のマシンを再現した車両は、映画『フォードvsフェラーリ』のマシンを手掛けたRace Car Replicasが供給している。

    レーシングカーのリアウイングを背景にお揃いの緑色のパーカー姿で並ぶジル・ヴィルヌーヴの息子ジャックと娘メラニー、1976年Courtesy Of Villeneuve Family

    レーシングカーのリアウイングを背景にお揃いの緑色のパーカー姿で並ぶジル・ヴィルヌーヴの息子ジャックと娘メラニー、1976年

    カーナンバー「12」のフェラーリ312T3のコックピットに収まるジル・ヴィルヌーヴ(フェラーリ)、1978年F1世界選手権Courtesy Of Villeneuve Family

    カーナンバー「12」のフェラーリ312T3のコックピットに収まるジル・ヴィルヌーヴ(フェラーリ)、1978年F1世界選手権

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