『髑髏城の七人 LAST STAND』の会見にて(左から)柚香光、早乙女太一、早乙女友貴、いのうえひでのり(9月4日・大阪市内)
関西発のエンターテインメント劇団「劇団☆新感線」が、幾度も再演してきた代表作の一つを、劇団としては最後に上演する公演『髑髏城の七人 LAST STAND』。主演を務める早乙女太一、敵役となる太一の弟・早乙女友貴、ヒロインの柚香光、劇団座長・演出のいのうえひでのりが、9月4日に大阪市内で会見をおこなった。
■ 劇団☆新感線を代表する人気作、最後の上演へ
1990年に野外公演として上演し、その後、歌舞伎俳優・松本幸四郎とコラボレーションしたり、客席が回転する円形劇場で1年以上にわたって上演したりと、公演のたびに大きな話題を呼んだ時代劇。豊臣秀吉の天下統一を目前とした関東を舞台に、遊び人の捨之介(太一)や、遊女の極楽太夫(柚香)らが、天下転覆を図る関東髑髏党の党首・天魔王(友貴)と対決する姿を描いていく。
いのうえは今回の最終上演について、「初演は(劇団員の)20代の若者たちのために書かれた、勢いのある本だけど、今、劇団員たちはほぼ50代になって。今回は太一君たちがやるけど、やはり“劇団”としてちゃんとした形で終わらせたい」と理由を明かした。
さらに、「髑髏と言えば円形劇場のイメージが付いてしまったけど、普通の劇場でやってもキチンと面白い。最後に(円形以外で)やったのは2011年だから、今の人にも観てほしかったし、年齢的にもう一回やるなら今だと思いました」と、作品そのものの魅力をアピールした。
『髑髏城の七人 LAST STAND』の会見にて、「ラストにふさわしい、新しいエモーショナルな髑髏城にしたい」と語る、いのうえひでのり(9月4日・大阪市内)
■「憧れだった」早乙女太一、ついに捨之介役に
実は『髑髏城の七人』には、過去に天魔王と、捨之介を助ける無界屋蘭兵衛役で出演したことのある太一。最終上演で待望の主演を果たすことに、「13歳の時に、幸四郎さん主演の『アオドクロ』を観て、仮面ライダーやウルトラマンのように憧れた存在でした。その作品で、目標にした役ができるのはすごく光栄。本当にいろんな方たちに愛されてきた作品なので、そういった方たちの思いもしっかりと受け止めて、舞台に立ちたいです」と、熱い胸の内を語った。
『髑髏城の七人 LAST STAND』の会見にて、憧れだった捨之介役への意気込みを語る早乙女太一(9月4日・大阪市内)
近年は年1回ペースで新感線に出演し、準劇団員扱いとなっている友貴。劇団では、やんちゃな暴れん坊役が多かったが、今回は悪の色気にあふれる天魔王役に抜擢された。
「最近の成長を見て、クレイジーだけど繊細な部分のある天魔王が表現できると思った」といういのうえの言葉に、「天魔王にフォーカスして見ると、彼が破壊者になったのは、すごく人間の弱さ、人間らしさがあったからじゃないかと。すごく幅のある、可能性のある役だと思ったので、その部分を天魔王という男の狂気に入れていけたらと思います」と前向きな言葉を寄せた。
『髑髏城の七人 LAST STAND』の会見にて、悪の色気にあふれる天魔王役に挑む早乙女友貴(9月4日・大阪市内)
■ 天魔王役の友貴と、兄弟ならではの殺陣にも注目
ちなみに太一&友貴兄弟は、どちらも若手随一の殺陣の名手として知られ、2023年の公演『天號星』でも2人の斬り合いは大きな見せ場となった。
兄弟の利点について、友貴が「当たってもいいと思えること(笑)。それでやり方も変わってくるので、思う存分当てるつもりでやりたい」と、身内だからこそ思い切りよく行けることを明かすと、太一も「昔は僕から挑発しに行ってたところがあるけど、今は友貴が助けてくれるという心強さがある。今回は、いつもと違った立ち回りが作れたらいいなと思います」と、2人の絆と成長を感じさせる立ち回りを予告した。
『髑髏城の七人 LAST STAND』の会見にて、極楽太夫を演じる柚香光(9月4日・大阪市内)
■ 強い決意「集大成として、この作品が残るように」
そして太一は、古田新太をはじめ、数々の名優たちが演じた捨之介の“アンカー”となることに対して、「それぞれの人の思い出が思い出される瞬間もあると思うし、今回だけのオリジナルのチャレンジもあると思います。そのどちらも楽しんでほしいし、しっかりと集大成として、この作品が残るように務めたい」と、強い決意を語った。
『髑髏城の七人 LAST STAND』の会見にて(左から)柚香光、早乙女太一、早乙女友貴、いのうえひでのり(9月4日・大阪市内)
ほかには塩野瑛久・藤岡真威人(Wキャスト)、片岡千之助、桜井日奈子、近藤頌利、山口馬木也などが出演。脚本は中島かずきが担当する。2026年11月の東京公演、2027年1月の長野公演、2月の金沢公演を経て、大阪は2月25日~3月11日に「フェスティバルホール」(大阪市北区)で上演。チケットはS席1万7000円、A席1万2800円、22歳以下2200円で、2027年1月17日から発売開始。
取材・文・写真/吉永美和子
