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    Twilio(トゥイリオ)は9月10日、「顧客インサイトシリーズ 2026」のグローバル調査から、日本市場に特化した最新の調査結果を発表した。

    同調査によると、日本の消費者はアジア太平洋の他の市場の消費者と比較して、AIによる顧客対応に対して寛容である一方、「AIの記憶喪失」によるストレスを依然として感じていることが明らかになった。

    AIの記憶喪失とは、AIが過去のやり取りの履歴や文脈を引き継げず、消費者が同じ説明を繰り返さなければならない状況を指す。

    日本企業の83%(アジア太平洋地域の平均:84%、以下「アジア太平洋」)が、自社のAIはリピーターを適切に認識し、過去のやり取りを参照できると考えている。

    一方、日本の消費者の54%(アジア太平洋:70%)は、AIとのやり取りの際に、すでに伝えた情報を繰り返し説明しなければならなかったと回答している。さらに、日本の消費者の50%は、AIが自身やアカウントに関する基本的な情報を把握していなかったことを理由に、AIによる顧客対応を途中で中断したことがあると回答している。

    また、AIから有人対応へ引き継いでもこの問題は解決されておらず、データのサイロ化が依然として課題であることも明らかになった。日本の消費者の67%(アジア太平洋:65%)が、AIチャットボットから有人対応へ引き継がれた後も、同じ説明を繰り返したり、不足している情報を補足したりしなければならなかったと回答しており、これはアジア太平洋地域の平均をわずかに上回っている。

    Twilio Japan合同会社の代表執行役員社長である久保 敦氏は、次のように述べている。

    「日本企業は消費者のニーズに応えるためAI導入を進めていますが、今回の調査からは、AIとのやり取りの段階ですでに顧客の文脈が十分に引き継がれておらず、有人対応へ切り替わる場面では、その課題がさらに顕著になることが明らかになりました。AIを活用した顧客対応で重要なのは、AIそのものの性能だけではなく、顧客とのこれまでのやり取りや必要な情報を、AIと人の間で途切れることなく引き継ぐことです。顧客離れを防ぐためにも、企業は分断されたデータをつなぎ、AIから人へ対応が切り替わっても、それまでの文脈を引き継ぎ、前回の続きからスムーズに対応できる環境を整える必要があります。 」

    AIへの期待が高まる一方、求められるスピードとコンテキストの両立

    調査結果からは、日本の消費者がAIによる顧客対応に求めることも明らかになった。最も多かったのは、時間を問わず企業に問い合わせることができる「24時間365日の対応」(42%)。次いで、「消費者の要望を正確に理解できること」(33%)、「必要に応じてスムーズに有人対応へ切り替えられること」(30%)が挙げられている。

    一方で、AIによる顧客対応には、こうした利点だけでは補いきれない課題もある。日本の消費者の73%(アジア太平洋:85%)が、「AIの処理速度は速いものの、過去のやり取りや背景を踏まえていない」、あるいは「必要な情報は把握しているものの、応答に時間がかかる」といった体験に不満を感じていると回答している。

    日本の73%という数値は、アジア太平洋地域の調査対象国の中で最も低い割合となったものの、依然として約4人に3人に上る。この結果から、AIによる顧客対応においては、応答の速さだけでなく、顧客の過去のやり取りや背景を踏まえた対応を両立することの重要性が示された。

    こうした消費者の期待の高まりに、AIの進化がまだ十分に追いついていないことも明らかになった。

    過去1年間で、利用するAIチャットボットの性能が向上したと回答した日本の消費者は58%(アジア太平洋:68%)にとどまった。一方で、昨年と比べて有人対応よりもAIチャットボットを選ぶ可能性が高まったと回答した日本の消費者は41%に上る。AIを選択肢として受け入れる消費者が増える中、その期待に応える顧客体験をいかに提供できるかが、企業にとって今後ますます重要になることが示されている。

    AIへの信頼を支える「透明性」、消費者の期待と企業の取り組み

    AIへの信頼は依然として重要である一方、透明性に対する意識には、日本とアジア太平洋の他の市場で違いが見られた。日本の消費者の59%(アジア太平洋:70%)が、会話の開始時にAIによる対応であることを明示してほしいと考えている。しかし、実際にその旨を会話の冒頭で伝えている日本企業は21%(アジア太平洋:22%)にとどまっている。

    また、日本の消費者が安心してAIを利用するために求める条件も明らかになった。「希望すれば容易に有人対応へ切り替えられること」(日本:59%、アジア太平洋:58%)が最も多く、次いで「重要な判断を伴うAIの処理には人による承認が必要であること」(日本:50%、アジア太平洋:57%)、「AIがアクセスできる顧客データが明確であること」(日本:38%、アジア太平洋:51%)が挙げられている。

    こうした消費者の意識を受け、日本の企業もAIへの信頼を高めるための取り組みを積極的に進めている。

    具体的には、「AIが特定のアクションを実行する前に人による承認を必須とすること」(日本:44%、アジア太平洋:34%)、「必要に応じて速やかに有人対応へ切り替えられる仕組みを整えること」(日本:38%、アジア太平洋:44%)、「AIによる判断の根拠を示す『説明可能性』の機能を導入すること」(日本:29%、アジア太平洋:47%)が上位3つの施策となっている。

    AIに「任せる」時代へ、広がる消費者の受容と企業の活用

    日本の消費者の70%(アジア太平洋:65%)が、異なる企業のAIエージェント同士が直接連携し、迅速に問題を解決することに抵抗がないと回答している。

    また、日常的なタスクをAIに任せることにも前向きで、「レストランの予約」(82%)、「各種予約や予定の調整」(81%)、「商品の返品・交換手続き」(79%)、「コンサートの座席選び」(77%)など、幅広い場面でAIの活用を受け入れる姿勢が見られた。

    こうしたAI活用の広がりを見据え、日本企業も準備を進めている。

    日本のビジネスリーダーは、顧客対応においてAIエージェントが担う割合が、現在の47%から2027年には61%まで拡大すると予測している。アジア太平洋でも、現在の52%から65%への拡大が見込まれている。AIが顧客とのやり取りを担う機会が今後さらに増えていく中、企業には、AIと人、さらにはAI同士の間でも、それまでのやり取りや顧客の文脈を途切れさせることなく引き継ぎ、一貫した顧客体験を提供することがますます求められる。

    [i Magazine・IS magazine]

     

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