2026年9月6日、木下グループ杯、アイスダンス、FDでの櫛田育良・島田高志郎 写真/西村尚己/アフロスポーツ
11月のNHK杯出場も決定
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11月のNHK杯出場も決定
自分たちにしか出せない世界観、表現を求めて
挑戦する選手が次々に現れ、活況を呈する日本アイスダンス。それを象徴するように、9月4日から6日にかけて行われたフィギュアスケートの国際大会「木下グループ杯」には、日本から4組が出場した。
ミラノ・コルティナ五輪団体戦の代表、吉田唄菜・森田真沙也。昨シーズンから挑戦している紀平梨花・西山真瑚。昨シーズンの世界ジュニア選手権に出場、シニア初戦となった山下珂歩、永田裕人。
そして“いくこう“こと、櫛田育良・島田高志郎だ。
大会期間中、櫛田と島田の表情は明るさを放っていた。2人は吉田・森田に次ぐ日本勢2番手となる7位の成績とともにそれぞれに手ごたえを得て、シーズン初戦を終えた。
9月5日のリズムダンスでは、「最初の方、少し硬かったかなという印象でしたけど、そのあとは息を合わせることができてよかったです」と櫛田が振り返るように、息の合った演技を披露。64.86点で7位につける。目標の一つに四大陸選手権に出場するためのミニマムスコア(最低技術点)のクリアがあったが、技術点で36.93点を獲得。昨年12月の国際大会「ゴールデンスピン」のフリーダンスで得た49.93点と合わせ86.86点、無事、四大陸選手権に出場するための点数を突破する。
迎えた6日のフリーダンス。冒頭のダイナミックで大きな歓声が起こる。ツイズルでもよくそろい、技術的にも成長のあとがたしかにうかがえた。その後も、島田176センチ、櫛田168センチと、日本のフィギュアスケート界では突出して高身長の2人の手足の長さをいかしたリフトや動作で魅了する。表情のつくり方も、両者そろって見事で、物語の世界を形にしてみせた。
演技を前にした5分間練習では、転倒する場面もあった。島田は振り返り、「めっちゃ地に足がついたというか、お尻もついちゃったんですけど、落ち着かなきゃ、というか勝手に落ち着いた感じになりました」と笑顔を見せる。櫛田は「昨日よりも緊張感が少なくて、落ち着いて滑れていたと思います」と、やはり笑顔を見せる。
2人の笑顔と、2人が生み出す空気には充実があった。
フリーは96.90点、結果、総合7位。4組出場した日本勢の中で2番目の順位となり、この結果をもって、11月のNHK杯出場も決めた。
2人は2025年5月、カップルを結成しアイスダンスに挑戦することを正式に表明、スタートを切った。
島田はシングルで早くから注目を集め、グランプリシリーズなどにも参戦、2024年のフランス大会で2位になっている。また全日本選手権でも2022年に2位、数々の実績を積み重ねてきた。
櫛田は2023年全日本ジュニア選手権で島田麻央に次ぐ2位となり、同シーズンの世界ジュニア選手権で5位になるなど足跡を残している。
2人は2024年の春と夏、一緒に滑る機会があった。その後、それぞれにアイスダンスを一緒にやるかどうかを考え、2025年になって話し合う機会を設けた。そこで2人は決断したが、話し合いの時間は「10分くらいでした」(島田)。お互いに相手への好感触があったからこそだった。
その後、大会を重ねて出場した2025年12月の全日本選手権は、2位になったのもさることながら、多くの人々の声援のもとで演技したことが糧となった。島田はこう語っている。
「今日見た景色は、一生忘れません」
そして櫛田はこう語った。
「来シーズンは、びっくりするくらい進化を遂げられたら」
