「ステアリングを切りながらブレーキングをしなきゃならないような形には、絶対にすべきじゃない」――2026年F1第14戦スペインGPの予選を終えたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、マドリンクのコース設計に苦言を呈した。
直線的に減速できなければマシンを前のマシンの横に並べることが難しく、走行ラインも一本に絞られるため、オーバーテイクが極めて難しくなるというのがその理由だ。
イギリスの専門誌『Autosport』によると、改善が必要な場所を問われたフェルスタッペンは、笑いながら「ほぼ全部のブレーキングゾーンだね。コース図をくれれば、僕が直すよ」と答えた。一方で、国際自動車連盟(FIA)やサーキット設計者から求められれば、協力する用意があると明かした。
フェルスタッペン「僕が直す」コーナー設計を批判
Courtesy Of McLaren
予選後に握手を交わすポールポジションのランド・ノリス(マクラーレン)と3番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2026年9月12日(土) F1スペインGP予選(マドリンク)
フェルスタッペンは路面について、いくつかの場所では新設コースとしてはバンプが多すぎるとしながらも、舗装については「いい仕事をした」と評価した。一方、レイアウトについては改善の余地があると指摘した。
「コーナーについては、オーバーテイクできないのが問題だ。ステアリングを切りながらブレーキングをしなきゃならないような形には、絶対にすべきじゃない。そうすると、どんなオーバーテイクもできなくなる」
フェルスタッペンは取材対応中、F3のスプリントレースが始まるとスタートの様子を見守った後、「もう見る必要はないね。みんな、前のマシンについて走っているだけだから」と話し、改めてオーバーテイクの難しさを強調した。
「コース図をくれれば、僕が直すよ」という発言は冗談交じりだったが、フェルスタッペン自身はレイアウト改善への協力に前向きだ。
「『このレイアウトをどう思う?』って聞いてくれれば、いつだって応えるよ。結局のところ、何が必要なのか、良いコーナーがどういうものなのかを一番よく分かっているのはドライバーだからね」
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ラ・モヌメンタル(ターン12)を抜けた先のストレートを走行するニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)、2026年9月12日(土) F1スペインGP(マドリンク)
さらに、オーバーテイクを改善するためにレイアウトの変更を求めた場合、主催者側は、すでに決まったレイアウトを調整することは不可能だと主張するだろうとしたうえで、それを「言い訳」と一蹴した。
「向こうは決まって『でもスペースがないから』って言ってくるだろうけど、そんなのはただの言い訳だ。どんなサーキットであれ、オーバーテイクのチャンスを作る方法は必ずある」
「とはいえ、イベントそのものはすごくいいと思う。本当にいい仕事をしたと思うよ。それに、サーキットを使える状態にするまでかなり早かったと思うし、シミュレーター用に共有された情報についてもそうだ。その点では、本当に素晴らしいと思う」
「でも、もっといいレースやオーバーテイクを実現したいのであれば、変更できるコーナーは幾つかあると思う」
長大ピットレーン、戦略の多様化阻むとノリス
Courtesy Of Audi
マドリンクのコース脇にはためく巨大なスペイン国旗とピットレーン出口、2026年9月12日(土) F1スペインGP フリー走行
ドライバーたちが問題視しているのはコースレイアウトだけではない。ランド・ノリス(マクラーレン)は「ピットレーンなんて6kmくらいあるからね!」と冗談交じりに批判した。
マドリンクではIFEMA展示ホールによってピットボックスが途中で分断され、ピットレーンが実質的に二つの区間に分かれている。アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は「昨日、真ん中にある建物を撤去しようって提案したんだけどね」とジョークを飛ばした。
Courtesy Of Madring
マドリンクのコースレイアウトとパドックなどの施設配置を示した詳細設計図、2026年F1スペインGP
現状、マドリンクではタイヤのデグラデーションが大きく、本来であればピットストップ回数の増加によって、戦略の多様化が期待できる状況にある。
ところが、ピットレーンが長いためピットストップによるタイムロスが大きく、さらにオーバーテイクの難しさもあって、レースでは各チームがトラックポジションを優先し、ピット回数を抑える可能性がある。
ノリスは「新しいコースを造るのにこれだけのお金をかけるなら、ピットレーンは短くすべきだと思う」と主張した。
「そうすればみんなピットに入りやすくなって、それによってオーバーテイクも生まれる。デグが大きいか小さいかは関係ない。ピットレーンを短くしていくべき時代なのに、ここが一番長いというのはね」
Courtesy Of McLaren
トップ3記者会見を前に並んで座る2番手アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、ポールポジションのランド・ノリス(マクラーレン)、3番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2026年9月12日(土) F1スペインGP予選(マドリンク)
2026年F1スペインGPの予選ではランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、3番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)という結果となった。
決勝レースは日本時間9月13日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5416mのマドリンクを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
