日本の15歳学力は上位維持… でも読解力後退 低いAI利用頻度


経済協力開発機構(OECD)は8日、世界の15歳を対象に、2025年に実施した学習到達度調査(PISA(ピザ))の結果を公表した。日本の順位は「科学コンピテンシー(課題解決力)」が5位(前回2022年調査で2位)、「読解力」が4位(同3位)、「数学的リテラシー」は5位(同5位)と上位を維持した。
PISAは2000年から3~4年ごとに実施。3分野に即した文章やグラフを読み解く問題で、知識や技能を実生活の課題解決に活用する力を測る。2025年の調査には91の国と地域から約76万人が参加し、日本では高校1年生約6500人が受けた。
OECD加盟国(38カ国)全体の科学コンピテンシーの平均得点は、前回と統計的に有意な差はなかったが、読解力や数学的リテラシーは下がった。一方、日本が低下したと認められるのは、516点から503点に下がった読解力のみで、OECD加盟国の中では初めて全分野で1位となった。
文部科学省は、課題解決能力の育成を重視した現行の学習指導要領の定着や、1人1台の学習端末環境の整備が、好成績につながったと分析している。
■低得点層が増加、好奇心、取り組み方への工夫に課題
ただ、得点をもとに生徒の習熟度を6段階に分けると、最も習熟度の低いグループの生徒の割合は、全分野で前回調査より上昇した。保護者の学歴が高かったり、家庭の資産が多かったりするほど得点が高い生徒の割合が高い傾向も見られた。
調査と同時に実施したアンケートからは、日本の生徒の勉強に向かう姿勢にも課題が見られた。様々なことに対する好奇心が強いか、を尋ねたところ、「まったくその通りだ」「その通りだ」と答えた生徒の割合は62.6%で、OECD平均(73.5%)より10ポイント以上低かった。勉強への取り組み方を計画するか、うまくいかないと気付いたら取り組み方を変更するか、といった質問に対し、肯定的に答えた割合もOECD平均より低かった。
日本、OECD全体ともに、AIを学校の学習で適度に採り入れている生徒ほど科学コンピテンシーの得点が高い傾向がみられた。ただ、日本は学校の勉強におけるAIの利用頻度がOECD加盟国で最も低かった。
また、今回は3分野とは別にプログラミングツールなどの技術を使った課題解決能力を測る調査も行われた。日本の順位は4位で、OECD加盟国では1位だった。
■次期学習指導要領、対策は
2030年度以降に始まる次期学習指導要領では、生徒が好奇心を持って学習に取り組めるよう、学習内容と社会や職業のつながりについて学ぶ「科学ガイダンス」「数学ガイダンス」といった時間を中学や高校で設ける方針だ。
また、児童生徒が工夫して学習に取り組めるよう、具体的な学び方を教えたり、学習状況を振り返る機会を設けたりするよう学校現場に促すことも検討している。文科省の担当者は「今の成績はトップクラスだが、(計画を立てる力などが)今後絶対的な弱みになるかもしれない」と指摘。認知心理学などに基づいた効果的な学習方法を学校現場に伝えていきたいとしている。
=朝日新聞デジタル版2026年09月08日掲載
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