北朝鮮拉致問題「封印された真実」を追う
北朝鮮拉致問題「封印された真実」を追う(10)
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2026.9.17(木)
2002年9月11日、鹿児島・奄美大島沖の東シナ海に沈んでいた北朝鮮工作船とみられる不審船が引き揚げられた。前年12月に海上保安庁巡視船との銃撃戦の末に自爆し沈没してから約8カ月半。乗組員は全員死亡、船内から遺体や地対空ミサイルなど50点が回収された(写真:共同通信社)
赤さびた船首。喫水線の下は、最高時速約61キロ(33ノット)の高速航行に適した深いV字型だ。全長30メートルの船体には、銃撃戦の弾痕が生々しく残っている。
ここは横浜・みなとみらいの「海上保安資料館横浜館」。若者たちでにぎわう赤レンガ倉庫のすぐ近くに、北朝鮮工作船の実物が展示されている。
北朝鮮工作船を展示する海上保安資料館(筆者撮影)
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2001年12月、奄美大島沖で海上保安庁の巡視船と銃撃戦を繰り広げた末、自爆して沈没した工作船「長漁3705」である。
自沈した工作船とその装備から浮かび上がった「彼ら」の活動内容
館内には、船内に残されていた重火器、工作員が海岸に上陸するためのゴムボートや水中スクーター、無線機、さらには乗組員が身に着けていた金日成バッジや煙草、菓子までが展示されている。ここにあるのは、北朝鮮の工作活動を「実物」で見ることのできる、極めて貴重な資料である。
工作母船。全長約30メートル(筆者撮影)
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船体に残る弾痕。海保巡視船との「海戦」を生々しく伝える(筆者撮影)
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口径14.5mm二連装機銃。工作船はこの他、82mm無反動砲、ロケットランチャー、携行型対空ミサイルなど多くの武器を装備していた。(筆者撮影)
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工作員が海岸に上陸するために使用する水中スクーターとゴムボート。水中スクーターは同時に3人がつかまって移動できる。
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自爆用とみられるスイッチ。工作船は自爆用爆発物によるものとみられる爆発を起こし、推定15人の乗組員とともに東シナ海に沈んだ。8柱の遺体が回収されている。
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展示スペースの一角には、北朝鮮による拉致事件の啓発コーナーが設けられている。拉致被害者の顔写真が並び、モニターには横田めぐみさんの母、早紀江さんが娘への思いを語る映像が流れていた。
この二つは、深くつながっている。
北朝鮮の工作船は、工作員を日本に送り込むためだけの船ではない。日本に潜入していた工作員を回収したり、北朝鮮で訓練を受ける工作員候補を送り迎えしたりするためにも使われていた。
