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    Innovative Tech

    公開
    2026年09月17日 07時00分

    著者

    山下(Seamless)

    山下(Seamless)

    Innovative Tech:

    2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2

     東京大学国際高等研究所新世代感染症センターや千葉大学などの研究グループが国際科学誌「npj Vaccines」で発表した論文「Vaccine acceptance in a future pandemic after COVID-19 and its decision drivers in Japan」は、将来のパンデミックにおけるワクチン接種意向と、それを左右する要因を調査した研究報告だ。

    調査の概要と主な結果(プレスリリースより引用)

     研究チームは、健康格差評価研究「JACSIS」のデータを用いて解析を行った。2024年12月から25年1月に15~84歳の2万8000人(分析対象は2万4577人)へオンライン調査を実施した。

     対象者には、「次のパンデミックが発生し、その病気による死亡リスクを50%以上減らすワクチンが開発され、日本政府や世界保健機関(WHO)などによって承認された」と示してワクチンを接種するかを尋ねた。

     分析の結果、新型コロナと同程度の致死率を想定した場合、「絶対に接種する」または「おそらく接種する」と答えたのは全体の53.1%だった。日本の新型コロナワクチン接種率が8割を超えていたことと比べると低い水準といえる。

     実際に接種した1万9027人に限っても35.8%が次は接種しない(内訳は「おそらく接種しない」と「絶対に接種しない」)と答え、逆に未接種だった人の15.1%は接種意向を示した。

    次のパンデミックにおけるワクチン接種意向の内訳(プレスリリースより引用)

     接種意向が低い傾向がみられたのは、20~40代、女性、収入が低い人、教育歴が低い人、ワクチンに関する誤情報や新型コロナを巡る陰謀論を信じている人などが確認された。一方、かかりつけ医がいること、感染症に関する知識が多いこと、人との接触が多いことは高い接種意向と結びついていた。

     一方で、過去の副反応の有無やその程度が将来の接種意向とは関連していなかった。

     情報源についても差があり、政府や医療従事者、専門家、テレビ、新聞から情報を得ている人は意向が高く、友人や著名人、動画共有サイト、SNSからの情報は低い意向と関連していた。ただし観察研究であり、因果関係を示すものではない。

    次のパンデミックにおけるワクチン接種意向と関連する要因(プレスリリースより引用)

     研究チームはさらに、どのような条件があれば接種したいと思うかを20項目にわたって尋ね、その優先順位のパターンから参加者を8つのグループに分類した。どのグループでも「無料で接種できること」と「臨床試験による科学的な根拠」が特に重視され、医師からの推奨も幅広く支持された。

    接種を後押しする20項目と8グループへの分類(プレスリリースより引用)

    Source and Image Credits: Kawasaki, J., Hamada, M., Machida, M. et al. Vaccine acceptance in a future pandemic after COVID-19 and its decision drivers in Japan. npj Vaccines 11, 174 (2026). https://doi.org/10.1038/s41541-026-01561-2

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    Innovative Tech

    2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。

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    山下(Seamless)

    山下(Seamless)

    2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。

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