2026年9月
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     毎年、記録的な暑さ(と豪雨)が普通になりつつある日本。前にも書いたが、移住前(2024年)、「岐阜の山奥に移住する」と知人に話すと、何人もから「寒くないですか?」と言われた。それに対し筆者は冗談半分、本気半分で「地球温暖化で5年、10年後には夏に40℃を超えるのは熊谷や多治見だけじゃなく、『全国10カ所で今日の最高気温が40℃を超えました』ってニュースになるから、少し寒いところに住むとちょうどよい」と答えていた。2025年8月5日、最高気温が40℃を超えた地点は群馬県、埼玉県、東京都など14地点。筆者が移住前に予想した、全国10カ所で40℃超えを記録するのはわずか1年後だった。

    2026年、酷暑日が最も多いのは岐阜県でした

     今年から40℃超えの日の名称が酷暑日となった。気象庁が発表した2026年夏の酷暑日を観測した地点は、全国914地点中22地点。岐阜県多治見市、岐阜県美濃市、三重県桑名市は全国最多の4日酷暑日を記録。愛知県豊田市が3日、浜松市天竜区佐久間、浜松市中央区、福岡県太宰府市が2日など、複数回の酷暑日を記録する地点があり、のべ36地点で酷暑日となった。

     酷暑日を記録した地点が多かった日は7月23日と8月3日で7地点。7月23日は静岡県、愛知県、岐阜県、三重県と東海地方に集中、8月3日は香川県、福岡県、佐賀県、熊本県と四国・九州地方に集中して酷暑日を記録した。

     都道府県で酷暑日が最も多かったのは、筆者が移住した岐阜県。多治見市、美濃市に加え、下呂市金山、郡上市八幡でも酷暑日を記録、のべ10地点はブッチギリの1位だ……「えっ岐阜って暑いの?」。想定外の結果となった。しかも岐阜県内で酷暑日を記録した4地点は、筆者が移住した白川町からそこそこ近い。

    赤色は酷暑日を記録した自治体。青色は筆者が移住した白川町

     過去に40℃超えを記録した回数は、岐阜県多治見市が12回、群馬県伊勢崎市が7回、埼玉県熊谷市と群馬県館林市が5回となっている。多治見市が暑い理由は盆地という地形に加え、観測地点の環境の影響もある。1976年に設置された観測地点(アメダス)は片側2車線の国道248号沿いの消防署敷地内。同じ通り沿いにユニクロ、マクドナルド、丸亀製麺などがある交通量の多い通りに面していてアスファルトに囲われている。消防署の裏は中央道多治見インターチェンジもあり、地面からの照り返し、車の排気熱など気温が高めになりそうな環境だ。観測地点を市内の別の場所に移転すると最高気温が下がるかもしれない。

     群馬県館林市の観測地点は、2018年に消防署から2km離れた高校に移転し、最高気温が0.4℃低くなった。仮に観測地点の変更で0.4℃下がるとすると、2026年の多治見の酷暑日は4日→1日に減少する。

    観測地点は地域全体の温度を表しているわけではありません

     以前にもお伝えしたが、気温の観測地点と皆さんのご自宅や職場周辺の気温は異なる。例えば東京の観測地点は千代田区北の丸公園、日本武道館から南東220mくらいの場所。Google マップで見てみると、公園の林に囲まれていて、最も近い建物は科学技術館で、直線距離は100mチョット。周りにコンクリートの建物も、エアコンの排熱もない環境だ。

     コンクリートのビルとアスファルトに囲まれたオフィス街や、エアコンの排熱が滞留する住宅密集地と比べると、涼しい環境で計測しているので、天気予報などの東京の気温は低めとなる。現在の観測地点は2014年12月に大手町から移転。事前調査で大手町と北の丸公園の気温を比較すると、熱帯夜は49日→26日(2012年)と大幅に減少した。

     観測地点(アメダス)は各都道府県内に複数箇所あるので、ご自宅の近くの観測点がどこにあるか確認すると、気温を見るときの参考になるかもしれない。

    熱帯夜は0日。昼間は暑いけど、夕方から涼しいんです

     移住して2回目の夏が終わろうとしている。移住前12年間は川崎市。その前は自宅マンションのある名古屋市に住んでいて「白川町は昼間暑いけど夕方から涼しい」と感じている。暑かった7月のデータで検証してみよう。

     グラフは実線が最高気温、点線が最低気温。赤線が名古屋、青線が多治見、緑が白川町(アメダス黒川観測所)の気象庁のデータ。黄線は筆者がガレージに設置したBluetooth温度計の実測値。

    気象庁の名古屋、多治見、白川町(黒川)と筆者宅の最高気温・最低気温の推移ガレージに設置したBluetooth温度計。2台購入後に2台、3台を追加。今年さらに2台追加し、計9台となった

     最高気温の推移は名古屋、多治見、筆者宅は似たような傾向で、多治見で酷暑日を記録した7月21~25日の気温を見ると、多治見>名古屋>筆者宅となっている。

    名古屋多治見筆者宅7月21日39.740.338.87月22日39.140.037.37月23日39.940.239.57月24日39.739.938.87月25日39.840.739.3

     多治見が酷暑日となったのは7月24日を除く4日。名古屋は7月23日が39.9℃で酷暑日に0.1℃届かず酷暑日はゼロだが、連日39℃超えでかなり暑い。白川町の筆者宅も39℃超えの日が2日あり、そこそこ暑い。白川町の観測地点(アメダス)が設置された黒川中学校は筆者宅から10kmほど離れていて気温は2~4℃低くなっている。

     最低気温は名古屋>多治見>筆者宅>白川町(黒川)の順で、夜間の最低気温が25℃以上となる熱帯夜の日数は、名古屋 18日、多治見 5日、筆者宅と白川町(黒川) 0日となった。筆者が感じている「昼間は暑いけど夕方から涼しい」はデータでも証明された。40℃超えを記録した回数で日本一の多治見も、夜間は名古屋よりもかなり涼しく、寝苦しい夜は数えるほどとなっている。名古屋などコンクリートとアスファルトとエアコンの排熱で温度の下がらない都会の夜は暑いことが分かる。多治見の人が名古屋に引っ越したら「名古屋は暑い」となりそうだ。

     多治見が最高気温40.7℃を記録した7月25日の朝5時前から翌26日の朝5時過ぎの1時間ごとの気温の推移を見てみよう。

    7月25日の朝5時前から翌26日の朝5時過ぎまでの1時間ごとの気温の推移

     朝5時。名古屋は29℃、多治見は25℃。白川町の観測地点は21℃、筆者宅は23℃。白川町の観測地点は終日気温が低い。

     朝9時ごろ、名古屋、多治見、筆者宅はほぼ同じ34℃。午前中は差が少なく昼過ぎに多治見の温度が40℃を超える。筆者宅の気温も昼過ぎに名古屋より高くなるが16時以降は名古屋より低くなる。酷暑日を記録した多治見の気温も20時以降は名古屋より低くなる。24時には名古屋30℃、多治見27℃、筆者宅23℃。翌朝5時は名古屋28℃、多治見24℃、筆者宅23℃となった。

     この日、筆者は昼過ぎに白川町から名古屋へ移動。夜は飲み会、名古屋の自宅マンションに1泊した。白川町にいるときは夕方からサッシを開け、網戸にして換気。夜は窓を閉めて寝ていたので、久しぶりの熱帯夜。二日酔いなのか寝不足なのか、翌日は体調が悪かった。

    名古屋へ移動中。車の外気温計は41℃となった

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