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    【ローアー・トレストルズ、サンクレメンテ、カリフォルニア州、USA(2026年9月18日金曜日)】 – 2026年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第9戦であるレクサス・トレッスルズ・プロの重要なファイナルデーが、ローワー・トレッスルズにてスタートした。

     

    午前中は4~5フィートのクリーンなコンディションが舞台を整えている。大会の締めくくりとして、まず女子クオーターファイナルが行われ、その後、男子クオーターファイナル、女子セミ、男子セミへと進行する。各ヒートは35分。続いて、40分間のファイナルで2026年レクサス・トレッスルズ・プロの優勝者が決定し、ワールドタイトル争いを左右するポストシーズンの最後のスポットも決まる。

     

     

     

     

    女子QFに続き、戦いの舞台は男子クオーターファイナルに移る。2025年大会の準優勝者である五十嵐カノア(JPN)は、前回より上位を目指すべく、2025年のルーキー・オブ・ザ・イヤーであるマルコ・ミニョ(FRA)との大一番となるH2から戦いを始める。

     

    五十嵐カノア(JPN) at Lower Trestles, San Clemente, California. (Photo by Emma Sharon/World Surf League)

     

    トレッスルズのすぐ北、ハンティントンビーチで育った五十嵐カノアは、まさにこの石畳の上で才能を磨き上げ、マルコ・ミニョとのクオーターファイナルで驚異的なパフォーマンスを披露した。

     

    五十嵐カノア(JPN) at Lower Trestles, San Clemente, California. (Photo by Pat Nolan/World Surf League)

     

    カノアのフォアハンドのプログレッションと正確さは、8.00と7.67というエクセレントな得点を生み出し、ミニョをコンボ状況に追い込んだ。今、カノアはセミファイナルH1で、2025年のファイナルの再戦となるヤゴ・ドラとの対戦することとなった。

     

     

     

    ミニョーとのヒートでは、これまでのラウンドとは異なるボードをチョイス。その決断は、周囲から「クレイジー」と言われるほど直感的なものだったという。

     

    「JS(シェイパー)が今、良いボードを作ってくれていて。新しい“Monster”に乗ったんです。ここ数日までのラウンドとはボードを変えた。コーチや両親、弟、周りのみんなからは『本当にクレイジーだ』と言われたけど、ただ自分の感覚を信じたんです」

     

    科学的な分析や綿密なゲームプランがあったわけではない。それでも「新しいボードに乗りたい」という感覚に従った結果、その選択は見事にハマった。

     

    「時には自分の直感に従わなきゃいけない。新しいボードに乗ってみたかった。それで乗ってみたらすごく良かった。だから、このまま使い続けようと思います」

     

     

     

     

    五十嵐カノア(JPN) at Lower Trestles, San Clemente, California. (Photo by Emma Sharon/World Surf League)

     

    今回のカノアのサーフィンを象徴していたのが、自由自在にラインを描くクリエイティブなサーフィンだ。

     

    幼少期からローワー・トレッスルズのすぐ北にあるハンティントンビーチでサーフィンを磨いてきたカノアにとって、ここはまさにホームに近い場所。その波に乗るときには、他の会場とは異なる感覚があるという。

     

    「他の場所でも同じような感覚になれたらいいなと思う。トレッスルズではゲームプランを考えることすらない。パドルアウトして、そのとき自分がやりたいことをやる。それがうまくいっていると思います」

     

    カノアがローワーズを「スケートパーク」や「ウェイブプール」のようだと表現するのも、この自由度の高さゆえだ。

     

    「みんながある意味で同じことをする波だから、すごくクールなイーブンな環境になる。結局、その30分間で誰が調子がいいのか、という勝負になる」

     

    そして何より、ホームでのサーフィンを楽しめていることが、今大会での好調につながっている。

     

     

    五十嵐カノア(JPN) at Lower Trestles, San Clemente, California. (Photo by Pat Nolan/World Surf League)
    五十嵐カノア(JPN) at Lower Trestles, San Clemente, California. (Photo by Pat Nolan/World Surf League)

     

     

    「ホームでサーフィンできるのはいつだって最高。ローワーズが大好きだし、ツアーで行く場所の中ではここが一番ホームに近い。ここにいられて本当に嬉しい」

     

    さらにカノアにとっては、今回のサイズも理想的だった。

     

    「世界のほとんどの場所では、もっと大きくて、もっとパワフルな波でサーフィンしたいと思う。でもローワーズでは、いつも2〜3フィートくらいがいいって言っているんです。『スウェルが来る』って聞くと、『小さくなってほしい』って思うくらい。このサイズのローワーズが好きなんです」

     

     

    五十嵐カノア(JPN) at Lower Trestles, San Clemente, California. (Photo by Emma Sharon/World Surf League)

     

     

    そして次なる相手は、現ワールドチャンピオンであり、今大会のディフェンディングチャンピオンでもあるヤゴ・ドラ。

    昨年のこの大会のファイナルで顔を合わせた両者が、今年はセミファイナルで再び激突する。

     

    「彼が倒すべき相手だと思っています。彼とヒートを戦えることにすごく興奮している。当然、緊張もする。特に彼はここで信じられないような連勝をしていると思うから、すごく怖い相手です」

     

    王者を前にしても、カノアが意識するのは相手ではなく、自分自身のサーフィンだ。

     

    「でも、そういう瞬間こそステップアップしなきゃいけない。自分は今、かなり良いサーフィンができていると思う。

     

    だから、もし彼に負けたとしても、良いヒートになると思う。自分のベストなサーフィンをするだけ。そして、1〜2時間くらいで、この時間をどう戦うかをしっかりまとめて、海で何ができるかを試してみたんです」

     

     

    ホームに近いローワーズで、直感を信じて選んだ新しいボードとともに、自由なサーフィンを続けるカノア。

    昨年のファイナルで実現したヤゴ・ドラとの対決が、今年はセミファイナルというさらに重要なステージで再び実現する。

     

     

     

     

     

    ドラはレフト、カノアはライトでヒートを開始。両者ともアベレージスコアをマークしてのヒートスタートとなった。その後、優先権のないままドラはレフトの波を続けて掴みスコアを重ねてリードを広げていく。

     

    カノアは優先権を持って、じっくりと波をまった。しかし思ったような波は入らず時間だけが過ぎていく。ニード5.91でセットを掴んだカノア。しかしセクションがあまりない波でスコアは5.83と僅かに逆転ならず。ニードスコアは4.41と縮まる。

     

    五十嵐カノア(JPN) at Lower Trestles, San Clemente, California. (Photo by Pat Nolan/World Surf League)

     

    残り時間10分。ドラがライトの波でバックハンドを披露。カノアもビッグスナップを2発決める。テール激しく蹴り出し大きなスプレーを上げ、ガッツポーズ。7.50をスコアして大逆転。残り時間は5分を切った。

     

    ニード7.07と追い込まれたヤゴはフォアハンドのエアリバースを決めるも逆転ならず。そのままタムアップとなりカノアがリベンジを果たし2年連続となるファイナルへ勝ち上がった。

     

     

     

    「正直に言うと、自分は良いサーフィンができていると感じていますし、それだけが僕にとって大切なことなんです。

     

    こうした大会に参加するとなると、数字やそういったことに囚われがちになりますが、結局のところ、ただ良いサーフィンをしたいだけなんです。」とファイナル進出を決めたカノアが語った。

     

    「例えば、ジャージを着用してのサーフィンであれ、世界タイトルをかけてのサーフィンであれ、オリンピックのメダルを目指してのサーフィンであれ、あるいは地元のビーチで友達の前でサーフィンをするのであれ、ただただ、良いサーフィンをしたいだけなんです。

     

    そして、良いサーフィンができていることは、大きな喜びとなっています。

     

    正直なところ、もしヒートを終えた直後に、誰かに「負けたよ」と言われても、全く気にならなかったでしょう。なぜなら、自分なりに良いサーフィンができていると分かっているからです。

    これからが勝負って感じで、このままファイナル頑張ります。」

     

     

    ファイナルでは、世界ランク4位のブラジルのミゲル・プポと対戦。エア技を駆使してSFで地元のコール・ハウシュマンを下してファイナルへ勝ち上がった。

     

    ファイナルはカノアが先制、フォアハンドのエアリバースで5.50をスコアしてヒートを開始。ヒートの主導権を握る。

     

    波数が少なく波を待つ時間が長くなるスローな展開のファイナル。プポはセットを掴み、バックハンドのビッグターンのコンビネーションで8.50のエクセレントをスコア。カノアもベストスコアを6.50に塗り替えリードを維持する。

     

    しかしニードスコアは3.50に縮まったが、カノアは2のビッグターンコンボでアンサーバック。7.67をスコアしてリードを広げる。続けてカノアはエアリバースをメイクし、6.73をスコア。プポにプレッシャーを加える。

    しかしプポは残り5分でレフトのセットをキャッチ。カービングとエアリバースをメイクし6.27をスコアして逆転。カノアはニード7.11と逆に追い込まれてしまう。そのまま波は入らずにタイムアップ。

     

    絶好調でファイナルに勝ち上がった五十嵐カノアだったが、惜しくもキャリア2度目となるCT優勝は次回にお預けとなった。

     

     

    ライブ配信
    2026年WSLチャンピオンシップツアー(CT)の第9戦「レクサス・トレッスルズ・プロ」は、2026年9月11日から20日まで開催される。大会の模様は、WorldSurfLeague.comおよび無料のWSLアプリでライブ配信される。

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