
カプコンは、プレイステーション 5/XBOX Series X|S/Nintendo Switch 2/PC用ハンティングアクション「モンスターハンターワイルズ」における超大型拡張コンテンツ「モンスターハンターワイルズ:アセンダンス(以下、アセンダンス)」を2027年に発売予定だ。
本作では、ゲーム本編「モンスターハンターワイルズ」の物語から続くストーリーが描かれ、「ブーストブレイザー」の登場で正統進化したアクション、懐かしい追加マップ、新モンスターの登場など、数多くの新要素が公開されており、大きな盛り上がりを見せている。
現在開催されている「東京ゲームショウ2026(TGS2026)」では試遊ブースが設置され、新要素「ブーストブレイザー」によるスピーディーなアクションと、つい先日復活が発表された古龍「テオ・テスカトル」との狩猟も体験できるということで、大盛況となっている。
【TGS:アセンダンス試遊ブース】

【TGS:カプコン試遊ブース】


今回は「アセンダンス」の制作に携わった4名のクリエイターに、TGS2026会場にてインタビューを行なった。お話を伺えたのはプロデューサーの辻本良三氏、ディレクターの平岡拓朗氏、エグゼクティブディレクター兼アートディレクターの藤岡要氏、そして12月に発売されるNintendo Switch 2版「モンスターハンターワイルズ」プロデューサーの砂野元気氏だ。
「モンハンワイルズ」並びに「アセンダンス」について、誰よりも知る4名が一堂に会する貴重な機会に立ち会う事ができたので、ぜひ最後までチェックしてほしい。
左から順に藤岡氏、平岡氏、辻本氏、砂野氏となる「アセンダンス」のコンセプトは“ワイルズの正統進化”
――本日はよろしくお願いいたします!初めに「アセンダンス」のテーマやコンセプトをお聞かせいただけますか?
平岡氏:今回「アセンダンス」のプロジェクトをスタートするにあたって、掲げたコンセプトは“ワイルズの正統進化”となります。開発陣はもちろん、ユーザーの皆様が感じた「ワイルズ」の良かった部分をしっかり伸ばし、逆に実際にリリースして改善すべきと感じた点は徹底的に直していく……。これを突き詰めることが”正統進化”だと考えて目標としていました。この考えを基盤に、ストーリーや新アクションなどの要素をどう追加・改善していくかを検討した形ですね。
――新アクションの中核を担う「ブーストブレイザー」はどのような意図・コンセプトで作られたのでしょうか?
平岡氏:「ブーストブレイザー」によるアクションを追加した発端は、単純な強化プランではなく「ワイルズ」のアクション感をベースにハンター側の“チャンスメイクをどう作るか”という根本からスタートした形になります。
「モンスターハンター」シリーズのアクションは、モンスターの隙を突いてハンター側が様々なアプロ―チで攻撃を行うのが基本だと僕は思っています。その“隙”がどういうタイミングなのかと考えると、モンスターのアクションの後隙であったり、罠や閃光玉などのアイテムを使って生み出す事もあれば、モンスターの怒り・スタミナ切れの状態でチャンスの状況が変化するといった、様々な要素の絡み合いで狩猟が行われていると考えているんです。
そこに対して、ハンター自身が“能動的にチャンスタイムを作り出せる要素”があったらどうなるだろうと考えた結果生まれたのが、今回の「ブーストブレイザー」になります。
藤岡氏:視覚的にも派手で、かっこいい技が出やすくなっています。
平岡氏:色んな考えや試行錯誤の末に今の形になったのですが、長いモンスターとの狩猟の中で「ブーストブレイザー」が使えるタイミングは限られますので、狩猟にメリハリを生み出しつつ新たなアクセントになるよう考えて作りました。全ての武器で共通していることとして、チャンスメイクのための多様な手段を用意したと捉えていただければと思います。
【『モンスターハンターワイルズ:アセンダンス』プロモーション映像①(TGS 2026 Ver.)】
――「ブーストブレイザー」のアクションの要となる「ブーストゲージ」はどのような仕組みなのでしょうか?
平岡氏:詳しい仕様は開発中のため明言を避けますが「ハンター側がモンスターに対して有利な行動をしていればゲージが溜まる」というコンセプトを重視しています。「アセンダンス」でハンター側が狩猟アクションを行っていたら自然と溜まっていた……といったプレイ感を目指していますね。
もちろん上手いプレーヤーは「ブーストゲージ」を活用する事で、先述した通り多くのチャンスメイクが可能になるので、より洗練された戦略やアクションを楽しめる要素になると思います。
ですが僕たちとしては普通に戦っている中で自然と溜まり、「溜まったから使う」というストレートな設計を目指していますので、ゲージを溜めること自体を目的にするのではなく、バンバン試行錯誤して気持ちよく遊べるようデザインしました。
――熟練者でも初心者でも気持ち良く遊べるデザインという事でしょうか?
平岡氏:そうですね!慣れていない方はダウン時や気絶時に一気に消費して叩き込む使い方ができますし、熟練者はこまめに使って自分のターンを維持する高度な立ち回りも可能です。どう「ブーストブレイザー」を使うかは、本当にプレーヤー次第になる幅を持たせた新要素となっているのでお楽しみいただければと思います。
――「ブーストブレイザー」の追加によって、開発目線で「特に触ってみてほしい武器」などはありますか?
平岡氏:どれも面白いと思っているので1つに絞るのが難しいですね(笑)。本当に全部色々進化していて「全て触ってください!」といった気持ちが強いので、まずは「全ての武器」というのがお答えになると思います……!
――個人的な主観でも……。
辻本氏:それで言ったら僕は「ハンマー」になっちゃいますけどね(笑)
(注釈:辻本Pは昔からハンマー使いとして有名)
平岡氏:あくまで個人的にはなりますが、僕は「アセンダンス」から「大剣」を触り始めまして、今回の追加要素で従来の「大剣」には無かった俊敏なアクションが可能になったり、一番の華である「溜め切り」を通す手段が増えましたので、今回の武器の中ではかなりお気に入りです!全ての武器で革新的な進化をしているので、オススメは全てという事でお願いします!
【『モンスターハンターワイルズ:アセンダンス』武器紹介動画:大剣】
――「ブーストアクション」などの追加要素で、デザイン面・操作面で調整が難しかった部分はありますか?
藤岡氏:エフェクトなどが派手になりすぎて、キャラクターが見えなくなるという問題があったのでそこは注意しましたね(笑)。エフェクトなどの記号を重ねることで瞬間的に派手で気持ち良くなる一方、遊びやすさに直結する視認性を損なう訳にはいかなかったので力を入れた部分になります
操作面に関しては「ブースト状態」へいつでもワンアクションで発動できることを重視しました。コンボの最後や特定のアクション後という指定を作らず、“出したい時にいつでも出せる”というのが重要だと感じていたので。
平岡氏:なので既存の全ての武器操作と重複しないボタン割り当てを探すのが大変でした。最終的にはPSPでリリースしていた「モンハン」シリーズに存在していた「納刀状態から抜刀ガードなどを出す操作」が近い操作感になりまして、見つけた時は「コレやん!」と思いましたね(笑)。
出しやすさはチャンスメイクに関わる重要な要素になるので、空いているボタンかつ直感的な形のボタン配置を見つけられて良かったです。他にも両スティックの押し込みや特定のアクションから接続すると発動できるなど、多彩な発動方法を用意したので自分の操作感に合わせてお楽しみ頂ければと思います
【ブーストアクション】

古龍「テオ・テスカトル」とSwitch2版について
――今回情報公開された「テオ・テスカトル」について、アクション・デザインの表現で注力した点について教えてください。
平岡氏:テオはシリーズでもお馴染みのモンスターで、様々な時代の「テオ・テスカトル」が存在しているのでどの要素を抽出するのかは非常に悩ましい部分でした。その中で意識したのは、「モンハンワイルズ」のベースアクションと合致して活かせるような形で再構成したイメージになります。
それに加えて“新しいアクション”を追加した方が僕らも開発していて楽しかったので、そういった新しい要素も見られる「テオ・テスカトル」を目指しました。あと、テオには「スーパーノヴァ」というアイコニックな大技があるのですが、それも条件を満たすと従来とは違う追撃がくる事もあったり、アクション面でも変化を用意しています。
――私もそのアクションでひと泡吹かされました……!「スーパーノヴァ」を知っているからこそ油断したみたいな部分がありましたね。
平岡氏:特にいじわるをしている訳ではないんですけども(笑)。そういった新しい要素を追加する方が「楽しい」と感じる意欲的なクリエイターがカプコンには多いので、シリーズファンにも新鮮な驚きを感じてもらえる形で表現できたと思います。今までのテオらしさと「モンハンワイルズ」ならではの新しさの両方を味わえるのでぜひ楽しんでいただけたらと思います
【テオ・テスカトル】


【スーパーノヴァ】

――今回TGS2026に合わせて「テオ・テスカトル」を発表した理由はありますか?
辻本氏:「モンハン」シリーズにおいて、古龍といえば「クシャルダオラ」といった認識が僕らにもあったので、初報の際にはそちらを出したのですが、同じように代表格として並べる古龍として「テオ・テスカトル」が存在していると考えています。
なので「アセンダンス」が古龍に深く関わる作品である以上、代表格のモンスターの情報はむしろ早く出した方が良いだろうという思いはありましたね(笑)。既存の人気モンスターである「テオ」と実際に狩猟を体験できることで、TGSという舞台で「アセンダンス」における古龍の存在や位置づけの重要性を強調してくれるなという狙いもありました。
――現在参戦が発表されている2体は、いわゆる“ドス古龍”と呼ばれるシリーズではお馴染みの存在ですからね!
辻本氏:そうですね。「ドス」がもう20年前のタイトルになりますので……(笑)
藤岡氏:もうそんなに前なんですね(笑)
辻本氏:そうなんですよ。古龍としては20周年です(笑)。そういった意味でも、昔から派手なアクションをする人気の古龍として非常に象徴的なモンスターでしたので、ぜひ「テオ・テスカトル」をこのTGSの機会にプレイして頂きたいなと思います!
【クシャルダオラ】
他のドス古龍たちの参戦も期待してしまう…!
――初の追加プラットフォームとなるSwitch2版について、独自の要素や注目ポイントを教えてください。
砂野氏:Switch2版の大きな特徴としては、ローカル通信対応で昔のようにみんなで持ち寄ってワイワイ遊べる部分が大きいですね。その上で「モンハンワイルズ」自体をSwitch2でしっかり遊べるように、パフォーマンスやグラフィックも快適に遊べるように調整するというのが一番の目標でした。
Switch2版も他プラットフォームとのクロスプレイに対応しているので、例えばご家族でそれぞれ別のプラットフォームから「モンハンワイルズ」をマルチプレイすることも可能です。同じプラットフォームを2つ用意しているご家庭はあまりないと思いますが、複数のプラットフォームがあるパターンは多いと思うので、この機会にご家族で遊ぶことも視野に入れて頂ければと思います。
――Switch2で「モンハンワイルズ」を表現するにあたり、ビジュアルやパフォーマンス(FPS・画質設定)のこだわりについてはいかがでしょうか?
砂野氏:コンセプトとしては単なる移植版や劣化版ではなく、自然にSwitch2で「モンハンワイルズ」を楽しめるグラフィックスを目指すという部分が一番の目標でした。パフォーマンス面では、安定して30fpsで遊んでもらえるという部分を目指しまして、その両方を成立させられる限界を見定めつつ、自然に感じられるグラフィック感に注力した形になります。
またSwitch2版は、TVモードと携帯モードの2つありますが、TVモードでは解像度優先モードとパフォーマンス優先モードを選択できるようにしていて、プレーヤーの皆さんのシチュエーションに合わせた遊び方ができると思うので、ご期待頂ければと思います!
――本日はありがとうございました!

