
Wizards of the Coastが、PS5/Xbox Series X|S/PC向けに2027年4月7日の発売を予定しているSFアクションRPG「EXODUS」。開発を手掛けるのは「Mass Effect」や「Dragon Age」などに携わったスタッフが集うArchetype Entertainmentで、本作が同スタジオのデビュー作となる。今回は、東京ゲームショウ2026の会期中に行われたメディア向け試遊で、本作を体験する機会を得た。
ゲームでは、主人公のJun Aslan(ジュン・アスラン)が、滅びに向かう故郷を救うために仲間とともに宇宙を旅する。特徴となるのが、旅する本人と故郷に残る人々との間で時間の進み方が異なる「ウラシマ効果」(時間遅延)という設定だ。プレーヤーの選択は仲間との関係やミッションに影響し、何年、何十年という時間の経過を通じて、故郷の姿も変えていくという。
今回プレイできたのは、ゲーム開始から数時間後に訪れる、宇宙ステーションを舞台としたミッションだ。物語上は恒星間航行に向けた準備段階に当たるため、時間遅延による故郷の変化は体験できなかったが、銃撃とアビリティを組み合わせる戦闘や仲間との連携、NPCとの会話で行動を選ぶ場面などが用意されていた。
戦闘でも会話でも、自分なりの対応を選べる点が印象的だった。本稿では、開発中のデモで体験したプレイフィールを中心に、プレゼンテーションとQ&Aセッションで語られた開発陣の説明も交えてお届けする。
【『EXODUS』発売日発表トレイラー | gamescom ONL 2026】
故郷を救う旅の間に、残された人々には何十年もの時間が流れる
ゲームについて解説してくれたナラティブ・ディレクターのDrew Karpyshyn氏(写真右)と、ゲーム・ディレクターのJesse Sky氏(写真左)
まずは、本作の世界観を紹介しておこう。主人公のジュンは、伝説的なトラベラーであるOrion Aslan(オリオン・アスラン)の子供。物語の始まりでは辺境で回収業者として暮らしているが、故郷のLidon(ライドン)は「ロット」と呼ばれる謎の現象に侵され、滅びに向かっている。ジュンは父の王朝を再興し、トラベラーたちの復活を目指すことで、故郷を救おうとする。
この世界で重要な存在となるのが「Celestial(セレスティアル)」だ。彼らは、遠い昔に星団へ到達した人類の子孫であり、遺伝子工学や生体改造によって、通常の人類をはるかに超えた存在へと進化したという。ライドンの人類社会も、かつてのセレスティアル文明の遺跡の上に築かれている。ジュンには、そのセレスティアルの技術に直接接続できる特別な能力が備わっている。
主人公はジュン。再興を目指して故郷を救おうとする
こうしたSF世界を特徴付けるのが、「ウラシマ効果」と呼ばれる時間遅延の設定だ。開発陣によれば、本作は遠い未来を舞台としているが、少なくとも宇宙航行と時間の扱いについては、現代科学で知られている物理法則をベースにしている。この世界にはワープのような仕組みはなく、光の速さを超える移動や通信もできない。
そのため、別の星系へ向かう際には、光速に近い速度で航行することになる。その際、相対性理論による時間の遅れが生じ、旅する本人にとっては数日でも、故郷に残した友人や愛する人々には、何年、あるいは何十年もの時間が流れることになる。
着想元として挙げられたのは、何世紀にもわたる家族のドラマを描く「デューン」、印象的な仲間との冒険を描く「スター・ウォーズ」、そして時間遅延を扱う「インターステラー」だ。故郷を救うために旅立ちながら、その故郷の人々とは同じ時間を生きられない。冒険に伴う代償を、宇宙の仕組みそのものに組み込んでいる点が興味深い。
旅をともにする仲間も、人間だけではない。セレスティアルの仲間に加え、人間並みの知性を与えられた動物「アウェイクン」も登場する。紹介映像で目を引いたのは、メカスーツに乗るタコ(!)の賞金稼ぎ「Salt(ソルト)」だ。今回の試遊の舞台となる宇宙ステーションも、知性を与えられたカエルの種族「Kay(ケイ)」が運営している。異なる姿や出自を持つ者たちが、同じ宇宙で暮らしている世界なのだ。
登場するキャラクターたちは人間だけではない。タコまで登場する盾持ちの敵をどう崩すか。銃撃にアビリティを加えると戦い方が変わる
今回のミッションでは、恒星間航行に必要な宇宙船のパーツを得るため、別のトラベラー王朝の指導者に協力を求める。その見返りとして引き受けたのが、宇宙ステーションでのケイ族の解放だ。
戦闘は三人称視点のシューティングが基本となる。アサルトライフルのような銃やセミオート式の銃、ショットガンに近い武器などがあり、武器を替えるだけでも戦い方が変わる。銃撃を中心に立ち回ることもできたが、そこにアビリティを加えることで、敵への対処に幅が生まれた。
いくつかの武器やアビリティを切り替えながら戦えた
その面白さがわかりやすかったのが、シールドを持つ敵との戦闘だ。正面から撃ってもダメージを与えにくく、最初は横へ回り込む必要があるのかと考えていた。しかし、アビリティを使えばシールドを破壊したり、敵をダウンさせたりと、銃撃だけでは崩しにくかった状況を打開できた。ほかにも、敵を石化させたり、ステルス状態になったりする能力もあり、相手や状況に応じて使うことで、戦い方はかなり変わってくる。
カバーアクションのように遮蔽物を利用して身を隠す要素もあるが、一度安全な場所を見つければ撃ち続けられるというわけではない。敵が遮蔽物を乗り越えてきたり、上からミサイル攻撃が降ってきたりするため、同じ場所にとどまり続けるのは危険だ。ローリングによる回避も使いながら位置を変え、攻める機会を探る必要があった。
遮蔽物を利用して身を隠しながら戦える。ただし、遮蔽物に隠れていても安全とは限らないため、回避や移動も組み合わせる必要がある
また、仲間の存在も、戦闘の手触りに大きく関わっていた。例えば、自分が敵の注意を引いていたところ、仲間がその背後から攻撃してくれる場面があり、意図的に仕掛けた連携ではなかったものの、戦闘をスムーズに進められた。
開発陣によれば、仲間に敵の注意を引かせ、自分はステルスを利用して背後へ回る戦い方もできるという。自分が積極的に攻めるだけでなく、仲間を支援する側に回ることも可能だ。今回は仲間の組み合わせを試すところまでは至らなかったが、仲間ごとに役割が異なり、自分の戦い方に合わせてチームを編成できると説明していた。
なお、今回のデモは、操作に不慣れな参加者でも遊びやすいよう、難易度を低めに調整しているとのことだった。製品版全体の難易度はまだ判断できないが、敵の防御を崩し、仲間と役割を分担するという戦闘の基本には、工夫する余地を感じられた。
シールドを構えて距離を詰めてくる厄介な敵も存在する
仲間も十分な火力を備えており、戦力として頼りになった
宇宙ステーション内では、戦闘の合間に探索する余地もあった。グラップリングフックを使った移動や、アビリティで進路を切り開く場面があり、主人公の能力は敵を攻撃するためだけのものではない。周囲を見渡し、どのように先へ進むかを考える場面でも役立っていた。
道中にはメッセージや出来事の痕跡が残されており、目的地へ向かう途中にも立ち止まって確認したくなるものがある。また、寄り道した先ではスキルポイントも獲得でき、探索がキャラクターの成長につながることも確認できた。今回はスキルツリーをじっくり見るところまでは至らなかったが、戦闘で活用した能力をどのように伸ばせるのかも気になるところだ。
アビリティを使って障害物を除去し先に進む部分もあった
道中にはメッセージも残されている
寄り道した先ではスキルポイントを獲得できた。周囲を探索することが、キャラクターの成長にもつながる負傷した敵兵を助けるか。回復アイテムを渡す判断にもプレーヤーの意思が表れる
本作では、会話中にも相手への対応を選ぶ場面がある。たとえば、セキュリティキーを売ろうとするNPCには、取引に応じるほか、アビリティで相手を拘束し、キーを奪う選択肢も用意されていた。
印象に残ったのは、敵対勢力に属する負傷した兵士とのやり取りだ。彼は、自分はただの歩兵であり、こちらに敵対する意思はないと説明する。会話には相手を非難する選択肢もあれば、同情する選択肢もあり、相手への態度を選べるようになっていた。そして、最後の選択として、彼に回復アイテムを渡すかどうかも選べた。
敵対勢力の一員であることに変わりはないが、話を聞いていると、目の前の兵士個人には同情する部分が出てくる。最終的には、回復アイテムを渡して助けることにした。当然ながら、渡したアイテムは自分の手元からなくなる。言葉だけで相手を気遣うのではなく、自分が使える物資を差し出す判断になっている。
このとき、画面上では「Paladin(パラディン)」の上昇を確認できた。本作には「パラディン」と「Immortal(イモータル)」という指標があるが、開発陣によれば、これらは単純な善悪を示すものではない。パラディンは人間的な美徳を、イモータルはセレスティアル的な野心や展望を重んじる価値観だという。

傷ついた敵の兵士。回復アイテムを渡して助けることにしたら「パラディン」の上昇を確認できた
両者は排他的なものではなく、一方の価値観を貫くことも、中間の道を歩むこともできる。そうした選択はキャラクターの成長や、解放されるスキルにも影響するとのこと。イモータルに沿った判断にも、より大きな善のために小さな悪を選ぶような場合があり、どちらか一方を正解と決められる仕組みではないようだ。
開発陣が目指しているのは、プレーヤーが何を選べばよいか、その場で立ち止まって考える状況だという。任務で達成したいことと仲間の望みが食い違ったとき、任務と関係性のどちらを優先するのか。実現したい目的が二つあっても、一方しか選べないときにどうするのか。そうした葛藤が、選択に重みを与えると説明していた。
今回の敵兵との会話が、その後の物語にどこまで影響するかはわからない。それでも、相手の事情を知ることで判断が動く感覚はあった。何を得られるかだけでなく、自分はこの相手にどう接したいのかを考えさせる場面として、記憶に残っている。
選択の結果を、何年も先の故郷で目にする
Q&Aでは、選択がゲームに及ぼす影響にも大小があると説明された。会話の内容が変わる程度のものもあれば、ミッションの結末や仲間との関係に影響するもの、その後のミッションが解放されたり、逆に受けられなくなったりするものもあるという。
メインミッションの多くは共通する一方、特に違いが表れるのはサイドミッションや仲間に関する部分とのことだった。選択によって体験する内容が変わり、ゲーム終盤で行動をともにする仲間の顔ぶれが、プレーヤーごとに異なる可能性もある。
そして、大きな選択の結果は、恒星間の旅から帰還したあとの故郷にも表れる。本作では、近場でミッションをこなしながら仲間や船を整え、その先にある大きな旅へ向かっていく。今回の試遊はその準備段階に当たり、時間遅延を伴う旅ではなかった。
開発陣は、時間遅延によって、選択の影響が長い年月にわたり増幅されることを、本作ならではの物語の面白さとして挙げていた。自分が下した判断が、その場の会話や任務だけで終わらず、何年も経過した世界の姿として返ってくる。そうした変化を帰還のたびに目にするとき、次の旅に出る前の判断にも、また違った重みが生まれそうだ。
試遊の最後では、それまで以上に重大に思える選択を迫られた。この選択では「イモータル」が上昇した
試遊を終えて気になったのは、故郷や仲間への思い入れが深まったとき、彼らとの間に長い時間の隔たりを生む旅立ちを、どう受け止めることになるのかという点だ。今回は目の前の敵兵に同情して手を差し伸べたが、故郷や仲間との関係を知るほど、彼らの時間から長く離れることにも迷いが生まれるかもしれない。時間遅延による変化はまだ体験できていないだけに、製品版では、何を守るために旅立ち、その先で何を目にすることになるのかを確かめたい。
