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    妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

    2026年10月1日から、東海道・山陽新幹線に上級クラス「完全個室(Supreme Class)」が導入されることが話題となっている。人目を気にせずビジネスに没頭したい層や、プライベートな移動時間を楽しみたい層に向け、高くとも対価を払って「移動の快適性」を購入するニーズは近年一気に高まっている。

    「近年、新幹線でのマナー違反が多く取り上げられるようになりました。SNSの普及により、誰もが被害を声を大にして発信しやすくなった側面もあるでしょう」

    そう語るのは、企業の危機管理やトラブル対応に詳しい危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏だ。

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    「乗客のモラル低下が取り沙汰される場面もしばしば見られます。『車内トラブルや騒音を避けるためにわざわざ追加料金を払ってグリーン車を選んだのに、そこでも似たような問題にぶち当たった』という話も少なくありません。もし車内で理不尽なトラブルに遭遇した場合は、当事者同士での直接交渉や解決は避け、必ず乗務員を通して対応してもらうのが鉄則です」

    都内のメーカーに勤務する加藤由紀さん(仮名・48歳)も、昨年のシルバーウィーク中、実家への帰省で利用した新幹線のグリーン車内で「理不尽すぎる要求」に遭遇し、強い困惑と憤りを覚えた一人だ。

    「日頃の仕事の疲れを癒やしたくて、奮発してグリーン車の窓側席を予約していました。乗車前から静かに読書でもしながら過ごそうと楽しみにしていたんです」

    しかし、列車が途中の主要駅に停車した際、自分よりもやや年齢が上に見える男女とお孫さんと思われる幼い子どもという3人組が乗り込んできたという。

    「混雑していたせいか、彼らの席は通路を挟んだ縦並びでした。連れていた3歳くらいのお孫さんらしき子は、その前後の席を行ったり来たりしていて……。これは想像以上に騒がしくなるかもしれないな、という予感がしたんです」

    とはいえ、自身も子育て経験がある由紀さん。

    「少しくらいの騒がしさは我慢しようと思いました。私自身、我が子が幼い頃は周囲に少なからずご迷惑をおかけしてきた記憶がありましたから。でも、その思いはすぐに裏切られました」

    乗車して10分も経たないうちに子どもが大声でぐずり始め、事態は一変する。

    「連れの男女は大泣きする子どもをあやすでもなく、ただぼんやりと座っているだけ。自分より年上の人でもこうなんだなとうんざり。周囲の乗客もその放置ぶりに怪訝な視線を向けていました。すると突然、私の隣に座っていた男性が立ち上がり、『うちの子が泣いてるんで』と声をかけてきたんです」

    一瞬なんのことかわからない様子でいると「譲ってくれますよね?」と言ったというのだ。

    「譲るのが当たり前という態度にびっくり。前ポケットに入れていた飲み物や荷物を手にして、すでに移動する気満々で立ち上がってきて…。でも、私が正規の料金を払って購入した指定席ですし、代わる道理なんてどこにもありませんよね?」

    由紀さんは努めて冷静に断ったという。

    ――申し訳ないのですが、乗客同士での勝手な座席移動はマナー違反だと思いますし。

    「なるべく大事にならないよう穏やかに伝えたつもりでしたが、相手の男性はみるみる顔に怒りを滲ませて……。その後、子どもを使ってさらに姑息な手を仕掛けてきたんです。もう本当に散々でしたし、最終的に彼らと子どもの本当の関係性を垣間見て、背筋が凍るほどゾッとしました」

    そう語る由紀さんだった。

    【関連記事】「え、祖父母じゃないの?」孫連れ男女と子どもの関係。グリーン車で席移動を断った48歳女性が唖然とした「種明かし」

    ※本記事で使用している写真はイメージです。

    【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】河本美乃里 PHOTO:Getty Images 【参考】JR東海|Supreme Class(スプリームクラス)特設ページ

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