カザフスタンが金銀メダルを独占し、「最高の結果になった」と言うアレクセイ・ルツェンコ。その一方で終盤までカザフスタン勢に喰らいついた留目夕陽が3位銅メダルを獲得。日本自転車競技にふたつ目のメダルをもたらした。ルツェンコ、留目、金子宗平のコメントとあわせレース詳細をレポート。
「Road to Gold」 photo:Satoru Kato
作出太鼓の演奏で選手にエールを送る photo:Satoru Kato
アジア大会ロード種目の最終日は男子ロードレース。前日の女子と同じコースを使用し、周回部分を6周する計157.6kmで行われた。獲得標高は山岳コース並みの2,976mというハードさ。加えて車1台分ほどの狭い道幅でカーブが連続する長い下りと、この日は朝から断続的に降る雨により濡れたままの路面も多く、力だけでなく高い集中力も求められるコンディションでのレースとなった。
男子ロードレースに出場した留目夕陽(左)と金子宗平 photo:Satoru Kato
16の国と地域から38名が出走。日本からは留目夕陽と金子宗平の2名が出場した。残念ながら小石祐馬は前日からの体調不良のため出場を取りやめることになってしまった。
男子ロードレースは38名がスタート photo:Satoru Kato
鬼久保ふれあい広場の周りをパレード走行をしたのちリアルスタートが切られると、早速数名が飛び出す。しかし周回コースに入ったところで吸収され、集団はひとつにまとまる。
3周目、カザフスタンがペースアップを仕掛ける photo:Satoru Kato
カザフスタンのペースアップに続く留目夕陽と金子宗平 photo:Satoru Kato
2周目以降はワールドチーム所属の3名を揃えるカザフスタンが集団先頭に立ってレースをコントロール。3周目に入るとカザフスタンがペースを上げて集団の人数を一気に絞る。このペースアップで留目と金子を含む14名の先頭集団が形成され、後続との差を広げて周回を重ねる。
カザフスタンのメンバーとお互いを見やる留目夕陽 photo:Satoru Kato
先頭集団内で揃って走る留目夕陽と金子宗平 photo:Satoru Kato
その後は大きな動きは無いまま周回が進んだが、最終周回の6周目に入るとアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)、ジャムバルジャムツ・サインバヤル(モンゴル)、留目らを含む5名ほどが先行。その中から、登り区間でルツェンコがアタックを繰り返して留目らを振り切り、単独先行を開始する。
天を仰いでガッツポーズをするアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン) photo:Satoru Kato
「2位、3位争いに切り替えるしかなかった」と留目が振り返るように、ルツェンコは後続との差を一気に1分30秒以上まで広げ、周回コースからフィニッシュまでの12kmを独走。そのまま逃げ切ってタイムトライアルに次ぐふたつ目の金メダルを決め、今大会2冠を達成した。
3位でフィニッシュする留目夕陽 photo:Satoru Kato
6位争いのスプリントでハンドルを投げ合う金子宗平とニコラス・ヴィノクロフ photo:Satoru Kato
留目は一時単独2位で走行していたもののエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン)に抜かれ、単独3位でフィニッシュして銅メダルを確保。終盤まで先頭集団に残った金子は、ニコラス・ヴィノクロフ(カザフスタン)とのスプリントを僅差で制して6位入賞を果たした。
男子ロードレース表彰式 photo:Satoru Kato
男子ロードレース優勝 アレクセイ・ルツェンコ「カザフスタンにとって最高の結果」
一緒に国歌を歌う同胞を見るアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン) photo:Satoru Kato「長い登りと最後の急な登りがあってハードなレースだった。チームメイトのフェドロフとヴィノクロフが序盤からうまくレースをコントロールしてくれたので、私の仕事は最後に勝つことだけだった。金メダルを取れて、フェドロフも銀メダルを取れたので、カザフスタンにとってこれ以上ない最高の結果になった。
今年はあと数レース走り、ツアー・オブ・グワンシーが最後のレースになると思う。引退後はまず妻や子供との時間をつくりたいと思っている。これまでずっと自転車競技をやってきたから、家族との時間を大切にしたい」
留目夕陽「3位と6位は2人でも頑張った結果」
3位銅メダルを獲得した留目夕陽 photo:Satoru Kato
「調子が良く全日本選手権の時と同じくらいベストだったので1位を狙っていましたが、ルツェンコとフェドロフが強すぎて歯が立たなかったです。
4、5名に絞られたところでこれはキタ!と思っていましたが、最終周回の緩い登りでルツェンコが何度もアタックして、モンゴルの選手と対応していたけれど2人共脚が無くなってついて行けなくなり、そこからは2位、3位争いに切り替えて走りました。
下りで後ろを離して一時単独2位だったけれど、後ろからフェドロフが飛んできて行かれてしまい、その後は3位を死守すべく後ろをチラチラ見ながら絶対抜かされないように走りました。
仮に金子さんが追いついたら2人でルツェンコを追えるかと言うとそれは別の話で、金子さんが追走したことで僕がいた3位集団が潰されてしまったらメダルを取れなかったかもしれない。そうならないように後方でアシストしてくれたと思うし、3位と6位でUCIポイントも稼げたので2人でも頑張った結果だと思います。小石さんがいたら展開は変わったかもしれないけれど、今回はこれが全てだと思います」
金子宗平「6位という順位は妥当な結果」
先頭集団に食らいつく金子宗平 photo:Satoru Kato
個人的にはメダルを取りたかったけれど、最低限留目が取ってくれたので良かったです。逃げが出来る展開になったら自分が対応して留目を温存する作戦でしたが、逃げが出来ない展開になりました。
中盤にカザフスタンが下りで伸びた集団をペースアップでさらに伸ばしてきたので、死ぬ気で食らいつきました。でも下り切って集団がブツ切れになったところで前でクリアしたメンバーと留目が先行し、そこで留目を孤立させてしまったことは悔いが残っています。モンゴルが2名入っていたので自分もそこに入らなければいけなかったのですが、下りのテクニカルなところで詰め切れず、後方集団に残されてしまいました。残された中からブリッヂをかけて前に行った選手もいましたが、自分はもう脚が無かった。6位という順位は妥当な結果なのかなと思っています。
4時間のレース中は常に集中を求められる路面コンディションだったので、すごく疲れました。ひとまず怪我なく完走できたことは良かったと思います。地元開催でたくさん応援してもらい、本当に力になりました。
