
盗み出した個人情報の身代金を要求する手口で知られるサイバー犯罪集団のShinyHuntersが、アメリカの連邦捜査局(FBI)から現職員・元職員の個人情報を盗み出していたことがわかりました。情報には氏名や住所、電話番号などのほか所属部隊などが含まれ、これまで存在が秘匿されていた対中国や対ロシアの部隊の存在が明らかになっています。
EXCLUSIVE: Hacked FBI data has sensitive information about employees’ intelligence roles | Reuters
https://www.reuters.com/world/hacked-fbi-data-has-sensitive-information-about-employees-intelligence-roles-2026-09-23/
FBI Hack Exposed FBI’s Own Hacking Unit
https://www.404media.co/fbi-hack-exposed-fbis-own-hacking-unit-remote-operations-shinyhunters/
ShinyHuntersは2019年から活動が確認されているサイバー犯罪集団で、初期の有名な活動としては、2020年1月に学生向け数学アプリ「Mathway」から約2500万人分のユーザーデータを盗みだしたことが知られています。その後、2020年5月にMicrosoftのプライベートGitHubアカウントから約1GBのデータを窃取しました。
2024年にはクラウドサービスプロバイダーのSlowflakeへの不正アクセスで、大手通信キャリア・AT&Tなどを含む160以上の企業・組織から多数の機密データを盗み出しました。
アメリカの大手通信キャリアが1億1000万人の顧客「ほぼすべて」の電話記録を盗まれたことが発覚 – GIGAZINE

さらに、2025年から2026年にかけて、4度にわたりSalesforceへの攻撃を実施し、大規模なデータ窃盗を行いました。
FBIは現地時間2026年9月23日、サイバー犯罪グループがFBIの公式採用サイト「fbijobs.gov」を侵害してFBI職員の個人識別情報(PII)に影響を与えたと主張していることを認識しており、調査を行っていることを明らかにしました。FBIは具体名を挙げていませんが、ShinyHuntersは自分たちがFBIに侵入し、現職・元職含めて多数のFBI職員の情報を入手したと宣言しています。
FBI Statement on Compromise of fbijobs.gov Portal and Alleged Impact to FBI Employee PII — FBI
https://www.fbi.gov/news/press-releases/fbi-statement-on-compromise-of-fbijobsgov-portal-and-alleged-impact-to-fbi-employee-pii
ShinyHuntersの入手した情報は2TBから3TBに上るとみられ、そのうちスプレッドシートで5000行相当の情報を確認したロイターは「氏名、住所、電話番号、生年月日、社会保障番号、緊急連絡先」のほか、人によっては所属部隊や任務の詳細も含まれていたと報告しています。
今回のデータでは、「中国犯罪組織対策ユニット」「中国技術移転分析ユニット」「中国情報課」など、中国関連の業務に従事している職員が14名、「ロシア作戦課」「ロシア重要インフラおよび技術的脅威担当」などロシア関連の業務に従事している職員が9名、イランやヒズボラを専門とする職員が3名いることが確認されています。
このほか18名がデータ傍受や通信傍受の業務で「秘密技術作戦ユニット」や「秘密アクセス課」に所属しているか映像・音声・電子監視の業務に従事しているかしていて、11名がHUMINT(人的諜報活動)または人的情報業務に従事しているとのこと。
すべての情報が本物なのかは不明ですが、ロイターは他の情報源と組み合わせることで、8人の職員の詳細や肩書きの照合に成功したとのことです。
FBIは2026年5月に「ShinyHuntersは機密情報や個人情報へのアクセス権を誇大に表現して、被害者から支払いを引き出そうとしたことがある」という声明を発表していますが、ShinyHuntersは「自分たちが行っている脅迫や主張は極めて現実的なもの」であり、声明の発表がFBIを標的にした理由だと説明しています。
