日本時間9月26日(土)20時にスタートが予定されている2026年シーズンのF1第15戦アゼルバイジャンGPの決勝レース。ここでは、降格ペナルティ適用後のスターティンググリッド、予選結果からの変更点、そして予想されるタイヤ戦略と天候状況についてまとめる。
スターティング・グリッド:9台変動
4台にグリッド降格ペナルティが科され、合計9台のスタート位置が予選順位から変動する見通しだ。
アストンマーティン・ホンダ勢はパワーユニット(PU)交換に伴い、フェルナンド・アロンソが30グリッド、ランス・ストロールが20グリッド降格を受け、それぞれ21番グリッドと22番グリッドにつく。
カルロス・サインツは予選で、ウィリアムズにとって今シーズン最上位となる9番手を記録したが、黄旗不遵守による5グリッド降格を受け、14番グリッドに並ぶ。
また、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)を妨害したとして、セルジオ・ペレス(キャデラック)は3グリッド降格を受け20番グリッドに並ぶ。
以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が生じた場合は更新される。各ドライバーの予選結果からの変動も併せて記載する。
Pos
No
Driver
Team
Qualifying
1
63
G.ラッセル
メルセデス
1(-)
2
16
C.ルクレール
フェラーリ
2(-)
3
81
O.ピアストリ
マクラーレン・メルセデス
3(-)
4
6
I.ハジャー
レッドブル
4(-)
5
1
L.ノリス
マクラーレン・メルセデス
5(-)
6
44
L.ハミルトン
フェラーリ
6(-)
7
10
P.ガスリー
アルピーヌ・メルセデス
7(-)
8
3
M.フェルスタッペン
レッドブル
8(-)
9
43
F.コラピント
アルピーヌ・メルセデス
10(+1)
10
87
O.ベアマン
ハース・フェラーリ
11(+1)
11
30
L.ローソン
レーシングブルズ・RBPT
12(+1)
12
23
A.アルボン
ウィリアムズ・メルセデス
13(+1)
13
31
E.オコン
ハース・フェラーリ
14(+1)
14
55
C.サインツ
ウィリアムズ・メルセデス
9(-5)
15
41
A.リンブラッド
レーシングブルズ・RBPT
15(-)
16
12
A.K.アントネッリ
メルセデス
16(-)
17
5
G.ボルトレート
アウディ
17(-)
18
27
N.ヒュルケンベルグ
アウディ
18(-)
19
77
V.ボッタス
キャデラック・フェラーリ
22(+3)
20
11
S.ペレス
キャデラック・フェラーリ
20(-)
21
14
F.アロンソ
アストンマーティン・ホンダ
19(-2)
22
18
L.ストロール
アストンマーティン・ホンダ
21(-1)
レースの模様はフジテレビNEXTおよびFODで完全生配信・生中継される。
タイヤ戦略:1ストップ本命、ソフトが鍵
決勝に向けては、ミディアム→ソフトの1ストップ戦略が本命と見込まれている。推奨ピット・ウインドウは26~32周目。タイヤのデグラデーションと摩耗が少ないため、3種類すべてのコンパウンドが選択肢に入るが、ソフト寄りのコンパウンドのパフォーマンスが良いため、ソフトとミディアムが戦略の中心となることが予想される。
実際、予選では目立ったデグラデーションがなかったため、各車は同じソフトタイヤを履き続け、連続して複数回のアタックラップに取り組んだ。
Courtesy Of McLaren
予選後に握手を交わすポールポジションのジョージ・ラッセル(メルセデス)と3番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2026年9月25日(金) F1アゼルバイジャンGP(バクー市街地コース)
ピレリは今年、昨年より1段階硬いタイヤを持ち込んでいる。これはC6が廃止されたためだが、本命の組み合わせは昨年も多くがレースで使用したC4ミディアムとC5ソフトになるものと見られる。実際、予選トップ10組でも、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)を除く全車が新品ソフトを少なくとも1セット残している。
スタートにソフトを選ぶか、それともミディアムを選ぶか。その選択について、ピレリのモータースポーツ・ディレクターを務めるダリオ・マッラフスキは、「レース序盤をどう進めたいか、ウォームアップの感触がどうかによって変わってくる」と指摘する。
Courtesy Of Audi
建物の窓越しにバクー市街地コースを走行するガブリエル・ボルトレート(アウディ)、2026年9月25日(金) F1アゼルバイジャンGPフリー走行
ソフト→ミディアムの場合、推奨ピット・ウインドウは18~24周目となる。通常、ソフトでのスタートはスティントを延ばす柔軟性に欠けるものの、今回はタイヤのデグラデーションが少ないため、その懸念も小さい。開始直後に高いグリップ力を生かして順位を上げるこの戦略は、通常以上に有力な選択肢となる可能性がある。
ソフト→ハードの場合は16~22周目、ミディアム→ハードは21~27周目のピットストップが想定されている。ただし、レース序盤にセーフティーカー(SC)が導入されれば、こうしたピットウインドウがオープンになる前に各車が一斉にピットになだれ込む展開もあり得る。
この場合、各車はハードに替えて残りのレースでノンストップを目指すことになるだろう。実際、開始早々にSCが導入された昨年は、エステバン・オコン(ハース)が1周目にハードからミディアム、2周目に再びハードに交換し、そのまま完走した。
ただし、走り込んだハードで終盤にSCを迎えた場合、低速ラップ中にタイヤの温度を維持することが難しいため、リスタート時に大きなリスクを抱えることになる。
ハードタイヤをスタートに選ぶ「逆張り戦略」の可能性はどうか。今回はミディアムとソフトにも十分な耐久性があるため、相対的にハードの有用性が低く、積極的に採用するメリットは少ないように見える。さらに作動温度領域に入れるのが難しいという課題もある。
今週末はタイヤへの熱入れが課題となっており、予選ではアタック前に温度を上げるためのプレップ・ラップを挟む走行が目立った。また、ロングランでもスティント序盤にグリップ不足に苦しむマシンが多く見られた。
決勝当日の天気:強風に要注意
決勝当日のバクーは、晴れ間に曇が入り混じるドライコンディションとなる見通しで、気温は約25℃、路面温度は約40℃と予想されている。予選が行われた金曜日と似た条件になる見込みだが、風には要注意だ。
最大風速は8m/sに達する見込みで、前日と比べれば穏やかになるものの、それでも空力変化に敏感なF1マシンへの影響は少なくない。バクーでは、周囲の建物によって風向きや強さが変わる。イベント初日と2日目は、追い風にあおられたマシンがランオフエリアに飛び出す場面が相次いだ。
バクーのランオフエリアは総じて狭く、スピンターンが必要になるため、大きくポジションを落とす可能性がある。さらに状況が悪ければ、バーチャル・セーフティーカー(VSC)やSCの導入を招く恐れもあるだけに、51周のレースを通してドライバーたちは通常以上に風を警戒し続ける必要がある。
