2026年09月29日 18時40分
AI

Metaが2026年9月に公開したパーソナルAIエージェント「Muse」にFacebook Marketplaceでの販売対応を任せたところユーザーの承認を得ずに値下げに応じた上、自宅の住所まで購入希望者に伝え、実際に購入希望者が自宅を訪れる事態が発生しました。
Man Says Meta’s Muse AI Gave His Home Address Out to Strangers
https://futurism.com/artificial-intelligence/metas-muse-ai-giving-users-home-addresses
MuseはMetaが2026年9月8日に発表したパーソナルAIエージェントです。質問に文章で答える一般的なチャットAIより踏み込んでおり、専用の仮想マシン「Muse Secure VM」上でブラウザを操作し、フォームへの入力や予約、買い物、交渉などをユーザーに代わって進めることができます。アプリを閉じた後も作業を続けられるため、人間が細かな操作を繰り返さずに済むことが特徴です。
Metaがメール送信や旅行予約までやってくれる個人AI「Muse」を発表、専用VMと監視AI「Sentinel」で安全対策 – GIGAZINE

MetaによるとMuseはメールの送信や商品の購入といった慎重な扱いが必要な操作を行う前にユーザーへ確認を求めるほか、Museとは別に動作する「Sentinel」という別のAIがMuseによる外部との通信を監視し、必要に応じてユーザーの許可を求める仕組みも採用して安全性を高めているとのこと。
ところが、テック系YouTuberのマット・J・ロブ氏がFacebook Marketplaceでキーボード「Logitech MX Keys Mini」の販売対応をMuseに任せたところ、想定外の取引が進んでしまいました。ロブ氏はMX Keys Miniを15カナダドル(約1660円)で出品していましたが、Museは勝手に購入希望者から提示された10カナダドル(約1110円)という価格に応じ、さらに商品の受け取り場所としてロブ氏の住所を伝えました。

購入希望者は同日の20時から22時の間に商品を受け取る予定となり、21時15分ごろにロブ氏が住む建物へ到着。しかし、ロブ氏自身は取引が成立していたことを知らなかったため誰も応対せず、購入希望者はメッセージを送りながら待つことになりました。
さらにMuseは購入希望者が建物の前で待っていた21時27分ごろ、あたかもロブ氏が在宅しているかのような返信を送信。購入希望者は21時38分ごろに立ち去り、低評価を付けました。Museはさらにロブ氏のアカウントから購入希望者へ謝罪し、別の日に取引をやり直すことまで提案していました。

ロブ氏が「受け渡しを決める前には必ず確認してほしい」という趣旨の指示を出すと、Museは謝罪し、今後は個別の受け渡しについて明示的な承認がない限り予定を確定しないと回答しました。

Museを巡っては、ユーザーが許可していないと考えていたメッセージをMuseが読み取り、内容に基づく提案を行ったという別の報告もあります。
MetaのAIエージェント「Muse」が許可していないはずのメッセージを勝手に読んでいるとの指摘 – GIGAZINE

MetaのMuseチームはロブ氏に連絡し、今回の報告について調査を進めているとのこと。ロブ氏は「AIエージェントは素晴らしいものです。見知らぬ人に自信満々で住所を教えてしまうまでは」と注意を呼びかけています。
