
野生動物獣医師のグラディス・カレマ゠ジクソカは、人獣共通感染症に着目し、危機にさらされているブウィンディ原生国立公園の霊長類を守る新たな方法を開拓している。(PHOTOGRAPH BY ROBIN HAMMOND)
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マウンテンゴリラを感染症から守るため、野生動物獣医師のグラディス・カレマ゠ジクソカはまず生息地の近隣の住民に寄り添うことから始めた。
2020年の春に世界中で新型コロナウイルス感染症が大流行したとき、ウガンダの野生動物獣医師であるグラディス・カレマ゠ジクソカは、自分の健康以上にブウィンディ原生国立公園のマウンテンゴリラのことが気がかりだった。ブウィンディはウガンダ南西部に位置する面積約310平方キロの熱帯雨林で、年間4万人の観光客が世界中から訪れ、病原体を持ち込むことがある。隣国のルワンダでは2009年に、観光客から感染したと思われる呼吸器系ウイルスによって2頭のゴリラが命を落とした。新型コロナはそれ以上の脅威だと、カレマ゠ジクソカは認識していた。
マウンテンゴリラの保護団体コンサベーション・スルー・パブリック・ヘルス(CTPH、公衆衛生を通じた保全)の事務局長を務めるカレマ゠ジクソカは、パンデミックが世界に広がるにつれ、マウンテンゴリラに近づく人々にマスクを着用するよう指導した。その結果、ゴリラは1頭も新型コロナの検査で陽性になることはなく、人間からゴリラへのインフルエンザ感染も減少した。
マウンテンゴリラはヒガシゴリラの亜種で、ウガンダ、ルワンダ、コンゴ民主共和国に分布する。カレマ゠ジクソカの判断によって救われたのは、これが初めてではない。ロレックス・ナショナル ジオグラフィック・パーペチュアル・プラネットのエクスプローラーである彼女は、ここ30年の間に「ワン・ヘルス」のパイオニアとして知られるようになった。これは野生動物の保護と人間の健康を結びつけることを目指す保全のアプローチだ。そのおかげもあって、マウンテンゴリラの生息数は1990年代の2倍近くになった。「近隣の住民の健康状態を改善しなければ、ゴリラを守ることはできません」と彼女は言う。

年間約4万人の観光客が、ブウィンディを訪れる。ここでは、カレマ゠ジクソカの非営利団体コンサベーション・スルー・パブリック・ヘルスが、ゴリラに病気の兆候が見られないか観察している。(PHOTOGRAPH BY ROBIN HAMMOND)
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