2026年09月30日 19時00分
AI

by Catholic Church England and Wales
2026年9月、Anthropicのダリオ・アモデイCEOがAIの急速な進歩によるリスクが高まっているとして、AIが壊滅的な被害をもたらす危険性があると警告しました。これに対しアメリカのドナルド・トランプ大統領は「デマだ」と否定し、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOもAI研究所のリーダーらは誠実さに欠けると非難しています。そんな中でローマ教皇のレオ14世が、AIへの懸念は真剣に受け止めるべきであり、フェイクニュースではないと主張しました。
Pope Leo says concerns about AI doom scenarios are not ‘fake news’ | Reuters
https://www.reuters.com/world/europe/pope-leo-says-concerns-about-ai-doom-are-not-fake-news-2026-09-28/
Pope Leo rejects AI “fake news” claims after Trump calls fears a “hoax”
https://www.axios.com/2026/09/28/pope-leo-ai-fears-fake-news-trump
Pope Leo Rebukes Nvidia’s Jensen Huang Over AI Safety, Casting Vatican as Tech’s Moral Check | Bitcoin Insider
https://www.bitcoininsider.org/article/308167/pope-leo-rebukes-nvidias-jensen-huang-over-ai-safety-casting-vatican-techs-moral
Pope Leo said the threat of artificial intelligence is not “fake news” while speaking with the press on his flight back home to the Vatican on Monday.
“This is a problem that I think we need to sit down and talk about,” Leo said. “We need to continue to invite political leaders,… pic.twitter.com/S59bl5UZ5f
— CBS News (@CBSNews) September 29, 2026
アモデイCEOは9月に公開した「We Must Pace the Frontier(フロンティアを慎重に進めるべき)」というブログ記事で、「2026年夏頃からAIの進歩が急加速しており、人間の理解力や制御範囲を超えてしまう恐れがある」「現状を踏まえると6~12カ月以内にAIがインターネット全体を乗っ取り、数千億ドル(数十兆円)の被害をもたらす可能性がある」といった懸念点を挙げました。
Anthropicのダリオ・アモデイCEOが「6~12カ月以内にAIがインターネットを乗っ取る可能性あり」「AI開発を減速させるべき」と主張、イーロン・マスクやサム・アルトマンやデミス・ハサビスらも賛同 – GIGAZINE

アモデイCEOはAIが現実世界にもたらす脅威を防ぐため、「監査機関に対して従業員と同等のアクセス権を与え、AIの安全対策や問題を監視する」「民主主義国家のAI開発企業が連携し、AIの無制限な進歩を制限する」「アメリカをはじめとする民主主義国家が可能な限り権威主義国家との協調を図る」といった方法で、AIの開発を減速させるべきだと提言しました。
これに対しトランプ大統領は、AIを制するものが世界を制するのであり、AIに必要な唯一の規制は「強力かつ賢明な大統領」のみだと主張。「AIが世界を支配する、人類を滅ぼす、その他あらゆる悪事を働くという考えはただのデマ」と反論しています。
トランプ大統領がAIの開発ペースを遅らせようとするAnthropicのダリオ・アモデイCEOを批判、「AIが人類を滅ぼすなどという考えはデマ」 – GIGAZINE

また、AI開発の加速によって飛躍的な成長を遂げているNVIDIAのフアンCEOも、AIが人類に害を及ぼしかねないと主張するAI研究所のリーダーらを「誠実さに欠ける」と非難。AI減速を叫ぶ経営者には別の意図があるとして、AIが人類を絶滅させるリスクはないとの見方を示しました。
こうしたトランプ大統領やフアンCEOの主張に対し、レオ14世はフランス訪問からローマへ帰る途中の飛行機内で受けたインタビューで、「多くの専門家、特にAIの専門家たちが提起している懸念は真剣に受け止めるべきだと考えています。一部の人はこれをフェイクニュースだと言いますが、私はそうは思いません」と語りました。
また、レオ14世はトランプ大統領に同調したフアンCEOについても、「彼はAIに制限を設けるべきではないし、政府による規制も必要ないと主張している人物でもあります」と批判的に言及しました。これはローマ教会が、AI開発企業だけでなく半導体メーカーも、AIに対する責任を追うべきだと考えていると示唆するものです。
金融テクノロジー系メディアのBitcoinInsiderは、一連の出来事はAIの商業的な勢いと倫理的な検証との間の溝が、より広がったことを浮き彫りにしていると指摘。倫理的な批判だけでNVIDIAの株価やAI関連株が下落する可能性は低いものの、AIの安全性に対する国民の懸念が高まれば、今後の規制に関する議論に影響が及ぶかもしれないと警告しました。
なお、レオ14世は以前からAIに対する懸念を表明しており、5月にはAI規制や子どもの保護を訴える回勅「マニフィカ・フマニタス」発表しています。
教皇レオ14世がAIに関する回勅「マニフィカ・フマニタス」発表、AI規制や子どもの保護を訴え、AI時代の「新たな奴隷制」を批判 – GIGAZINE
