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    JBpress ナナメから聞く

    【JBpress ナナメから聞く】国際政治学者・佐々木れな氏に聞く(前編)

    高市・トランプ会談、米国では「大きなニュースではない」

    ——米中首脳会談の前には、高市首相とトランプ大統領の会談もありました。

    佐々木:日本では、米中首脳会談を「日米、米中、日米」と日米で挟む形になったことが大きく注目されました。ただ、米国ではそれほど大きなニュースになっていないというのが実際のところです。

     日本が中国からの圧力に対応するため、トランプ大統領に働きかけているという報道はありました。一方で、それ以上に目立ったのは、トランプ大統領が習近平国家主席を厚遇する中で、米国は日本などの同盟国や台湾からの信頼を失うのではないか、という文脈です。日米会談も、そうした議論の材料として使われていた印象があります。

    ——つまり、日米首脳会談がトランプ批判の材料にもなったということですか。

    佐々木:そうですね。米国のメディアには反トランプ色の強い論調も多く、「今の米国は同盟国にとって信頼できるパートナーなのか」という問題と結びつけて報じるものが多く見られました。

    中国よりイラン、ウクライナ…ワシントンの優先順位

    ——米国議会では、今回の米中首脳会談をどう評価していますか。

    佐々木:米中首脳会談については、議会でも反応は出ていますが、、外交面でいま関心が高いのはイラン問題、そしてヨーロッパ、ウクライナ問題です。

    ——米中関係は、議会にとって最優先課題ではないのでしょうか。

    佐々木:対中政策の優先順位は現在、イラン情勢などと比べるとそれほど高くないと思います。

     例えば、イラン情勢はガソリン価格を通じて中間選挙にも影響しますし、イスラエルとの関係には宗教的な背景もあります。ヨーロッパやウクライナへの関心も非常に高い。

     一方、中国とはまだ実際の軍事衝突が起きていません。そういう意味でも、ワシントンから見た優先順位は相対的に低くなっているのだと思います。

    ——日本にとって中国は大きな問題です。米国にもっと東アジアへ関心を持ってもらうため、日本から働きかける必要がありますか。

    佐々木:非常に大事だと思います。最近、国際政治・外交の専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に、日本が米国にアジアでの好機を与えているのに、ワシントンはそれを逃しかねない、という趣旨の論考が出ていました。一言で言えば、「日本をもっと大事にしろ」という内容です。

    ◎Japan Is Giving the United States a Chance in Asia(Foreign Affairs)

     トランプ政権に限らず、ワシントンで日本への無関心や、「日本は当然こちら側にいる」という見方が続けば、結果として米国のインド太平洋地域での影響力が低下しかねません。今のワシントンの状況を端的に表している論考だと思いました。

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