
テキストを1トークンも生成せず、分類やルーティングといった判断だけを高速に返す「意思決定モデル」が、にわかに盛り上がりを見せている。Typesafe AIの「Jev」が火付け役となったこのジャンルに、互換モデルや対応実装が相次いで登場した。
意思決定モデルは、状況と型付きの質問を入力すると、選択肢ごとの確率を1回の推論で返すモデル。LLMのような自由なテキスト生成を行なわないが、代わりに高速で、出力の解析も不要なことから、エージェントの分岐処理やガードレール、チケットの振り分けなどに向くとされる。
Cloudflare「Clef」、ベンチマーク首位でJev超えをうたう
Cloudflareは10月1日(現地時間)、意思決定モデル「Clef」および小型版「Clef-flash」を発表した。オープンウェイト(モデルの重み)がApache 2.0ライセンスのもとHugging Faceで公開されているほか、同社のサーバーレスAI基盤「Workers AI」上のホスト版も利用できる。
Clefは「Qwen3.8-27B」、Clef-flashは「Qwen3.5-9B」をポストトレーニングしたモデルで、Clefは画像入力にも対応し、コンテキストウィンドウは64k。
性能面では、Cloudflareが自社で実施した評価で、意思決定モデル向けベンチマーク集「Decision Index」の首位だとしている。BANKING77やCLINC150+OOSなどではJevを上回った一方、GPQA DiamondやMMLU-ProなどではJevが上回っている。レイテンシ中央値もClefが209.3ms、Clef-flashが38.8msと、Jevの524.1msより高速だった。
Cloudflareの評価でClefが首位にvLLM、DiffusionGemmaを「Jev風」に動かすモードを搭載
テキスト拡散型言語モデル「DiffusionGemma」をJevのような意思決定モデルとして動かす構造化生成モードも、vLLMにマージされた。
このモードはMatt Mastracci氏によるもの。指定された構造化出力フォーマットでキャンバスの位置を固定し、トークンとlogprobsを提供するようモデルに要求することで、もっとも可能性が高い回答と、その回答に対する信頼度を得る。テストではDGX Spark 1台で、32並列時に毎秒54リクエスト(約162判断)を処理できたという。
Turn DiffusionGemma into a Jev-like model.
This brings a new level of precision to structured tasks. By seeding a canvas with a response template, vLLM lets you extract confidence scores and probability distributions for yes/no, multiple-choice, and scored questions, all in a…
— Google Gemma (@googlegemma)September 29, 2026Liquid AI、APIですぐ試せる「d1」
Liquid AIは、意思決定モデル「d1」をAPI経由で提供している。質問ははい/いいえの確率を返す「noul」、選択肢への確率分布を返す「choice」、順序づけられたルーブリック上で確率加重された位置を返す「score」の3タイプ。同社のコンソールでAPIキーを取得すれば「d1:free」モデルとして試用できる。
> Decision models page:https://t.co/5M2jFbC9yP
> Migration guide:https://t.co/mN5qh9PrJv
> Demo tutorial:https://t.co/35TL4FueMl
Enjoy 😊
— Liquid AI (@liquidai)September 29, 2026
