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    SSDの容量は「少なくとも10~20%を空き容量として確保しておくべき」というアドバイスを聞いたことがあるという人も少なくないと思います。空き容量が確保されていないと、SSDの書き込み速度が低下するなどの言説もありますが、真相を確かめるべくPCハードウェアの検証を行うLTT Labsが実験を行いました。

    Driven to the Limit – Testing Game Performance with a Full SSD | LTT Labs
    https://www.lttlabs.com/articles/2026/10/01/full-ssds

    LTT Labsは4つのSSDを用意し、「空き容量がほとんどない状態」(空き容量が10GB)と「十分な空き容量がある状態」(容量の約50%を使用)でゲームやアプリケーションを動作させ、そのパフォーマンスを比較するという実験を行いました。なお、LTT Labsが「空き容量がほとんどない状態」を「空き容量が10GB」とした理由は、これ未満の空き容量だとアプリケーションが起動できないケースが存在したためです。実際、写真編集アプリの定番である「Photoshop」は一定の空き容量がないと起動できません。

    LTT Labsが実験に使用したSSDは以下の4モデルです。「同じメーカーの1TBモデルと2TBを用意したかった」「DRAMレスドライブで比較したかった」「PCIe 5対応モデルとPCIe 4対応モデルを比較したかった」といった理由を満たす4つのモデルが選ばれました。

    ・Western Digital 1TB WD Blue SN580 NVMe SSD(最大読み取り速度4150MB/秒、最大書き込み速度4150MB/秒)
    ・Corsair Force Series Gen.4 PCIe MP600 1TB NVMe M.2 SSD(最大読み取り速度4950MB/秒、最大書き込み速度4250MB/秒)
    ・Corsair Force Series Gen.4 PCIe MP600 2TB NVMe M.2 SSD(最大読み取り速度4950MB/秒、最大書き込み速度4250MB/秒)
    ・Crucial T705 2TB PCIe Gen5 NVMe M.2 SSD(最大読み取り速度14500MB/秒、最大書き込み速度12700MB/秒)


    これらのSSDを、以下の構成のPCで利用して、パフォーマンスを比較しています。

    CPU:Intel Core Ultra 7 270K Plus
    マザーボード:ROG MAXIMUS Z890 HERO
    メモリ:G.SKILL Trident Z5 16GB 6800MT/s×2
    冷却:ARCTIC Liquid Freezer III Pro 360
    電源:Seasonic Prime TX-1300
    セカンダリードライブ:Samsung 990 EVO Plus 2TB

    テストに利用されたゲームおよびアプリケーションは以下の通り。

    ・ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク
    ・サイバーパンク2077
    ・F1 24
    ・Horizon Zero Dawn Remastered
    ・Puget Bench(DaVinci Resolve、Premiere Pro、Premiere Pro)

    「Premiere Pro」や「DaVinci Resolve」を実際に自動操作してPCの性能を測定できるベンチマークツール「Puget Bench 2.0」の使い方まとめ – GIGAZINE


    なお、LTT Labsは「ユーザーから見るとSSDはどれも似たような動作をするように思えるかもしれませんが、メーカーやモデルによって動作や最適化の度合いは大きく異なります。そのため、今回のテスト結果が市場に出回っているすべてのSSDを代表するものであるとは断言できません」と注意書きしています。

    テストの結果をLTT Labsは「SSDの容量がほぼ満杯でもゲームのFPSに大きな影響は出ないことがわかりました」と報告。複数回行ったテストの平均値でも最低値でも、SSDの空き容量に応じたパフォーマンスの違いは確認できなかったと説明しています。

    Western Digital 1TB WD Blue SN580 NVMe SSDでサイバーパンク2077をプレイした際の、空き容量別の平均フレームレートを示したのが以下のグラフ。赤色が平均値、青色が測定結果の最低値を示しています。空き容量が多くても少なくても、フレームレートに明確な違いは生まれていません。


    その他のSSDでも、空き容量によってサイバーパンク2077のフレームレートが低下するという現象は確認されませんでした。

    Corsair Force Series Gen.4 PCIe MP600 1TB NVMe M.2 SSD


    Corsair Force Series Gen.4 PCIe MP600 2TB NVMe M.2 SSD


    Crucial T705 2TB PCIe Gen5 NVMe M.2 SSD


    サイバーパンク2077以外のゲームおよびアプリケーションでも、明確なフレームレートの低下やパフォーマンスの低下は確認されていません。

    しかし、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」の場合はSSDの容量が埋まるにつれ、わずかにロード時間が伸びることが確認されました。1TBのSSDの場合、特に空き容量によるロード時間の増加が顕著で、容量が50%未満になると空き容量がほぼゼロの状態と比べてロード時間が約10%も短縮できます。


    なお、SSDの容量は「少なくとも10~20%を空き容量として確保しておくべき」と言われる理由について、LTT Labsは以下の技術が関係している可能性を指摘していますが、あくまで「私たちの予想」と記しており、明確な理由は不明です。

    ・SSDの空き容量に応じてSLCキャッシュのサイズが動的に変化する「ダイナミックSLCキャッシュ」
    ・コンピュータプログラムが動的に確保したメモリ領域のうち不要になった領域を自動的に解放する機能の「ガベージコレクション」
    ・SSDなどのフラッシュメモリに対してOSが要求したデータ量よりも多くのデータが書き込まれてしまう現象の「書き込み増幅」
    ・特定のブロックへの書き込みや消去が集中しないように均等化することで記憶媒体の寿命を延ばすという技術の「ウェアレベリング」

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