男子テニス木下グループ・ジャパンオープン第2日 ( 2026年10月1日 東京・有明テニスの森公園 )

<ジャパンオープンテニス>引退セレモニーで花束を手に笑顔を見せる錦織(撮影・田中 和也)
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男子テニスで日本の第一人者として活躍し、今季限りで引退する元世界ランキング4位の錦織圭(36=ユニクロ)が現役最後の大会に臨み、1回戦で第2シードで世界8位のフランシス・ティアフォー(28=米国)に4―6、4―6で敗れ、約19年間のプロ生活に終止符を打った。終了直後はコート上のベンチで大号泣するも、試合後会見は一転、笑いに包まれ、現役生活への未練も示した。
ネット際で相手の山なりショットが2度弾んだ瞬間、錦織の現役生活が幕を下ろした。直後に発生した拍手に送られベンチへ戻ると、こみ上げるものがせきを切ってあふれた。「こんなに泣くと思っていなかった。本気でプレーすることがなくなるという喪失感が、一気に押し寄せてきた」。人々の想像を超えてきたテニス人生の最後は、自分の想像を超える感情に覆われた。
引退発表から5カ月。この数年苦しんできたケガを治し、7月末に実戦復帰。全米オープン予選では2勝するなど最善の準備を尽くしてきたが、「理想のテニスが頭にある中で、内容的には悔しい試合だった」とポツリ。攻撃的なプレーで、第1セット第4ゲームは見事にブレークしたが、自身の理想とは程遠く「トップ10くらい、悔しい終わり方だった」と未練ものぞかせた。
5歳でテニスを始め、13歳から「正直、好きでもない」と米国で単身武者修行。世界4位、14年全米準優勝、16年リオ五輪銅メダルと、数々の金字塔を打ち立てられた原動力は、この期に及んでも「本当に負けず嫌い。それしかない」という性格だった。いくつもの大きなケガを乗り越えられたのも、その性格があったからこそ。「最後まで諦めずにプレーできたことは、自分の誇り」と胸を張った。
「正直、もうちょっとやってもいいかなという思いが出てきている」と含みも残した錦織。その未来がどんなものになろうとも、錦織圭にしか歩めない第二の人生を描いていく。(阿部 令)
◇錦織 圭(にしこり・けい)1989年(平元)12月29日生まれ、松江市出身の36歳。5歳でテニスを開始。ジュニア時代から頭角を現し、中2で米IMGアカデミーに留学。07年に17歳でプロ転向し、08年にツアー初優勝。14年全米オープンでシングルスではアジア人男子初の4大大会決勝に進出。16年リオデジャネイロ五輪シングルス銅メダル。ツアー通算12勝で、世界ランキングは最高4位。20年12月に元モデルの山内舞さんと結婚し、現在2児の父。1メートル78、73キロ。利き手は右。