「スタジオジブリ」プロデューサー・鈴木敏夫と僧侶が、作品を通して禅について語った『禅とジブリ』。その書籍を原点とした初の体験型展覧会「『禅とジブリ』京都展」が、10月3日から「京都市京セラ美術館」(京都市左京区)にてスタートした。
■ 楽しみながら“禅”を学ぶ
「禅をジブリで説く」からはじまり、立体造形物を展示した「あっちの世界、こっちの世界」、トトロとサギ男がお茶をしながら出迎える「お茶をどうぞ」「生まれるところ」「それぞれの禅」「この時代をどうやり過ごすか」という、5つのテーマからなる同展。鈴木敏夫氏が描き下ろした作品も登場し、見ごたえのある内容となっている。
「『禅とジブリ』京都展」のエントランス(Lmaga.jp撮影)
「それぞれの人が自分の楽しいポイントを見つけて、ワクワクしてご覧いただけたらな」と鈴木敏夫。その言葉通り、ジブリの名作を通して楽しみながら、気軽に“禅のものの見方”を学べる仕掛けに。
アオサギが出迎える「あっちの世界、こっちの世界」(Lmaga.jp撮影)
■ あっちの世界を『君たちはどう生きるか』で再現
なかでも注目したいのは『君たちはどう生きるか』の世界観を再現した「あっちの世界、こっちの世界」。同展は禅を「あっちの世界とこっちの世界の間のようなところ」ととらえ、『君たちはどう生きるか』に登場した廊下を“世界の間のようなところ”、『千と千尋の神隠し』や『崖の上のポニョ』のワンシーンを“あっちの世界”と位置づけている。
「あっちの世界、こっちの世界」で“あっちの世界”として展示する立体造形物(Lmaga.jp撮影)
“禅”の「足るを知る」という考え方に通じる『千と千尋の神隠し』のカオナシが千尋に語りかけるワンシーン『こっちへおいで 千は何がほしいんだ いってごらんン…』名シーンを、禅の世界からのぞく形式に。来館者が各々“禅の考え方”を感じ取れる構成になっている。
『君たちはどう生きるか』のワンシーンを再現した「あっちの世界、こっちの世界」(Lmaga.jp撮影)
また、「お茶をどうぞ」では宮崎駿氏と鈴木敏夫氏のジブリ問答を紹介。「鈴木さん、腰どう?」から始まる問答では「なんか東京と違ってピリッとしますね(鈴木)」「東京なんですけどね(宮崎)」といったゆるい会話が繰り広げられており、宮崎と鈴木の人生哲学にも触れられる。
宮崎駿と鈴木敏夫のジブリ問答を紹介する「お茶をどうぞ」(Lmaga.jp撮影)
鈴木敏夫の描き下ろし作品を展示する「お茶をどうぞ」(Lmaga.jp撮影)
そのほか、グッズ売場には幅広いラインアップの商品が並び、こちらも見逃せない。『君たちはどう生きるか』に登場するワラワラの「根付」(1650円)をはじめオリジナルグッズが充実。ほかにも鈴木の描き下ろしイラストとともに禅に通ずる言葉がかかれた「絵はがき」(330円)や、「Tシャツ一期一會 XL」(4400円)など、帰ってから同展の魅力に浸れるグッズもスタンバイする。
『君たちはどう生きるか』に登場するワラワラが浮かぶグッズ売り場(Lmaga.jp撮影)
◇ 『禅とジブリ』京都展
【期間】 2026年10月3日(土)~12月6日(日)
【時間】 10:00~18:00(※入場は閉館の30分前まで)
【場所】 京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
【料金】 一般・大学生1900円(当日)ほか
@Studio Ghibli
取材・文・写真/角野好代
