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    (CNN) インフルエンサーのペッパー・ステップスさん(27)のSNS投稿には、典型的なZ世代インフルエンサーに見られる要素が一通りそろっている。しかし、彼女が「一緒に準備しよう」と題した動画で紹介するのは、メイクやスキンケアの手順ではなく、理想的なバックパックの詰め方だ。生活に役立つ情報を紹介する別の動画では、クマに遭遇した際に生き延びる方法を詳しく解説している。

    ステップスさんは、オンラインでは単に「ペッパー」の名で活動する自然系コンテンツクリエーターで、米カリフォルニア州を拠点とする自称「自然オタク」だ。インスタグラムのフォロワーは55万人に上る。若者の間で、人類最古の身体活動ともいえる「歩くこと」が趣味として人気を集めるなか、こうしたペッパーさんの人気は、アウトドアを楽しむ人々の年齢構成が変わりつつあることを示している。

    話題の登山道を歩き、その体験を記録することは、今やオンラインコンテンツの定番となっている。インスタグラムでは「ハイキング」のハッシュタグの使用回数が1億1000万回、TikTok(ティックトック)では「ハイキング・アドベンチャー」が1180万回に上る。

    ペッパーさんにとって、こうした発信は大きな成果につながった。主に18~25歳のフォロワーからコンテンツが高い支持を集め、2024年10月に動画の投稿を始めてからわずか5カ月で、コンテンツ制作を本業にすることができた。

    ステップスさんは自身の発信についてCNNに、「自然に関する知識と、アウトドアで過ごすための知識をバランスよく組み合わせた内容だ。自然の中でどう過ごすか、そこに何があるのかを学びながら、その過程もできる限り楽しめる」と語った。靴ひもの正しい結び方に至るまで、あらゆることを取り上げるよう心がけているという。

    ペッパーさんはアウトドアへの情熱を仕事に生かしている/Pepper Steps
    ペッパーさんはアウトドアへの情熱を仕事に生かしている/Pepper Steps

    一方、Z世代の間でハイキングへの関心が高まったことで、望ましくない結果も生じている。道に迷って救助を必要とする若者が増え、各地の山岳救助隊の負担も増している。

    48の地域救助隊を束ねる「イングランド・ウェールズ山岳救助協会(MREW)」が5月に公表した年次報告によると、救助要請に至った事案を年代別に見ると、18~24歳が最も多かった。25年には、この年齢層が救助事案の18%を占めた。次いで多かった13~17歳と25~29歳はいずれも9%だった。18~24歳に関する出動要請は、19年の166件から2倍以上に増え、400件近くに達した。当時は50~54歳を下回っていた。

    一方、北米の統計でも、ほぼ同じ傾向がみられた。米国で最も歴史のある捜索救助組織、山岳救助協会(MRA)がまとめたデータによると、北米の90を超える救助隊が25年に報告した事案でも、18~24歳が18%を占め、年代別で最多だった。英国と同様、その前後の年齢層がこれに続き、最も近かったのは10代で11%だった。

    こうした傾向を象徴する3件の事案が、7月のわずか2週間に相次いだ。

    英イングランド最大の国立公園、湖水地方国立公園では、雨でずぶぬれになった16歳の少年が、片方の靴しか履かずに、頭上に雷鳴がとどろくなか、数ある丘の一つを一人でよろめきながら下っていた。湿地にはまって転倒したため、服は泥まみれだった。少年は残りわずかな携帯電話のバッテリーを使って、助けを求めた。

    カナダでは、10代の若者3人がブリティッシュコロンビア州の険しい原野で道に迷い、脱水状態に陥った。このうち1人は大けがをしていた。日没が刻一刻と迫るなか、全長約18キロの難コースを踏破するために頼りにしていたナビゲーション手段は、グーグルマップの案内を印刷した紙数枚だけだった。

    米コロラド州のサングレ・デ・クリスト山脈では、15歳の少年が雪原を約60メートル滑り落ちた。3日間の単独ハイキングを計画していた少年は、ルート案内をグーグルマップに頼っており、落としたバックパックを回収しようとしていたところだった。

    危険と「人気スポット」

    これら3件とも、地元の山岳救助隊が迅速に対応したことで大惨事は免れた。しかし、そこには重要な疑問が残る。なぜ救助される人々の若年化が進んでいるのか。

    この問いに答えるのにふさわしい人物が、カナダで認定山岳ガイドとして20年以上の経験を持つマイク・トレハーン氏だ。トレハーン氏は03年に専門資格を取得。現在はカナダ・アルバータ州を拠点とする「クラウド・ナイン・ガイズ」の代表を務める。同社はカナディアンロッキーをはじめ、アルプスから北極圏に至る各地で、登山ツアーや各種プログラム、技能講習を実施している。

    多くのナビゲーションアプリでは、利用者がルートをSNSで共有できるようになり、その性能も向上している。しかし、あらゆる状況に対応できる万能の案内役としてアプリに頼れば、トラブルに遭う危険性が大幅に高まると、トレハーン氏は説明する。「それ(ナビゲーションアプリ)しか頼れるものがなければ、いずれ何らかの困難に直面するのは、ほぼ確実だ」とCNNに語った。

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