
10月1日からNetflixで配信されているWWE(写真・NetflixのX《@NetflixJP》より)
2023年10月から2026年9月30日までABEMAで独占配信されていた世界最大のプロレス団体『WWE』が、9月29日の配信をもって終了。10月1日からNetflixに移行して、配信が開始されたが、内容の一部にブーイングの嵐が起こっている。
「エンタメ要素の強いWWEでは、日本のプロレス団体と大きく異なる点として、バックステージでの選手同士の掛け合いや選手へのインタビュー、またリング上での選手のマイクアピールなどにも大きなウェイトが割かれます。ABEMAでの配信時は選手のバックステージ音声はそのままで、日本語字幕をつけて放送していました。試合実況は日本のプロレスアナと解説者のふたり体制で生実況を実現していたんです。しかし、Netflixでは基本的に日本語字幕なし。日本語実況は現地で実況アナのシュン・ヤマグチさんと、元WWEスーパースターの日本人レスラー、フナキさんのコンビで収録されています」(スポーツ紙記者)
この日本語実況についても、一部では違和感が指摘されている。Xでは
《Netflix移行後のWWE、試合中の実況解説はまだいいんだがドラマパートの同時通訳が洒落にならないレベルで耳障り&酷すぎて英語音声にしてる》
《多分みんな日本語実況がというより、シュンの「え?」「ん?」「あ?」が気に食わないんだと思う》
など、嘆きの声が多数書き込まれている。
じつは、ABEMAでも2023年10月の配信初期はこのふたりの実況を放送していたのだが、途中から“日本語実況チーム”を結成して切り替えた経緯がある。WWEに詳しいスポーツ雑誌編集者に聞いた。
「シュン・ヤマグチさんは、過去に『週刊ゴング』などのライターとして活躍し、みちのくプロレスやWARでマネージャーとして登場していた故・ウォーリー山口さんの実弟です。ウォーリーさんは、1998年にフナキさんがみちのくプロレスからWWF(当時。その後WWEに名称変更)に移籍し、ヒールユニット“KAIENTAI”として活躍していたころ、ヤマグチ・サン名義でマネージャーをしていました。そして、シュンさんとフナキさんも友人同士なんです。かつてフナキさんは“スマックダウンNo.1アナウンサー”というギミック(キャラクター設定)でバックステージでマイクを持って選手にインタビューし、ウザがられるというスキット(寸劇)をおこなっていたことがあります。そうした背景もあり、WWFのPPV(ペイ・パー・ビュー、有料の大会)で多言語実況をおこなった際、日本語実況担当としてともに登場したのがふたりによるタッグの始まりです。その後、WWEが用意する日本語実況は基本的にシュン&フナキとなるのが定番となりました。2014年に開局したインターネットテレビ局『WWEネットワーク』でも、日本語実況はシュンさんとフナキさんが担当していました」
つまり、WWE発信の番組の日本語実況は、この20年ほどはシュン&フナキの体制しかないのだ。
「ABEMAは独自の日本語実況チームで放送をおこない、ファンからも好評でした。しかし、あくまでもABEMAの用意したチームですから、Netflixは従来の形に戻したわけです。シュンさんもフナキさんもアメリカ生活が長く、選手のやり取りを同時通訳してくれるんですが、“えー”とか“あっ”などの余計な発音が多く、女子選手の場合は女言葉で通訳したりするので、違和感がすごいんです。サービス精神旺盛で、会場の雰囲気を懸命に伝えてくれるんですが、日本風のプロレス実況に慣れている人ほど“これじゃない”感を抱くようです」(前出・編集者)
古参のWWEユニバース(ファンの総称)からすれば、日本語実況があるだけで隔世の感ではある。かつては数週間遅れでのJ SPORTSでの放送しかなかったからだ。
「放送まで2週間あるからしっかり日本語字幕が付けられていました。当時の字幕作成を担当していた会社『ルミエール』の言語センスが抜群で、選手のキャラに応じて語尾を変えたり方言を採用したりするのですが、それがバッチリとハマっていたんです。当時の字幕のファンは今でも多く、ルミエール再びと求める声は根強い。しかし、現在はリアルタイム視聴が当たり前になりましたからね。作り込んだ字幕を入れるのは難しい。今後あり得るとすれば、AI翻訳の日本語字幕でしょうか」(前出・編集者)
シュン&フナキの日本語実況に慣れるか、英語実況に英語字幕を表示して現地の雰囲気に浸り切るか、あるいはスマホで同時通訳してもらいながら見るか……。実際のところ、見られるだけでありがたいのだから、工夫して視聴するしかなさそうだ。
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