芳賀勇人
横山桃花
2026.10.08 09:43

(ブルームバーグ):8日の日本市場では株式が下落。原油価格の高止まりでインフレ懸念が再燃している。債券は上昇し、円は対ドルで157円台後半で推移している。
7日の米国株は反落。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、参加者全員が9月の利上げ決定を支持した。うち多くはインフレ圧力が強まるリスクに備えて利上げを支持したという。
フランスの財政問題から欧州債が下落した上、連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げを迫られるとの見方が強まり、米国債は売りに押された。その後は堅調な入札を受けて持ち直した。10年債利回りは前日とほぼ同水準で終え、依然として2002年以来の高水準近辺にある。米原油先物はアジア時間8日の取引で1バレル=89ドル台前半と、前日から上昇している。
松井証券の窪田朋一郎チーフマーケットアナリストは、欧州や米国の金利が高止まりし、金利上昇に対する警戒感は根強いと述べた。日本株は特に金利高の影響を受けやすい不動産などが売られていると指摘。金利上昇で社債発行の見通しにも不透明感があり、AI関連はデータセンターの投資が期待通りに実行されるか半信半疑だとし、好決算でも株価の反応は限定的になるだろうと話した。
株式
商社や銀行、非鉄などの景気敏感株が下落。米国市場でハイテク半導体関連株の一角が売られた流れを引き継ぎ、半導体・AI関連の一角も安い。
個別銘柄では、日本取引所グループ(JPX)がTOPIXの銘柄入れ替えで新規採用すると発表したティアフォーなどが高い。浮動株比率の引き上げが発表されたキオクシアホールディングスも買われている。
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは、今週の日本株は上昇幅を嫁いでおり、日経平均株価は7万円台を付けた後で売りが出やすいと指摘。AI・半導体株や景気敏感株が売られやすいものの、国内企業の決算への期待が相場を支えるとみている。
債券
債券は前日の米長期金利が上昇幅を縮小したことから買いが先行している。この日の30年債入札を控え、買い戻されているとの声もある。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、日本銀行の佐藤綾野審議委員が利上げ継続に賛成したことで、インフレ対応で後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念が後退していることも超長期債の需要を支えると話した。半面、利上げ期待も残る中で短期債は買う理由に乏しいとも言う。
きょうの30年債入札は「無難な結果」になると予想。生命保険会社などのリアルマネーから一定の買いが入っており、「昨年度と比べ需給は改善している」と述べた。
野村証券の宍戸知暁シニア金利ストラテジストは、30年債入札前に「ショートカバーが観測されている」と指摘。海外と比較して相対的にボラティリティーが落ち着いていることに加え、発行減額や海外投資家の需要が見込まれることが、超長期年限にポジティブに作用していると語った。
為替
タカ派なFOMCの議事要旨を受けてドルが買われやすい中、円は対ドルで157円台後半で推移している。
三井住友銀行NYの坂本篤秀シニアエコノミストは、来週発表される米消費者物価指数(CPI)次第で「10月のFOMCがライブになる可能性がある」と分析。同指標の発表に向けてドル・円相場の動意は薄くなると予想する。一方、フランスの財政問題への警戒からユーロは買いにくく、その受け皿として円が買われる可能性も指摘した。
ソニーフィナンシャルグループの石川久美子シニアアナリストは、日米ともに10月の利上げ期待が以前よりも後退する中、「投資家が急いで為替の持ち高を調整する必要性が乏しい」ことも方向感に欠ける背景だと語る。動意が高まるリスクとしては、中東情勢や米中間選挙で新たなヘッドラインが出るシナリオを挙げた。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
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