(写真:映画.com)(© 2026 WBEI and Legendary)
トム・クルーズとアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督がタッグを組んだ「DIGGER ディガー」が、本日10月9日から日本でも公開。このほど、本作のプロモーションのため来日したクルーズとイニャリトゥ監督が、アニメーションスタジオMAPPAの設立15周年を記念した展覧会「MAPPA EXPO 15th Anniversary」に来場した。
「呪術廻戦」「チェンソーマン」「進撃の巨人The Final Season」をはじめ、MAPPAが手がけてきた作品の世界観や表現を体感できる展示を巡り、会場では、数々のアニメ作品に携わってきたアニメーターの平松禎史氏とのクリエイター対談も行われ、映画とアニメ、それぞれの視点から作品づくりについて語り合った。
展示エリアに足を踏み入れた二人は展示物の数や大きさに圧倒され興奮した様子でスタート。クルーズは「本当に素晴らしいです。楽しみにしていました」、またイニャリトゥ監督は「息子がMAPPAの作品の大のファンなんです」と笑みをこぼしながら明かした。最初に二人が訪れたのは、「呪術廻戦」の展示エリア。一枚一枚丁寧に描かれた原画に囲まれるとその繊細な描写に圧倒され食い入るように見つめていた。
クルーズが「このスタイルに、この髪…そしてフレーミング…」、イニャリトゥ監督が「それにこのアングル」と観察を続けた。平松氏に「手作業はどれくらいですか?」とトムが問いかける場面も。平松氏がアニメーターとして紙と鉛筆で育ってきたことを話すと、イニャリトゥ監督からも「1話を作るのに関わるスタッフの人数は?」と質問が飛んだ。
さらにクルーズからは「質問させてください、若いアニメーターは今も手書きなんでしょうか?それともデジタルが多いのでしょうか」と聞かれ、平松氏が「若い世代はデジタルが多いですが、紙から始めることも重要だと思っています」と答えると、「同感です。よりアーティスト性を感じますね。それは録音も同じで、アーティストの声が残りますよね」と、同じ作品を作り上げるクリエイターとして深い共感が生まれた様子だった。
続いて二人が足を運んだのは、日本のみならず世界中から支持されている劇場版「チェンソーマン レゼ篇」の展示エリア。世界を席巻する同作の象徴的なキャラクター・チェンソーマンのオブジェを背に、平松氏とのクリエイター対談が実現。さっそく、平松氏が「DIGGER ディガー」を鑑賞した感想を「実は1度観させていただいて、面白いだけじゃなくて、ディテールがとても深いと感じ、もう一度観させてくださいとお願いして、2度観ました。カメラ、色彩、音楽と効果音。それからトムさんの演技も素晴らしくて、映画じゃないと観られないという気持ちになりました」と語ると、クルーズが「現場のセットで細部までこだわり抜いて撮影した映像を大スクリーンで観ると、その“フレームの奥行き”によって、まるで3D映像かと思うほどの凄まじい立体感が生まれるんです。また、イニャリトゥ監督は、音楽と効果音に1年かけました。驚くことに効果音は、実際に動物の鳴き声を使ったんですよ」と答えた。
さらにイニャリトゥ監督も「平松さんの感受性があるから私たちが何を描きたいのか理解してくださって、報われました」と感動した様子。そして、「本作は撮影前に全てコンセプトを固めました。スタジオに3つの壁を設置して、本編のカメラとレンズを持ち込み撮影したものを絵コンテのように使用しました。さらにそこから照明も作り上げていきました」と撮影の裏話を明かした。
また、「本作の作り方はアニメーションと似ていると思います。アニメーションは、キャラクターデザインだけじゃなく、道や家など、その背後にある世界観を作り上げる必要がありますよね。本作は、屋外では一切撮影を行っていません。この映画の世界に出てくる全ては、キャラクターたちの文脈を表現するものでなければいけない、そうやって作り上げました。全てのシーン、全てのコマを、アニメーションと同じように作り上げていきました」と熱く語った。
平松氏から、これまでのイメージとは異なる主人公ディガー・ロックウェルへの挑戦について聞かれたクルーズは「本作は最も独創的な映画だと思います。このようなキャラクターは映画史上、見たことがありません。だからイニャリトゥ監督と一緒に作ることができて、このキャラクターを演じることができて光栄でした」と話した。
対談の最後には、平松氏が「DIGGER ディガー」から受けた刺激をもとに自ら手作業で描き下ろした、主人公ディガー・ロックウェルのイラストを二人へサプライズで贈呈。思いがけないプレゼントを受け取ったクルーズは「平松さんが書かれたんですか?」と嬉しいサプライズに感激しながら、平松氏と固い握手を交わした。イニャリトゥ監督も「ありがとう」と日本語で感謝を伝えた。イラストに添えられた “There is TRUTH within a LIE(ウソの中にホンモノがある)”というメッセージに目を留めた二人。「これこそが、この映画のテーマなんです」と、クルーズとイニャリトゥ監督は顔を見合わせて大興奮。イニャリトゥ監督は「若い世代にこそ、特に観て欲しいです。リアリティの見方を、ミスリードされないように、分かって欲しいんです」と本作について語った。
対談後も二人は会場内を巡り、映像と立体美術を組み合わせて「進撃の巨人The Final Season」の世界を表現した本展示の大きな見どころである「地鳴らし」の展示などを鑑賞。作品ごとに異なる表現や、アニメの世界を現実の空間へ立ち上げた展示を、細部まで熱心に見て回り、ジャンルや表現の異なる数々の作品を通じて、日本のアニメとMAPPAのものづくりに触れる特別な時間を締めくくった。最後に展示の感想を聞かれると「I love it!」と大満足の様子で会場を後にした。
「ミッション:インポッシブル」シリーズなど、数々の歴史的名作で世界中を魅了し続けたクルーズが、キャリアの全てを注ぎ込んで挑んだ本作。巨匠イニャリトゥ監督と共に放つ、全世界を熱狂させる地球規模の大惨事エンターテイメント「DIGGER ディガー」は本日、ついに日本公開となった。