日向貴彦
堤健太郎
2026.10.15 09:30

(ブルームバーグ):15日の日本市場では株式が大幅に下落、日経平均株価は6万5000円を割り込んだ。AI投資を巡る懸念や米国の早期利上げ観測を背景に半導体関連を中心に売りが優勢となっている。債券相場は上昇(金利は低下)、円は上昇している。
日経平均は一時3000円超下げ、2024年12月以来となる6営業日続落になっている。アドバンテストやソフトバンクグループなどAI・半導体関連が下落している。米AIクラウド企業コアウィーブの信用不安が強まったこともAI懸念に拍車をかけた。米金利低下を受けて日本でも金利が軒並み低下、円は対ドルで157円台に上昇している。
米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の大幅続落を受け、日本や韓国を含め世界的な半導体株売りの様相を呈しており、リスクオフが他のアセットにも波及している。
大和証券投資戦略部の菅原理仁金利・為替シニアストラテジストは、AI開発や設備投資が押し上げてきた米国の成長期待が揺らぎ、「株高とドル高がセットになっていたものが巻き戻っている」と指摘。AI関連が相場をけん引してきた日本でも株安や長期金利低下、円高を伴うリスクオフの動きが出ていると述べた。
株式
株式は下げ幅を拡大している。AI投資を巡る懸念や米国の早期利上げ観測を背景に半導体関連を中心に売りが優勢となっている。
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは「AI関連を巡っては過剰投資や金利高への懸念が根強く、市場はコアウィーブの信用不安も気にしている」と指摘。米消費者物価指数(CPI)で米利上げ観測が高まったことや、中東情勢の緊迫化も重しだと述べた。
一方、大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト兼テーマリサーチ担当は15日付のリポートで、中間選挙の年の10月末から半年間の米株の上昇確率は極めて高いほか、過去の傾向をみるとSOXは7日連続安が限界で、押し目買いが有効だとの見方を示した。
取引時間中には半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が決算を発表する。業績予想や設備投資計画が強ければ、関連銘柄を支える可能性がある。
債券
債券は上昇。強い米CPIを受けて米金利はいったん上昇したが、株安を背景にその後低下し、先物夜間取引も上昇した流れを引き継いでいる。国債利回りは中長期ゾーンを中心に低下。10年は6.5bp低下した。
この日は日本銀行の小枝淳子審議委員の講演が注目されている。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、小枝審議委員について「審議委員の中では相対的に真ん中に位置する」と指摘。「日銀全体の立ち位置を測る上で注目される」とし、基調的な物価や12月利上げへの考え方を注視するとした。
また、三菱UFJ銀行が10年国債の購入に着手したことについて、「買いを考えている投資家の背中を押す可能性がある」と指摘。「金利が上がったところでは買いが入りやすく、押し目買いはこれまでより強くなる可能性がある」との見方を示した。
為替
円は対ドルで157円後半で推移。米CPIを受けて一時円安が進んだが、その後の米金利低下で買い直されている。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は9月CPIについて、落胆させる内容だったとして、物価やコストは米経済で明らかに最も悪い側面だと指摘した。一方、今後の会合について米連邦準備制度理事会(FRB)の手を縛りたくないとも語った。
セントラル短資FX市場業務部の富永貴之部長は、強い米CPIにもかかわらず米金利が急低下し、ドルも弱含んだ前日の動きは「不可解だった」と指摘。足元ではドルの上値が重く、158円20-30銭付近で抑えられやすいとし、「リスクオフの円買いという懐かしい言葉が想起される」と話した。
一方、三井住友銀行ニューヨークの坂本篤秀シニアエコノミストは、米CPIに続き、米生産者物価指数(PPI)や小売売上高も市場予想を上回れば、10月の追加利上げ観測が一段と強まり、「ドル・円が上抜ける可能性がある」とみる。一方、159円台を超えて160円に乗せるような動きになれば、介入警戒感が強まりやすいと指摘した。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.
