Sapphire Technologyは10月13日、ゲーム「Valor Mortis」と組んだグラフィックスカード「NITRO+ AMD Radeon RX 9070 XT OC Valor Mortis Edition」を発表した。ゲームの引き換えコードを同梱し、2026年10月中に一部の販売店で発売する予定だ。価格や日本での販売条件は示されていない。
■ゲームの意匠を施した特別版
本製品の型番は「11348-12-20G」。SapphireはAMDおよび開発元のOne More Levelと協力し、ゲームのアートをマグネット式バックプレート「Quick Connect MagniPlate」に採用した。3基のAeroCurveファンの中心にも「Valor Mortis」のロゴを配している。
バックプレートは着脱でき、ARGBライトバーの発光色も調整できる。電源ケーブルを外から目立ちにくくする「STEALTH」設計を備え、12V-2×6電源コネクターに対応する。電源ユニットが対応しない場合に使える、PCI Expressの8ピン端子3本から変換するアダプターも付属する。
箱にはゲームの引き換え用コードが入り、AMD Rewardsを通じて利用する方式だ。Sapphireはゲームのエディションを明示していない。同社はこれまでも「Crimson Desert」仕様など、NITRO+シリーズの外観を変えたモデルを展開してきた。
■クロックと冷却仕様は通常モデルと共通
Sapphireが公表したブーストクロックは最大3060MHz、ゲームクロックは最大2520MHzで、通常のNITRO+ RX 9070 XT OCと同じだ。AMDが示すRX 9070 XTの標準仕様はそれぞれ最大2970MHz、2400MHzであり、特別版も通常のNITRO+と同じ工場出荷時のオーバークロック設定を採用する。
演算ユニットは64基、ストリームプロセッサーは4096基。16GBのGDDR6メモリーを256ビットのバスで接続し、メモリーの実効速度は20Gbpsだ。Sapphireの公称カード消費電力は330Wで、AMDが示すRX 9070 XTの標準値304Wを上回る。
冷却には通常モデルと同じTri-X冷却機構、AeroCurveファン、Honeywell製の熱伝導材PTM7950を使う。基板には16相のデジタル電源設計と高TG銅基板を採用する。2025年の通常モデルを検証したKitGuruは、試験時のファン回転数が低く、動作音が小さいと評価した。
■RDNA 4が担う描画とAI処理
RX 9070 XTはAMDのRDNA 4アーキテクチャを採用する。AMDの製品仕様によると、GPUのトランジスタ数は539億個で、64基の演算ユニットには第3世代のレイトレーシング用アクセラレーターと第2世代のAIアクセラレーターが組み込まれている。
レイトレーシングは、光線と物体の交差を計算して反射や影などを描く技術だ。AMDの技術発表では、RDNA 4は交差判定器の増強に加え、物体の向きに合わせた境界ボックスや、探索に使うデータ構造の圧縮を採用した。同社は、条件をそろえたモデル計算で光線の探索性能がRDNA 3の約2倍になるとしている。
AI処理ではFP8形式と、4つの値のうち2つをゼロとして扱う「2:4構造化スパース性」に対応する。AMDが示すRX 9070 XTのピーク性能は、FP32で48.7TFLOPS、スパース性を適用したINT8で779TOPS、INT4で1557TOPSだ。各値は演算精度やスパース性の条件を伴う理論上の最大値である。
画像の拡大処理技術「FSR 4」もRDNA 4のAI演算機能を利用する。AMDによると、学習には同社のInstinctアクセラレーターを使い、対応ゲームの実行時にはGPU上で推論する。特別版でも、こうしたRX 9070 XTの機能を利用できる。
■「Valor Mortis」と販売情報
「Valor Mortis」は、「Ghostrunner」シリーズを手がけたポーランドのOne More Levelによる一人称視点のソウルライク・アクションゲームだ。舞台は疫病と超自然的な力が広がる、19世紀の歴史を改変した欧州。プレイヤーは戦場で死んだ後に蘇ったナポレオン軍の兵士ウィリアムとなり、武器や超自然的な能力を使って戦う。
ナポレオン役の声はフランスの俳優ヴァンサン・カッセルが担当する。開発元はメインストーリーを約20時間と説明しており、2027年には大型のストーリー追加コンテンツを予定する。ゲームはPC、PlayStation 5、Xbox Series X|S向けに2026年10月13日に発売され、Game Pass UltimateとPC Game Passでも発売初日から提供された。日本語はSteam版で画面表示と字幕に対応する。
初期の批評には、近接戦闘の手応えを評価する声がある。TechRadarは受け流しを軸にした戦闘を評価する一方、武器や能力の選択肢の少なさを指摘した。日本語ゲームメディアのムダウチゲームズが10月14日に確認したMetacriticの批評家スコアは、PC版が40件のレビューに基づく77点、PS5版が9件に基づく82点だった。
中国向けSteam価格について、開発元は通常版を168人民元、デラックス版を248人民元と発表している。原文で示されたドル換算の概算に1ドル=158円を当てはめると、それぞれ約3950円、約5850円に相当する。Sapphireの特別版は10月中に一部販売店で取り扱う予定だが、販売店ごとの発売日と価格は示されていない。比較対象となる通常のNITRO+ RX 9070 XT OCの米国発売時希望小売価格は729ドル(約11万5200円)、AMDが示したRX 9070 XTの発売時価格は599ドル(約9万4600円)だった。
元記事: Sapphire NITRO+ RX 9070 XT Gets Valor Mortis Edition With Bundled Game for China Market
