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    Photographs by Lexie Alley(Rolling Stone Japan)

    【画像を見る】ミツキ、カバーを飾る

    「世界を旅してわかったことは、私はどこに行っても当てはまらない人なんだな、と。でも、きっとここにいるみなさんの中にもそういう人がいっぱいいるんだと思います。変な人同士、ここにいてくれて、本当にありがとうございます」。7月、フジロックのあとZepp DiverCity(TOKYO)で行われた単独公演で、ミツキは言葉を詰まらせながら日本語でオーディエンスにそう語りかけた。

    三重県に生まれ、世界中を転々としながら育ったシンガー・ソングライターのミツキは、幼少期から「居場所がない」と感じてきたという。ニューヨークのパンク・シーンで活動を開始し、2018年にリリースしたアルバム『Be the Cowboy』で一躍インディ・ロックの寵児となるも、自身が“商品”として消費されることへの違和感に魂をすり減らし、2019年に一度ステージから姿を消す。その後、ナッシュヴィルに拠点を移し、自分自身の生き方を見つめ直した彼女は、2022年に活動を再開した。

    ミツキにとって音楽は、他者とつながるための唯一の方法であり、死にたくなるような毎日に光を投げかける手段であり、生きていくための理由だ。今年2月に発表されたアルバム『Nothing’s About to Happen to Me』は、荒れ果てた古い屋敷にひとり閉じこもる女性を主人公に据え、何世代にもわたって受け継がれてきたトラウマや、孤独、死、恐怖、そして生きることへのかすかな希望を、家を心のメタファーとして描き出している。彼女は歌う。

    〈私が死んだら/私が死んだら/雨になって戻ってこられる?/もう一度世界を見たい/再び落ちるために〉(「Lightning」)──愛する人たちとの人間関係や、自らの「居場所」と呼べるようなコミュニティ、そして3匹の猫という家族を得た今も、ミツキの心に開いた“穴”は埋まらない。毎朝、生き続けるための新しい理由を探しているという彼女の手にも、よすがとなるような答えはない。それでも、“死ぬよりはマシ”。ミツキはいずれ訪れる死を見つめながら、暗闇に包まれたこの世界で、光の差すほうを向こうとしている。

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