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    2026年10月16日 16時36分
    AI


    Red Hatのエンジニアリング・ディレクターを務めるクリスチャン・F・K・シャラー氏が、古い写真のネガフィルムをスキャンするために「AIでドライバーを自作した」と報告しています。

    Using Artificial Intelligence to reverse engineer hardware | Christian F.K. Schaller
    https://blogs.gnome.org/uraeus/2026/10/15/aiandreverseengineerhardware/

    母親を亡くしたシャラー氏は、子どもの頃の家族旅行などを撮影した古いネガフィルムが入った箱を見つけたそうです。そこで、ネガフィルムを読み取るためのフィルムスキャナーを購入。Linuxに対応しているという理由で「Plustek OpticFilm 8200I-SE」を購入したものの、手元に届くと搭載チップがLinux非対応のものに変更されていたそうです。

    シャラー氏はAIコーディングツールのClaude Codeを使って、フィルムスキャナー用のソフトウェア基盤であるSANEが動作するドライバーを自作しようとしたそうですが、当初は行き詰まり、何カ月も問題が解決されないまま放置されていました。

    そんなとき、トム・クライダー氏がAIツールを使ってマウスドライバーを修正したとXに投稿しているのを見かけたそうです。クライダー氏はドライバーの修正に必要なデータを収集できるように、AIエージェントにWindows環境を完全に操作させる仕組みについても説明しています。

    – install codex on windows machine
    – install and enable ssh server on windows machine
    – open codex on linux, make it create a client that asks you once to authenticate for windows rdp and windows ssh
    – it uses xfreerdp and pipewire window capture to render the rdp session…

    — GloriousEggroll (@GloriousEggroll) 2026年9月26日

    シャラー氏はこの投稿をClaude Codeに貼り付け、自分のスキャナーでも同じことができるように、Windows仮想マシンの構築を行いました。これにより作成されたのが、ハードウェアの動作を解析することができる「hw-harness」です。hw-harnessにより、Windows上でフィルムをスキャンしている際のUSB通信を確認できるようになり、Linux用ドライバーの完成に一歩近づきました。

    GitHub – cschalle/hw-harness: Small set of tools for helping with reverse engineering Linux drivers · GitHub
    https://github.com/cschalle/hw-harness

    これとClaude Code自体の改善も相まって、数時間のうちにSANEドライバーを構築することに成功したとシャラー氏は語っています。画質には問題があったものの、ネガフィルムに写っている画像だとはっきりわかるクオリティの写真を取り込むことに成功。さらに数日後には、赤外線スキャンにも対応したほぼ完璧なドライバーも完成しています。

    シャラー氏がドライバーを作成している間に、SANE側でも同じスキャナーに対応するドライバーが開発されており、2026年9月には対応が追加されていたことが後から判明しました。以下はシャラー氏が作成したドライバーと、SANEの公式ドライバーとの違いについて報告したページ。

    GitHub – cschalle/OpticFilm8200i-sane: This is a driver for the Opticfilm8200i scanner using the GL128 chipset and USB id 07b3:1825 · GitHub
    https://github.com/cschalle/OpticFilm8200i-sane

    Alternative SANE driver for Genesys GL128 (Opticfilm 8200i) (#886) · Issue · sane-project/backends
    https://gitlab.com/sane-project/backends/-/work_items/886

    以下の画像はシャラー氏が自作したドライバー(左)と、SANEの公式ドライバーでネガフィルムをスキャンした結果を比較したもの。明るさなどは異なるものの、オリジナルの写真を取り込むことには成功しています。


    シャラー氏は「このような作業はAIモデルに最適です。何千行ものUSBキャプチャデータを読み込み、1バイトだけ変化しながら繰り返されるシーケンスに気づき、そのバイトの意味を提案することができます。AIモデルならそれを検証するためのテストコードも作成でき、作業に飽きることもありません。もちろん、何を作るかを決め、実際のハードウェアで動作するかを確認するのは人間の役割ですが、面倒な作業はAIを用いることで大幅に削減できます」と語りました。

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