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    Linuxの生みの親であるリーナス・トーバルズ氏が2026年10月18日にLinuxカーネルの最新バージョン「Linux 7.3」をリリースしました。Linux 7.3ではAppleのバックアップ機能「Time Machine」への対応やCPU・メモリの管理効率の改善、ファイルシステムの機能拡張など、多数の変更が加えられています。

    The 7.3 kernel has been released [LWN.net]

    https://lwn.net/Articles/1101143/

    OSの基本部分であるカーネルはCPUやメモリ、ストレージなどを管理しており、Linuxでは新しいバージョンが公開されるたびに性能改善や機能追加が行われています。Linux 7.3では以下のような変更が加えられました。

    ◆Appleの「Time Machine」に対応

    Linuxカーネル内で動作するファイル共有サーバー「ksmbd」がAppleのバックアップ機能「Time Machine」に対応しました。従来からファイル共有ソフト「Samba」を使えばLinuxサーバーにMacのデータをバックアップできましたが、Linux 7.3ではksmbdでもネットワーク経由のバックアップが可能になります。なお、Time Machineへの対応は設定で有効にする必要があります。

    ◆CPU・メモリの管理効率を改善

    多数のCPUを搭載したサーバーなどで処理を効率よく割り当てるための仕組みが改善されました。また、CPUで実行する処理の順番を柔軟に調整できる「sched_ext」も拡張され、グループごとに異なる処理の割り当て方法を利用できるようになっています。

    sched_extはゲーム機から大規模サーバーまで幅広い用途で利用されており、過去にはMetaがSteam Deck向けに開発されたLinuxスケジューラーを自社のサーバーに採用したこともあります。

    MetaはValveのSteam Deck用に設計されたLinuxスケジューラを自社のサーバーで使用している – GIGAZINE

    仮想マシン向けには頻繁に使用するメモリ領域を追跡する機能が追加され、メモリの使用状況をより詳しく把握できるようになりました。

    ◆ファイルアクセスを制限する「failfs」を追加

    プログラムによるファイルアクセスを制限するための新しいファイルシステム「failfs」が追加されました。新しいシステムコール「fchroot()」と組み合わせることで、プログラムが通常のファイルパスを使ってファイルにアクセスすることを防ぎ、あらかじめ許可されたファイルへのアクセスに限定できます。プログラムに問題が発生した場合でも、ほかのファイルにアクセスされるリスクを減らす用途が想定されています。

    ◆ファイルシステムの性能を改善

    Linuxで利用されるファイルシステム「Btrfs」や「ext4」の読み書き性能が改善されました。Btrfsはデータの破損を検出する機能や特定の時点のデータを保存する「スナップショット」機能などを備えたファイルシステムです。

    Linuxのファイルシステム「Btrfs」を5年間使用した記録 – GIGAZINE

    また、Windowsで使われるNTFS形式を扱う「ntfs3」では、1つのファイルに通常のデータとは別の情報を保存できる「代替データストリーム」への対応が追加されました。LinuxのNTFS対応については、過去に2万7000行ものコードを含むカーネルパッチが提案されたことも話題になっています。

    2万7000行ものコードをひとつのファイルに書いたLinuxカーネルパッチが送りつけられる – GIGAZINE

    ほかにも、Linux 7.3には以下のような新機能や改善が施されています。

    ◆プロセッサ・プラットフォーム関連

    ・BPFプログラムでCPUごとにデータを管理する機能を追加

    ・AMDの次世代CPUアーキテクチャ「Zen 6」への対応準備

    ◆グラフィック関連

    ・ビデオメモリが少ないGPUでのメモリ管理を改善

    ・一部のGPU環境でゲームの動作性能を改善

    ・グラフィック関連ドライバーの各種改善

    ◆ファイルシステム・ストレージ関連

    ・FUSEでのファイル処理を効率化

    ・プログラムのルートディレクトリを変更する「fchroot()」を追加

    ◆ネットワーク・仮想化関連

    ・SMBサーバーの暗号化機能などを強化

    ・SMBサーバーで通信の安全性や互換性を改善

    Linux 7.3ではマージコミットを除く1万8765件の変更が取り込まれ、3021人の開発者が参加しました。うち807人が初参加で、変更件数や参加人数などで過去最多を記録したとのこと。

    トーバルズ氏はLinux 7.3のリリースについて「特に変わったことは起きなかった」と説明しており、次期バージョン「Linux 7.4」の開発も始まっています。なお、トーバルズ氏は毎年恒例の家族旅行中のため、Linux 7.4の開発スケジュールについて通常2週間の変更取り込み期間が1週間延長される可能性があるとのことです。

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