クアルコムとトヨタのブースに展示されていた1チップデュアルバンドソリューション製品
クアルコムは、10月19日~23日の5日間にわたって韓国 Gangneung Olympic Parkで開催されている「第32回ITS世界会議2026江陵」に自社ブースを出展。クアルコムブースではV2Xと呼ばれるクルマとの通信ソリューションを展示し、その中で760MHzと5.9GHz帯デュアルバンドを1チップで受信できる車載半導体をトヨタ向けとして紹介した。この車載半導体については、トヨタブースでも連携した展示が行なわれている。
クアルコムの説明によると、この新しい車載半導体は従来は別々に必要だったITS通信に用いられている760MHz帯のARIB-T109と、5.9GHz帯のLTE-V2Xや5G-V2Xをシングルチップセットのソリューションで受信できるようにするもの。車車間通信や路車間通信を1つのソリューションで行なえるようになり、このクアルコム製のソリューションによってグローバルに送受信対応ができるようになる。
760MHz帯のARIB-T109と、5.9GHz帯のLTE-V2Xや5G-V2Xに1チップで対応するクアルコムの車載半導体
クルマのOEMメーカーからすると、これまで複数必要だった760MHzと5.9GHz帯それぞれの送受信ユニットが一つになることで、コストが下がるほか信頼性も向上する。さらに、グローバル対応もできるため、クルマの仕向地よっての変更を抑えることができる。クアルコムソリューションではデュアルバンドの2ch受信も行なえるため、ITSの情報も活かしつつ、ほかの情報も受信するといった活用も可能になる。
説明によると車車間通信による走行先の情報、路車間通信による交差点での危険情報取得などが描かれており、クルマとクルマ、クルマとインフラがつながることで、より安全な交通環境が低コストで実現することになる。
トヨタ自動車 デジタル情報通信本部長であり、トヨタコネクティッド 代表取締役社長やITS Japan会長も務める山本圭司氏は、「4年前からクアルコムと話をしてきた」と言い、クアルコムに開発を相談してから4年の期間があったことを語る。
トヨタとしては、デュアルバンド対応のV2X製品を市販車に搭載するのは「2028年以降」と語っており、今後はより自由な形でのV2Xが展開されていく。
対応する各国の通信規格
対応する電波帯
これまで複数の通信車載半導体が必要だったが、今後はこのシングルチップで対応できるようになる
