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    名作を想起させるということは、その名作が打ち立てた高い基準を自らにも課すということだ。『ファイナルファンタジー レゾナンス』は、ターン制バトルで由緒あるシリーズを原点へと立ち返らせ、スクウェア・エニックスのHD-2Dによるアートスタイルを駆使して、ドット絵時代へのノスタルジーを現代的に蘇らせている。スーパーファミコン時代に育った私が抱く長年の憧れを、本作は呼び覚ます。私はこれまで何度も「オクトパストラベラー」シリーズへの愛を語ってきたが、もちろん「ファイナルファンタジー」もまた、この数十年で意味のある存在へと形作られてきた。しかし、本作が古典的なRPGの精神を受け継ぐ作品に見える一方で、その物語の描き方には、しばしば中身が伴っていないように感じられる。だからこそ、私にとって本作は、ところどころに訪れる素晴らしい瞬間を楽しむゲームなのだ。さまざまなジャンルを融合させたボス戦の曲が耳を楽しませてくれる瞬間。完璧にターンを運び、次々と放たれる魔法が大ダメージを叩き出すのを眺める瞬間。そして、これまで見たこともないような演出によって、HD-2Dの世界が生き生きと動き出すイベントシーンの瞬間。そうしたひとときにこそ、本作の魅力がある。

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    「レゾナンス」は、サービスを終了したモバイルゲーム『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』の物語とキャラクターを、従来型のRPGの枠組みに組み込んでいる。ガチャ要素もマイクロトランザクションもない。スクウェア・エニックスが『オクトパストラベラー0』で採った手法とよく似ており、すでに世に出た物語を、私がもっと遊びたいと思える形式で届ける見事な方法だ。こうした構成には、各地域を象徴する町が点在するワールドマップ、ランダムエンカウント、自由に飛び回って秘密めいた土地を発見できる飛空艇、そしてメインストーリー全編のフルボイスが伴う。

    本作は、FFBEの第1シーズンの出来事をおおむねなぞっている。物語では、グランシェルト王国の騎士レインとラスウェル、クリスタルから生まれた謎めいた魔道士の少女フィーナが、そのほかの仲間たちとともに、鎧をまとった六盟傑による世界のクリスタルの破壊と、世界を災厄に陥れる企みを阻止するため旅に出る。もちろん、物語にはさらに奥行きがある。とはいえ、旅路に厚みを加えるため、多くの会話や幕間のイベントが追加されている。マップに記されたサイドクエストをすべてクリアし、歯ごたえのある任意で挑戦できるボスを探してワールドマップをあちこち探索した時間も含め、クリアまでに約45時間かかった。「レゾナンス」の物語には、それほど引き込まれない部分もある。しかし、その制作クオリティの高さは、これがモバイルゲームを土台に作られた作品だということを忘れてしまうほどだった。だからといって、モバイルゲームとしてのFFBEの功績が損なわれるわけではない。

    ゲームプレイも作り替えられているが、魅力的なターン制バトルを支えるコンセプトやメカニクスは、非常によく機能する形で受け継がれている。これほどの年月を経て「ターン制」とFFが並んで語られるのを聞き、私の脳内に快楽物質が分泌されたのは言うまでもないだろう。本作はリアルタイム要素のあるATBシステムではなく、タイムラインに沿って行動順が決まるシンプルなターン制だ。どのユニットに行動順が回ってくるかを見て作戦を立てたり、行動順を自分に有利なように操作したりする仕組みのおかげで、私は「軌跡」シリーズや「オクトパストラベラー」シリーズで使うのと似た戦略を取っていた。

    ただし「レゾナンス」では、属性の相性を見極め、敵をブレイクさせることが重要になる。各パーティーメンバーは、それぞれ魔法や属性付きの物理攻撃を通じて、異なる属性を扱える。さらに、『ファイナルファンタジーV』から直接着想を得たジョブシステムに似た仕組みの「ビジョン」も装備する。これによりパーティ編成の自由度が上がっており、すべての属性をカバーするか、特定の属性に全振りしてボスを圧倒するかを選べる。あらゆる攻撃で敵のブレイクゲージを削れるが、当然ながら求められるのは弱点を突く戦略だ。

    このシステムには、私としても複雑な思いがある。パーティーメンバー間でビジョンを付け替え、技構成をつねに変えられる柔軟性は魅力的だが、そのせいで戦闘で取るべき戦略が単純になってしまうこともあるのだ。たとえば、水属性のボス戦では、雷属性に特化した編成が最適だとわかっていた。雷属性の攻撃を連発して、敵のブレイクゲージやHPがごっそり削れていくのを見るのは最高に爽快だったが、それ以上に考えを巡らせる必要を感じないことも多かった。戦闘前に適切な属性を見極めておくことは、手持ちの手段を使って作戦を練るよう迫られるときほどのやりがいはない。

    アニメーションは見栄えがよく、命中時のインパクトも強烈

    これを「オクトパストラベラー」のブレイク&ブーストシステムと比べてみてほしい。あちらでは属性相性が関わる場合でも、プレイヤーが使える手段がより多彩で、状況に応じて柔軟に選べる。そのため、特定の属性でひたすら攻撃するだけでなく、創意工夫を凝らした戦い方ができる。本作の前半は、大半の敵やボスが簡単に倒せる相手だったため、苦もなく進められた。しかしうれしいことに、終盤になると難度が上がり、敵の攻撃も強くなって、対処しなければならない状態異常も増えた。何手も先を読むよう求められる重要な局面を経て、終盤には本当に苦戦する激闘がいくつも待ち受けていた。

    総じて、本作でも、優れたターン制RPGに求められるパズルのような戦術的思考を十分に味わえる。パーティーメンバーはレベルアップするとともに、装備中のビジョンのマスタリーポイントも蓄積されていく。ただし、ビジョンのマスタリーランクを上げたり、パッシブ効果や支援魔法をセットしたりするには、手動での操作が必要になる。こうした仕組みによってビルドを考える楽しさが生まれ、強敵との戦いで重要になる奥深さが加わっている。私が「レゾナンス」の戦闘システムを楽しめたのは、ブレイク状態の敵にもっとも強力な呪文を思い切り叩き込む爽快感があったからだ。呪文のアニメーションは見栄えがよく、命中時のインパクトも強烈である。

    「ビジョン」そのものも、あれこれ試すのがとても楽しい。これは、その多くが歴代のFFを代表するスターキャラクターたちをアバターとしているからだ。それぞれの技構成は、彼らの登場作品における特定の呪文や象徴的な攻撃を思い起こさせる。シリーズの歴史の一端が、「レゾナンス」のゲームプレイに欠かせない形で称えられているのはうれしい。敵をブレイクするとエクストラフェイズに突入し、追加ターンを得られる。さらに、敵全員(敵が1体の場合はその1体)をブレイクすると、味方全員で一斉攻撃を仕掛けるフルブレイクが発生する。そして最後には、ビジョンが固有でもつ必殺技「レゾナンス」を繰り出せる。しかしながら、レゾナンス発動時に美しいHD-2DからFFBEの流用CGカットシーンに切り替わるのは、いまだに違和感がある。とはいえ、演出のなかにはかなりカッコいいものもある。たとえば、巨大化したシャントットが闇のエネルギーでできた巨岩を投げつけたり、クライヴが真実を受け入れるためにL3+R3を押そうと身構えたりする場面だ。そうした演出を彩るドット絵も見事で、ライトニングには本作でアニメーション一式が用意されている。こうしたキャラクターたちがドット絵で再現されているのを見るのはうれしい。

    各ビジョンは、ワールドマップ各地に点在する祠を訪れ、それぞれの物語の出来事をたどるクイズ形式の会話イベントを進めることで入手できる(未プレイのFFシリーズ作に関する重大なネタバレも含まれるため、注意してほしい)。最初はかなりベタだと感じたが、各作品が時代を超えて人の心を打つ何かを捉えていたことを思い出させてくれるものとして、次第に好きになっていった。どの祠が誰に対応しているのかは、行ってみるまでわからない。そのキャラクターの楽曲が流れ出すと、思わず満面の笑みになってしまった。『ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ』に深く心を動かされた私にとって、「Tomorrow and Tomorrow」を聴きながら、今も続くヤ・シュトラの物語を振り返る場面は、本作に心を揺さぶられた瞬間の好例だ。

    神のような存在との激闘もさることながら、「ファイナルファンタジー」が長く続き、私たちの心をつかんできたのは、そこで語られる物語ゆえだ。そして、この点こそが私が本作の評価にもっとも悩んだところでもある。本作の物語の土台は、クラシックな「ファイナルファンタジー」としてかなり堅実で、一貫性もある。魔法の世界を動かすクリスタルの力を描き、悪を倒して世界を救う展開を軸にしながら、物語の終わりには悪役たちがより複雑な存在だと明らかになる。しかし、いつだって大切なのは、物語がどう語られるか、そして道中でどれほど心に響くテーマを掘り下げるかだ。本作にもそうした高みに届く瞬間は垣間見えるものの、その語り口に物足りなさを感じる部分がかなり長く続いた。

    FFBEの物語を取り上げて膨らませる試みには、間違いなく挑戦する価値があった。ただ、本作はプレイ時間のかなりの部分を、凡庸なヤングアダルト小説向けに書かれた台詞をファンタジー世界に無理やり詰め込んだような会話で埋めている。ファンタジー作品にシェイクスピアのような格調高さや、ハイコンセプトな物語が必要だと言いたいわけではない。しかし、本作の大部分は、磨きが足りない脚本のように読める。一言で済むことに5行も費やすほど冗長で、今風の甘ったるいトーンや、いかにも悪役然とした類型的な敵に頼りすぎているのだ。私はメロドラマも長いカットシーンも、「友情の力」のようなお決まりの展開も大好きだし、本作にもたしかにそうした要素はある。ただ、それらがうまく噛み合い始めるのはゲーム終盤になってからだ。

    本レビューの執筆者による『オクトパストラベラー0』のレビュー

    『オクトパストラベラー0』は、100時間に及ぶ旅に腰を据えて付き合うことを求める。その分、物語全体を貫くストーリー、緻密なターン制バトル、そして圧倒されるサウンドトラックを通じて、長編RPGだからこそ味わえる数々の瞬間で応えてくれる。
    マイケル・ハイアム, 2025年12月19日

    スコア9

    それでも、想像を絶する困難を乗り越えていくキャラクターたちと旅をすることには、人を惹きつける魅力がある。主人公レインと戦友ラスウェルは、人物造形こそシンプルだが、物語の結末に向けて私の気持ちを高めてくれる絆で結ばれており、次第に好きになっていった。フィーナも、謎めいた暗い過去をもつだけの人物ではなかった。魔法をめぐる物語上の仕掛けをさらに無理なく織り込むうえでも、説得力のある存在だった。お堅い軍師ニコルとピンク髪の魔道士サクラは、RPGらしいキャラクターの型にはまりつつ、より巧みに描かれている。ニコルがたどる感情の変化には真実味があり、物語に深みをもたらす数少ない要素のひとつだ。一方、敵として立ちはだかる六盟傑の台詞の多くは、世界観全体における彼らの重要性を十分に伝えておらず、彼らにはなかなか感情移入できなかった。そしてラザロフ博士は、ひどく鬱陶しい使い捨てキャラクターであり、見ていて思わず呆れるようなマッドサイエンティストにすぎない。

    「レゾナンス」は物語の推進力にも欠けている。全体に漂う曖昧さが物語の主軸をぼかし、プレイヤーを引き込む力につながっていないからだ。その分、各地域が抱える社会問題により重きを置いている。環境をめぐる悲劇、圧政を敷く政府への反乱、搾取される下層階級などが描かれる。こうした地域ごとの物語は、それぞれ単体ではまずまずうまく描かれている。テーマ上の一貫性が見えてくるのはずっと後になってからなのだが、魔法の不思議な力を通じてすべてが結びつく展開も、意外性はないながら悪くはなかった。

    音楽が言葉以上に強く心に響くこともある。音楽は、本作でとりわけ強く記憶に残る要素のひとつ

    普段、派手な演出だけで私の心が動くことはあまりないが、本作は例外だ。ここぞという場面では、HD-2D作品でも屈指のカットシーン演出があって、見どころをさらに引き立てている。3D空間でのカメラワークを効果的に使い、キャラクターのスプライトとドット調の特殊効果が滑らかなアニメーションの中で溶け合うことで、台詞だけでは捉えきれない感情を伝えているのだ。このアートスタイルはノスタルジーから生まれたのかもしれない。しかし「レゾナンス」は、もはや懐古を呼び起こすだけの表現ではなく、世界を生み出し、物語を個々の要素の総和を超えたものへと高める、心に響く新たな手法になり得ることを示している。

    本作をプレイした時間を楽しい思い出として振り返れる理由には、音楽も大きく関わっている。FFに素晴らしいサウンドトラックを期待するのは当然だろう。とりわけ本作の街のテーマ曲には、冷酷な工業化帝国や空に浮かぶ神秘的な都市の雰囲気を、巧みな楽器の使い方によって見事に表現したものがある。通常戦闘のテーマ曲から、格の異なるボス戦のテーマ曲まで聴いているうちに、FFBEの素晴らしいサウンドトラックが本作にも息づいており、シリーズに結びついた数々の音楽的モチーフを生かしていることに気づいた。ダンジョンのテーマ曲を弾むようなエレクトロニックサウンドにリミックスした曲は、まるでヘッドホンから火が噴き出すような熱さだった。そして、ピアノジャズにオーケストラルメタル、ツインペダル、ラテン語の合唱を融合させ、思いがけない調和を生み出すボス戦テーマのリミックスを聴いたときには、思わず度肝を抜かれた。今も頭から離れないほど印象的な曲だ。音楽が言葉以上に強く心に響くこともある。音楽は、本作でとりわけ強く記憶に残る要素のひとつだ。

    『ファイナルファンタジー レゾナンス』をプレイすることは、かつてのRPGがなぜこれほど長く、私たちの心に刻まれてきたのかを考えることでもある。そこには思い出補正も少なからず働いているだろう。しかし、当時の作品が伝えようとしたメッセージの鋭さもまた本物だった。なかでも私たちの記憶に強く残っている作品は、シンプルであることが決して底の浅さを意味しないと理解していた。そして、その点こそが「レゾナンス」にもっとも欠けているものだ。物語の大部分を占める台詞には精彩を欠くところがあるものの、それでも本作には冒険に出るだけの価値がある。「レゾナンス」を特別な作品にしているのは、HD-2Dという表現手法を巧みに使いこなし、単なる懐古趣味を超えて、新たな高みを切り開いていることだ。その演出の妙は、堅実なターン制バトルにもさらなる爽快感をもたらし、ブレイクしたボスを畳みかけるように攻撃する場面をいっそう気持ちのよいものにしている。また、探索するだけで心が躍るような世界を作り上げているのも、その表現力があるがゆえだ。素晴らしい音楽が冒険の一場面一場面を彩り、ときには激しい戦闘曲でプレイヤーを圧倒する。物語の描き方には物足りなさが残るものの、『ファイナルファンタジー レゾナンス』が誕生したことは喜ばしい。FFBEを復活させただけでなく、昔ながらのRPGが、さまざまな面で今なお新たな高みを目指せることを証明してくれたのだから。

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