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    朝日小学生新聞 関田友衣

    音を作った小久保隆さんに聞く

     大きなゆれが来る直前に、気象庁から携帯電話などに情報が届くシステムを「緊急地震速報」といいます。10月16日には、気象庁のまちがいで多くの携帯電話から「ギュイッ、ギュイッ、ギュイッ」という音が流れて、びっくりした人も多かったのではないでしょうか。その音を作ったサウンドデザイナーの小久保隆さんに、制作の裏側を聞きました。今回はまちがいでしたが、音が鳴ったらとるべき行動も家族で確認しておきましょう。(関田友衣)

    緊急地震速報の音はなぜ怖い?

    緊急地震速報が表示された携帯電話の画面 画像の一部を加工しています

    音符では表せない、非日常の音

    緊急地震速報は、2007年10月から、一般の人向けに提供が始まりました。地震から身を守るための行動をする合図ともいえます。

    震源地近くの観測点で、速く伝わる小さなゆれ「P波」をとらえると、すぐに地震の規模や震源を予測します。最大震度5弱以上が予測される場合、大きなゆれの「S波」が来る数秒~数十秒前に、携帯やテレビなどに情報が届けられるしくみです。

    小久保さんは07年2月、NTTドコモから、緊急地震速報の音を作ってほしいと依頼されました。「これは社会を支える重要な音になる」と感じたそうです。

    緊急地震速報の音はなぜ怖い?3

    小久保隆さん サウンドデザイナー、環境音楽家。電子マネー「iD」の決済音など身近なサイン音や、自然音をおりまぜた環境音楽を作っています 本人提供

    小久保さんは、1995年1月17日の阪神・淡路大震災当日、仕事のため降り立った関西国際空港から、遠くの空に煙がのぼる光景を見たと話します。被災直後の様子を肌で感じた経験もあり、「はんぱな責任では作れないとも思いました」。

    ドコモからは「寝ている人も起こす音を」とリクエストされました。課題になったのは、いかに「日常の音」とは異なる音にするかでした。

    「一般的なサイン音を作る場合は、まず音符でどのように表現するかを考えます。しかし緊急地震速報の音は、注意をうながすもの。音符では表せない、非日常の音でなければいけないと思いました」

    そこでたどり着いたのが、「スイープ音」。ピアノでドレミと弾く場合、階段をのぼるように音の高さが変わりますが、そうではなく、ドからレ、レからミの間もゆっくり連続的に音が上がっていくのがスイープ音です。

    「戦争の時の空襲警報もスイープ音。世の中にはあまりない音なので、非日常であることを伝えやすいのです」

    伝わりやすさでは、シンプルなことも重要です。しかし「1回鳴るだけでは弱い。2回でもまだ。3回繰り返すのが大事」だといいます。

    携帯がバッグやポケット内にあっても、さえぎられない周波数の音を使うことも意識したそうです。

    緊急地震速報の音はなぜ怖い?2

    緊急地震速報は、テレビでも流れます。携帯とはちがう音が鳴ります=6月26日、東京都中央区 朝日新聞社

    身がまえるくせ…必要不可欠な音に

    緊急地震速報の音が、社会に一気に広まったのは、2011年3月11日の東日本大震災。余震があいついで起こり、緊急地震速報の音が日に何度も鳴りました。

    「年に数回鳴る程度を想定し、音でどれくらい注意をうながすかの度合いを設定していました。しかし、想定したよりも多く鳴ったため、『怖い音』『きらいな音』といった感想をもらうようになりました」

    それでも「人の命を救うには、これくらいの音でなければ」と小久保さん。緊急地震速報の音を聞くと、身がまえるくせがついている人は多いでしょう。

    「緊急地震速報の音は、社会に必要不可欠な音になりました。この音は、今後も変えられないと思います」

    もし緊急地震速報が鳴ったら?

    ●家の中
     頭を守って、じょうぶな机の下など安全な場所に避難。あわてて外に飛び出さない

    ●屋内の施設
     施設の係員の指示にしたがう。落ち着いて行動し、あわてて出口には走りださない

    ●鉄道やバス
     つりかわや手すりにしっかりつかまる

    ●エレベーター
     最寄りの階で止めて、すぐに降りる

    ●街なか
     ブロック塀がくずれ落ちることや、看板や割れたガラスの落下に注意。じょうぶなビルのそばであれば、ビルの中に避難

    気象庁のサイトから

    (朝日小学生新聞2026年9月18日付をもとに再構成)

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