2026.10.23

江戸東京博物館(東京都墨田区)で、「日米交流 知のかけはし ―ラトガース・カレッジと幕末明治の日本人留学生―」が10月24日から開催されます。
アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューブランズウィック市にあるラトガース・カレッジ(現ニュージャージー州立ラトガース大学)は、1766年に創立したアメリカの中で最も古い歴史を持つ大学の一つです。19世紀後半、日本が近代化へ移行する幕末から明治期にかけて、同大学は数多くの日本人留学生を受け入れました。同大学及び付属のグラマースクール(中等学校)で学んだ留学生たちは、ここを足場にして自分の進路を選択し、それぞれの分野で近代日本の建設を担いました。また、ラトガース出身のアメリカ人もお雇い教師として来日し、明治の教育に多大な貢献をしました。ラトガースと日本人留学生との交流は、日米関係の黎明期を語る上で特筆すべき一ページです。
2026年は、アメリカ合衆国建国250周年の佳節を迎え、またラトガース出身で福井藩及び大学南校の教師として招聘されたウィリアム・エリオット・グリフィスの二度目の来日から100年にあたります。本展では、幕末から明治前期にアメリカへ渡った留学生と教師たちの交流に視点を置き、東京都江戸東京博物館所蔵資料を中心にした展示によって、黎明期における日米交流史が描かれます。
「東京第一大学区開成学校開業式之図」 歌川国輝(二代)/画 1873(明治6)年 東京都江戸東京博物館蔵
企画展「日米交流 知のかけはし ―ラトガース・カレッジと幕末明治の日本人留学生―」
会場:江戸東京博物館 常設展示室内 5階企画展示室(東京都墨田区横網1-4-1)
会期:2026年10月24日(土)~12月6日(日) ※会期中展示替を行います
(前期展示:10/24~11/15、後期展示:11/17~12/06)
開館時間:9:30~17:30(土曜日は19:30まで)
※入館は閉館の30分前まで
※11/6・13・20・27の金曜日はオータムナイトミュージアムにつき20:00まで開館
休館日:10/26、11/4、9、16、24、30
観覧料:常設展観覧料で観覧可能
一般800円 ・65歳以上400円 ・大学生、専門学校生480円・高校生300円
※中学生以下無料
※11/6・13・20・27は17:00以降の入館で学生無料(年齢を証明できるものを要提示)
※その他常設展観覧料の免除または割引については同館公式ウェブサイトを参照
アクセス:
JR総武線「両国駅」西口から徒歩3分
都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3・A4出口から徒歩1分
詳細は、東京都江戸東京博物館公式サイトまで。
展示構成
◇プロローグ 開国と英学需要の高まり
◇第1章 高濤遥かに ―勝小鹿の米国留学―
◇第2章 日本人留学生が集う街・ニューブランズウィック
◇第3章 教え子たちの故郷・日本へ ―グリフィスとクラーク―
◇第4章 明治の教育制度と学監マレー
◇エピローグ 日米交流は時を超えて
※本展では、ラトガース大学グリフィスコレクションの実資料展示は行われません。
主な展示資料
出品点数は約80点。ラトガースと日本人留学生との交流を示す資料群を中心に、幕末から明治期にかけての日本の留学生の動向を物語る文物、文化財などが紹介されます。
『和英語林集成』 ヘボン/編 1867(慶応3)年 東京都江戸東京博物館蔵
「志を述べて小鹿に示す」 勝海舟/書 1867(慶応3)年 東京都江戸東京博物館蔵
家族宛川村清雄書簡よりグレートリパブリック号船内スケッチ 1871(明治4)年 東京都江戸東京博物館蔵
『自由之理』J.S.ミル著、中村正直/訳、クラーク/序 1872(明治5)年 東京都江戸東京博物館蔵
『Katz Awa The Bismarck of Japan(勝安房 日本のビスマルク)』 クラーク/著 1904(明治37)年 東京都江戸東京博物館蔵
アメリカ合衆国建国250周年、そしてウィリアム・エリオット・グリフィスの再来日から100年という節目を迎える2026年。激動の幕末から明治初期にかけて、海を越えて学問に情熱を燃やした日本人留学生たちと、海を渡って日本の近代教育の礎を築いたアメリカ人教師たちの絆は、今なお色褪せない輝きを放っています。勝海舟自筆の書をはじめ、当時の熱気をリアルに伝える約80点もの貴重な資料を通じて、知られざる草創期の日米交流の軌跡を追体験できる絶好の機会です。新たな時代の扉を開こうと志を抱いた若者たちの息吹に触れに、ぜひ会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ)
