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中山 桂一
楽天証券 トウシル&メディア編集部 編集担当
2026/10/23 17:45
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日経平均株価は週間で2,631円(4.02%)下落した。前週に比べると下落幅は縮めたものの、2週連続の大幅安となった。コアウィーブ・ショックが尾を引き、AI関連の先行き懸念から相場の「森」がざわついている。日本では企業の決算発表が本格化するタイミングで投資家の視線が個別企業の「木」に移るかが一つの焦点となりそうだ。
日経平均は2週連続の大幅下落、市場で警戒強まるAI・半導体の先行き
マーケットでは相場全体を「森」といい、個別企業を「木」という。足元は日本株全体の「森」がざわついている。日経平均株価は10月19~23日までの週間で2631円(4.02%)下げた。前週の下落(3706円、5.36%)に比べると下落幅・下落率ともに縮小したが2週連続で大幅安となり、23日は3カ月ぶりの安値水準に沈んだ。
日経平均は10月6日に7万円台回復も再び7月安値に接近

個別株の値動きをみると、電子部品や半導体関連の下落が目立つ。日経平均の採用銘柄では電子部品の太陽誘電(6976)が週間で16.94%安、半導体・液晶製造装置のSCREENホールディングス(7735)が15.82%安と大きく下げ、AI関連に巨額の投資をしているソフトバンクグループ(9984)も大幅安となった。AI・半導体に悲観一色となり、投資家が一斉に先行きに警戒感を強めた様子が浮かぶ。
日経平均採用銘柄の週間下落率上位10社

出所:QUICKより作成
投資家が萎縮した要因は何か。一つは 10月中旬に発生した「コアウィーブ・ショック」により強まった先行き警戒感だ。AI開発企業やクラウド大手に計算能力を貸し出す「ネオクラウド」の先駆けであるコアウィーブの社債急落が判明した。同社の債務不履行(デフォルト)へのリスクへの警戒感が強まった。
加えて英紙テレグラフは18日、米マイクロソフトが英新興ネオクラウド「エヌスケール」と進めていた英国のデータセンター建設計画から撤退したと報じた。今回の撤退理由は建設予定のデータセンターへの電力接続の遅れとされているが、「ネオクラウド」という事業モデルへの警戒感も強まった格好だ。
中間選挙後の先行き見据える動きとの指摘も
ある市場関係者は「米中間選挙後を見据えたAI関連への警戒感が根強い」と指摘する。現在は上下院ともに共和党が過半数を占めているが、予測市場などでは下院は民主党が奪還、上院は接戦との見方が強まっている。いわゆる「ねじれ議会」または民主党が上下院ともに制する「ブルーウェーブ」との予想だ。
中間選挙がAIの先行きに関連する理由としては米国で建設が予定されているデータセンターへの規制が挙げられる。米国では環境面やデータセンター建設にともなう電力価格の上昇で建設予定地域の住民の不満が高まっており、民主党からはデータセンター建設の規制案が多く出ている。選挙結果で「ブルーウェーブ」となれば、いずれデータセンター建設に規制が入り、半導体や多くの設備などに影響が出るという見立てだ。
先の市場関係者は「日本株の売買で大きなシェアを握る海外投資家は上下院で民主党が勝利すると織り込んでいる」と指摘する。だからこそ海外投資家を中心に半導体関連株の持ち高を減らす動きがあるとみる。
中銀ウイーク、決算発表の本格化で個別の「木」に関心移るか
目先も日本株全体の「森」は不安定な動きが続きそうだ。10月26~30日は日米欧の中央銀行が金融政策を決める「中銀ウイーク」だ。特に注目が高い米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合はそれぞれ政策を据え置くとの見通しが多いが、多くの投資家が様子見姿勢を取る可能性がある。AIの先行きに関するニュースに一喜一憂するとなれば、相場全体の振れ幅が大きくなる可能性に留意が必要だ。
投資家の関心が相場全体から個別企業にあたる「木」に移るかどうかは一つの注目点だ。日本では27日にキヤノン(7751)や信越化学工業(4063)など30社、28日にはアドバンテスト(6857)など46社が決算を発表する。週末の30日には村田製作所(6981)や東京エレクトロン(8035)などが決算発表を予定し、同日は250社超と決算発表の一時的なピークとなる。
米国では航空・防衛のボーイング(BA)やハードディスクが主力のシーゲイト・テクノロジー(STX)が27日に、アルファベット(GOOG)やマイクロソフト(MSFT)などのハイパースケーラーが28日に決算を発表するなど個別企業の動向に関心が集まりやすい。

出所:QUICKより作成
年前半はAI関連需要によって業績が大きく伸びるとの「期待」から関連株に資金が集まり、半導体関連の構成比が高い日経平均株価も最高値を更新した面がある。目先はその期待が現実となるかの一つのチェックポイントだ。相場全体の森は個別企業の木の集合であるだけに、企業の業績と事業の先行きの確度に注目が集まる可能性がある。
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中山 桂一
楽天証券 トウシル&メディア編集部 編集担当
大学卒業後、金融情報会社QUICKに入社。データ関連事業に従事した後、日本経済新聞社の商品部、マーケット速報を担う日経QUICKニュース社に出向。約10年にわたり株式マーケットを中心に取材・記事を執筆し、日経CNBCでは解説も担当。QUICKでは金融プロ向けコメントサービスなどにも従事。2026年よりトウシル編集部に所属し、レポート編集や動画出演、独自記事の執筆を担当する。
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