2026年10月
    月 火 水 木 金 土 日
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031  

    株式会社シグマは10月23日(金)、ミラーレスカメラ「Sigma FP2」と交換レンズ「Sigma 50mm F1.4 CL DG | Contemporary」を発表した。ここでは同日シグマ本社で行われた発表会の模様を交えてお伝えする。

    ローリングシャッター歪みを抑えて写真でも使いやすく

    FP2は2019年発売の「Sigma fp」のコンセプトを引き継いだ「正常進化モデル」という位置づけ。発売は11月11日(水)。ボディ単体の直販価格は34万6,500円。

    シグマの山木和人社長はFP2を紹介する前に、前モデルfpについて振り返った。

    FP2を手にする株式会社シグマ代表取締役社長の山木和人氏

    「fpが誰に向けたカメラなのかを聞かれて当時は回答に困ったが、メーカーの想定を超えてクリエイティブな使い方をするユーザーがしっかりといる。完成されたものをそのまま使うのではなく、ブリコラージュするように様々な使い方をする人向けのカメラと言えるのではないか」。

    FP2も基本的にその路線に変化はない。引き続き、既存のカメラメーカーのラインアップ戦略とは一線を画す道を進む製品のようだ。

    コンセプトは「スモール」「パワフル」「アダプタブル」。「非常に良いカメラができたと思っている。ユーザーの予想に反してとても使いやすくなっている」(山木社長)。

    イメージセンサーは約2,450万画素でサイズは35mm判。今回新しく、部分積層型CMOSセンサーを採用した。従来型よりも高速な読み出しが可能になっている。

    それにより、fpに続きメカシャッターのないFP2であっても、ローリングシャッター歪みを大幅に改善したとしている。「静止画でより使いやすくなった。動画専用機とは思っておらず、ぜひ静止画でも使ってほしい」(山木社長)。

    部分積層型CMOSセンサーローリング歪みを抑制

    とはいえ、オープンゲートモードやアナモルフィックレンズのデスクイーズ表示、タイムラプス動画生成や32bitフロート録音にも対応するなど、動画面もしっかり進化を果たしている。またProRes RAWでの内部収録にも対応したのもトピックだ。

    加えて、対応レンズ(シグマ、パナソニック、ライカのLマウントレンズ)ではブリージング補正も可能となっている。

    新たにチルト式の背面モニターを採用したのもポイント。fpユーザーからの要望がとても多かったという。

    AFに関してはコントラスト方式から位相差AFになり、高輝度時で35%、低輝度時で80%もの高速化を実現したとする。

    バッテリーは従来とは異なる新タイプとなり、撮影可能枚数が30%アップしている。

    それらの機能向上を図りながらfpとほぼ同じサイズで、本体重量もfpの370gに対して376gとわずかのアップにとどまっている。

    同じシグマのミラーレスカメラ「Sigma BF」との違いを山木社長に聞くと、「BFはシンプルに使っていただけるカメラ。一方で大きなレンズを付けたときにグリップを付けられたり、様々な拡張性が高いのがfpシリーズ。日によって服を変えるように、シーンに応じて使い分けてもらえる」とのこと。

    なおfpには高画素機となる「Sigma fpL」があった。FP2の高画素版に関して山木社長は、「高画素機にはトレードオフで犠牲になる部分もあり、いまスペックを追って高画素モデルを出すつもりはない。ユーザー体験として良いものができるのであれば考えたい」と話した。

    70GBの内蔵メモリーも搭載アクセサリーも進化

    FP2を手にしてみるとfpと変わらないサイズ感で、本機も改めてフルサイズで世界最小、最軽量を実感できる。

    新しく滑り止めのパターンも追加され、持ちやすさも向上している印象だった。

    オプションの電子ビューファインダーは画素数が増えたほか、アイセンサーが付いて自動で表示を切り替え可能になった。

    またホットシューユニットは、従来のシグマタイプから、OM SYSTEMおよびLUMIXタイプに変更となっている。最高シンクロ速度は引き続き1/50秒。

    なおSmallRigと協業しており、本体の発売と同時に専用カメラケージが発売となる。

    収差を残した新レンズを開発発表

    同日に開発発表された新レンズ「Sigma 50mm F1.4 CL DG | Contemporary」は、2027年早春の発売を予定。価格は未定。

    フルサイズ対応の大口径単焦点レンズで、LマウントとEマウントを用意する。コンパクトさを特徴とする「Iシリーズ」に、新たな「CL」ラインとして追加される。

    収差をあえて残した柔らかい描写を特徴とするレンズ。山木社長によると、「カメラとレンズのお互いの発展は、高解像力な描写を可能にし、写真文化に発展した。その一方で、解像力が高すぎてフィルム時代のような柔らかさや厚みが感じられないという指摘があった。ビンテージレンズでそれを再現している人も多くいる。写真でも柔らかさやスムーズなボケのレンズがあってもいい」との考えから企画されたものという。

    レンズ構成は伝統的なダブルガウスタイプをベースに、シグマの得意とするFLDガラスや非球面レンズを投入した変形ダブルガウスとの説明があった。

    「クラシックなレンズ構成であえて収差を残した。徹底的に収差を消したArtシリーズとは異なる描写。ただし、嫌なゴーストやフレアがあっては写真を楽しめないので、そこは除去している。完全にノスタルジーではなく、現在のユーザーのニーズに応える価値を持たせた」(山木社長)。

    フォーカスは、収差をコントロールしやすいという全群繰り出しで、ロータリーダイレクトドライブと呼ばれるコイルと磁石を全周に配置した新開発の駆動方式も採用した。

    「動画に合った最速のAFではないが、実用的なAFを実現している。絞りも14枚羽根できれいなボケになっている。シルバーのレンズをシルバーのBFにつけたくて作ったところもある。発売を心待ちにしている1人です」と山木社長は語る。

    ブラックに加え、Lマウント版にはシルバーの鏡筒カラーが用意される

    外装は金属製で高級感があり、被写界深度目盛りなどがあり、クラシックレンズの趣もある。フォーカスは両端でストップするタイプでこれも昔のレンズ風。

    AF時にフォーカスリングも回転するが、回転中に触れるとそのままMFモードで合わせられる。

    撮影を試してみたところ、絞り開放で近距離だとかなり分かりやすい収差がピントの合った位置に現れた。こうした描写が好きなら、褒め言葉としての「クセ玉」を名乗れるレンズだ。オールドレンズのような描写でありながら、しっかりAFで撮影できるのも妙味といえるだろう。

    CLラインにほかの焦点距離が今後出るのか山木社長に聞いたところ、「具体的な予定はまだなく、まずは皆さんの反応を見てから」とのこと。好評なら既存のIシリーズのように、様々な焦点距離のラインナップも期待できるかもしれない。

    発表会ではSigma Aizu Farmで収穫されたコシヒカリを使ったおにぎりが振る舞われた

    Share.

    Comments are closed.