米国のほとんどの家庭にはインターネット環境があり、ローカルエリアネットワーク(LAN)が構築されている。
そこで自前のLANにサーバーを導入し、利用できるツールを拡充してはどうだろうか。特定のサービスを自身のネットワーク上に移行して、第三者に情報を使われる心配を無くしたいといったこともありだろう。例えば、「Google Workspace」から「Nextcloud」へ、「Google Photos」や「Apple Photos」から「Immich」や「Photoprism」へ、「Notion」や「Google Keep」から「Trillium」へ移行するといった選択肢が考えられる。
その選択肢は、ほぼ無限大だ。もしこの道を進むなら、最初にすべきことはサーバー用OSの選択である。無料かつ柔軟で、強力、安全、そして信頼性の高い「Linux」の使用をお勧めしたい。Linuxを選択する場合、数多くのディストリビューションが存在するため、どれを選ぶかが悩ましい。
本稿では、無料ですぐに利用できる5つのLinuxディストリビューションを紹介する。知名度が高いものもあれば、なじみのないものもあるかもしれないが、ニーズを満たしてくれるはずだ。
1. Univention Corporate Server(Core)
名前だけで判断しないでほしい。Univention Corporate ServerのCoreエディションは「Debian」をベースにしており、企業やスモールオフィスと同じように活用できる。無料で利用可能であり、アイデンティティーおよびアクセス管理、各種プロトコルやインターフェース、統合カタログなどの機能を備えている。しかし重要なのはそうした仕様ではなく、実際に何ができるかという点だ。
Univentionにはウェブインターフェースからアクセスできる「App Center」が搭載されており、ニーズに合わせてアプリをインストールし、機能を拡張できる。Nextcloudをはじめ、メールやカレンダー、タスク管理を統合した「eOX App Suite」、ビデオ会議や共有カレンダー機能を備えた「Kopano」のほか、「ONLYOffice」「Mattermost」「Bareos Backup Server」「OpenProject」「WeKan」など多様なアプリが用意されている。
要するに、Univention Corporate Serverはホームネットワークに必要なウェブベースのアプリの導入プロセスを簡素化し、サードパーティーのサービスに依存しない環境を実現する。なおISOファイルをダウンロードして使用する前に、無料アカウントを作成して利用規約に同意する必要がある。
2. Zentyal Community
「Zentyal Community」は、Univention Corporate Server(Core)と似ているが、「Ubuntu LTS」をベースとしており、「Windows Small Business Server」の代替として利用できる。「Active Directory」のドメイン管理、ファイルやプリンターの共有、メールサーバー、ファイアウォール、DNS、DHCP、VPNなどのサービス構築に適している。
Univentionとの違いはアプリストアが存在しない点だ。代わりにウェブインターフェース上で有効化または無効化できる組み込みモジュールを使用する。またUbuntuベースであるため、デフォルトのパッケージマネージャー(APT)を介して、膨大なソフトウェアライブラリからインストールすることも可能である。
Zentyalはオールインワン型のネットワークおよびドメインコントローラーと言えよう。家庭内ネットワーク上の全てのアカウントのディレクトリを一元化し、単一の場所から管理できる。さらに、自身でネットワークサービスを作成し、DHCP、DNS、VPN、ファイアウォール、ゲートウェイを制御することが可能になる。
ZentyalはUniventionよりも多少の知識を要するが、非常に強力なOSだ。ネットワークを自在に制御したいと考えているユーザーにとって、素晴らしい出発点となるはずである。
公式サイトからZentyal Communityをダウンロードできる。
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