10月23日に発売されたシリーズ最新作『Call of Duty: Modern Warfare 4(コール オブ デューティ: モダン・ウォーフェア 4)』。朝鮮半島で勃発する全面戦争と、プライス大尉をめぐる陰謀を描くキャンペーンに加え、進化したマルチプレイヤー、脱出シューター「DMZ」など、多彩なゲームモードを収録しています。
本稿ではPvPvEシューターとして本作の世界を描くDMZモード、そして新たなルールも追加されたマルチプレイヤーモードにフォーカスしたレビューをお届けします。また、キャンペーン編のレビューも掲載中ですので、こちらもあわせてご確認ください。
なお、レビューにあたってはActivisionからコードの提供を受けており、記事の内容およびスクリーンショットはPC(Steam)版のものとなります。
PvPvE脱出シューター「DMZ」モードはかなりの好感触。目標をこなす楽しさと、気軽に遊べるのも魅力
まずは本作で新たに生まれ変わった、PvPvE脱出シューターモードの「DMZ」について。シングルプレイキャンペーンのその後という設定で、原子炉のメルトダウンによって生まれた立ち入り禁止区域「ハジン」が戦いの舞台です。
プレイヤーはCIAと協力して働く非公式のオペレーターとなって、北朝鮮による侵攻と大規模な放射能汚染によって遺棄された韓国の国境地帯に出撃することになります。ソロまたはマッチングを利用したチームで出撃することができ、危険地帯を探索しながら物資を回収したり、ターゲットを排除したりと設定された目標の達成を目指します。


DMZでは大きく分けて3種類の方法でプレイ可能。DMZモード独自のストーリーが展開される「ストーリーミッション」では、病院に潜入して将校を護送したり、カジノの地下に隠された金庫に突入したり、ハジン各地を拠点とする敵勢力を制圧したり……その内容やターゲットはさまざまです。
「ダイナミックオプス」もソロまたはマルチでの出撃ができ、ストーリーとは異なった、ランダムに与えられた目標を遂行していきます。必要な手順や目標地点は毎回異なるため、マップや状況を見ながらの判断や、柔軟な対応が重要となります。そして、「フリーローム」と呼ばれるプレイ方法では、タスクに関係なく自由に出撃が可能。素材となるアイテムを集めて回ったり、他のプレイヤーに交戦を仕掛けたりと、縦横無尽にハジンを駆け回ります。


特に「ストーリーミッション」では多くの敵が存在する施設に突入する機会も多く、ミッションの途中では敵の増援に対処し、目標地点を死守するようなフェーズも。特にボス級の敵は装備も強く、ミッションの難易度はやや高めです。なかには暗視ゴーグルなど特定の装備がないと攻略に苦戦する場面もあるため、他のモードで装備を集めるサイクルが重要になります。



また、探索で持ち帰った資源やアイテムを用いることで、プレイヤーの拠点であるFOBで消耗品などのアイテムを補充可能です。所持できるお金やアイテムにも上限があり、設備のアップグレードを行うことで上限が解放されていくなど、単なる戦闘だけでなく探索による収集も欠かせません。
そのため、「ストーリーミッションを協力して進める」「ダイナミックオプスをこなして報酬を獲得し、装備を充実させる」「素材を集めにフリーロームで探索する」など、プレイヤーの目的に合わせた柔軟なマッチングが可能となっているほか、次に何をするべきか、道筋を立てながら装備や施設を充実させていく楽しさもあります。

さらに、DMZモードでは各所に遊びやすさの工夫もみられます。フィールドに展開している一般的な敵のNPCはキャンペーンミッションに登場した敵と同程度の強さや装備のため、PvPvEという立ち位置でありながらPvEの印象が強めな仕上がりに。筆者がプレイしたタイミングでは、マッチングの時間帯などにもよるのかもしれませんが、実際に他のプレイヤーとの交戦が起きたのは数回程度でした。
「PvPやPvPvEはちょっと苦手……」というプレイヤー層や、ソロプレイヤーでもカジュアルに楽しむことができるほか、出撃時にランダムな装備を支給してくれる機能もあるため、まずはこれらの装備を使いながらステップアップとして慣れていくのも良さそうです。

アーマーや銃、バックパックなどの装備が支給される
オペレーターが死亡するとMIA(作戦中行方不明)扱いとなりますが、ゲーム内通貨を支払うことで、獲得した特性を維持したまま復帰させることが可能です。ただし、失った装備は戻ってきません。救出せずに解雇して、新しいオペレーターで再出発することもできます。オペレーターの成長度合いによって必要な金額は上昇していく仕様なものの、「死んでしまったらどうしよう」という不安もある程度払拭できているでしょう。

また、細かいながら嬉しいポイントとしては、コンテナなどを漁った際に、素材アイテムなどを自動的に回収してくれる点です。ひとつひとつクリックしてバックパックに詰め込む必要がなく、即座に次のポイントに移動することも可能です。

全体として、PvPvEシューターながらもカジュアルに楽しめるような設計や遊びやすさの工夫が施されており、目玉となるゲームモードなだけあってかなりのボリュームと歯ごたえがあります。
さまざまな遊び方ができ、DMZ固有のレベルのほかに武器のレベルやアタッチメントのアンロックも可能なため、キャンペーンをクリアしてからのマルチプレイ入門にもうってつけといえます。
マルチプレイモードはTTKや武器ごとの格差、マップ構造など改善が必要と感じる部分が多く……
本作のマルチプレイでは「チームデスマッチ」などおなじみのルールにくわえ、新しいものもいくつか登場しています。特に面白さを感じたのは新モードの「インフレーション」で、2チームに分かれて敵をキルするだけでなく、マップ上に散らばったお金を集めることが勝利条件になっています。
自分がデスすると集めたお金の一部を落としてしまうほか、最も多くキャッシュを所持しているプレイヤーは「HVT」としてリアルタイムで表示されます。味方のHVTの護衛をするのか、はたまた相手のHVTを狙って戦局を覆すのか、単純な撃ち合い以上にチームとしての立ち回りが求められます。


さらに、オーバータイムに突入してからも面白さがあるのがこのモード。筆者が参加したマッチでは大きくリードを許して離されるなどチームは劣勢でしたが、オーバータイムに突入したことで相手チームに追いつき、さらには残り1秒で逆転に成功!最後の最後まで分からない戦いはかなり白熱できます。


「コラテラル」は資金を管理しながらラウンドごとに戦うゲームモードで、『VALORANT』や『Counter-Strike』のような味わい。攻撃と防衛の2チームに分かれて交互に戦いながら、爆弾の設置や解除をめぐる戦いが繰り広げられます。
プレイヤーが死亡してしまうと装備を失ってしまいますが、獲得した資金は持ち越すことができるため、節約するのか買えるだけ買うのかなど、チームとしての連携も重要になってきます。


また、本作のロードアウトシステムは、自動でカスタマイズを提案してくれる「Gunny」によってさらに便利に、より直感的に。Gunnyは用途にあわせたいくつかの提案をしてくれるため、初心者でも気軽にカスタマイズを楽しめます。手動で一つずつパーツを選択することも可能なため、自動カスタマイズをベースに自分好みに調整するのも良いでしょう。
さらに、エイペックスアタッチメントを装着することで武器の性能やプレイスタイルを変化させることもできます。パークやカスタマイズとあわせて、豊富なビルド要素を持っているのは本作の特徴といえるでしょう。


しかし、マップの構造やTTK、武器ごとのバランスなど、記事執筆時点であるリリース直後の段階では「今後のアップデートによる改善が必要」と感じる要素も多く存在しています。
本作のTTKは長めで、顕著なのがSMGやアサルトライフルなど連射系の武器。結果としてマークスマンライフルやショットガンなど、「敵をワンパンできる武器」を使用するプレイヤーが多くいるように感じられます。こちらが先に敵を発見して撃ち始めても、反撃の一発で倒されてしまうことも少なくありません。
武器ごとに大きな格差があるため、必然的にオンラインのマルチプレイではプレイヤーの使う武器種も限られてくるという歪なバランスに。特にSMGは調整が必要で、現状では「SMGを使うならショットガンでいい」と思えてしまうほどで、前述のカスタマイズ性の高さも活かしきれていません。

マップ構造に関しても、ストレスを感じるような設計のものが存在します。特にドミネーションのマップ「コール」はB地点が上り坂になっており、一度占領されてしまうとかなり一方的な戦いを強いられることになり、奪還は困難です。


ここ数年の『BO6』『BO7』などで導入されたオムニムーブメントも存在しないほか、タクティカルスプリントもパークを取得しないと使用できないため、全体的な機動性や撃ち合いはもっさりとした印象。“地に足の付いた”リアルさを追求するあまり、TTKの長さも相まって、撃ち合いは爽快感に欠けるのが現状と言えるでしょう。
本作はリリース直後からも精力的にアップデートが行われているため、特にマルチプレイにおける武器のバランスやTTKなどに関しては、今後のアップデートによる改善を期待します。
総評
今回は『CoD: MW4』にDMZ・マルチプレイの焦点を当てたレビューをお届けしてきました。キャンペーンだけでなくDMZモードもクオリティが高く、出撃してアイテムを獲得してまた出撃……というサイクルや、各所には遊びやすさの工夫も見られます。DMZにのみ登場するボスはかなりの強敵で、このモードだけでもかなりのボリュームとやりごたえがあるのが魅力です。
一方のマルチプレイヤーも新しいゲームモードが登場したことで遊びの幅は広がったものの、やはりマップの構造やTTK、武器のバランス、機動性などの要因が気になります。キャンペーンとDMZの完成度が高かっただけに、マルチプレイも改善されれば評価は変わってくるでしょう。
Game*Spark レビュー『Call of Duty: Modern Warfare 4』DMZ・マルチプレイヤー PC(Steam、Battle.net、マイクロソフトストア)/PS5/XBOX Series X|S/ニンテンドースイッチ2 2026年10月23日リリース DMZはかなりの歯ごたえと遊びやすさ。マルチプレイは、今後のアップデートで改善を期待…… GOOD 気軽に楽しめる工夫が凝らされたPvPvE(DMZ) だんだんと装備や設備を充実させていく楽しさ(DMZ) 攻撃方法や特徴の異なるボスとの戦い(DMZ) 新ゲームモードで広がる遊びの幅(マルチプレイヤー) BAD 武器のバランスとTTKの格差“地に足が付きすぎた”もっさりとした銃撃戦マップ構造にストレスを感じることも
