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    2026年10月29日よりニンテンドースイッチ2/PS5向けにリリースされたパズルゲーム『Order of the Sinking Star』は「ステージ数1,000以上、クリアまでには数百時間かかる」と言われる、とてつもないボリュームを誇る作品です。本作を手がけたのは、『Braid』『The Witness』など一癖も二癖もある人気パズルゲームを生み出してきたジョナサン・ブロウ氏。久々の新作とあって、ファンの期待もかなり高まっていたように感じます。

    『Order of the Sinking Star』(PlayStation Store)『Order of the Sinking Star』(Nintendo Store)

    筆者はこれまでに本作を20時間弱プレイしましたが、正直なところまだまだ序盤という感じで、ゴールはまったく見えていません。……と書くと「そんなに長いのは大変そう」と思われるかもしれませんが、その20時間は「ステージごとに新鮮に悩まされ、そのたびに“解けた!”という快感を味わい続けた時間」でもありました。

    ということで本記事では『Order of the Sinking Star』を実際にプレイしたインプレッションをもとに、本作の特徴的な4つの世界それぞれのパズルの解説や魅力などをお伝えしていきます。

    本作の基本は「倉庫番」と呼ばれるタイプのパズルです。キャラクターを1マスずつ動かし、たとえば“岩をスイッチの上まで押してゴールへの道を開ける”など、ステージごとに用意された目標を達成していきます。

    といっても、もちろんただの「倉庫番」ではありません。どのステージにもひとクセあるルールが加えられている、というのが本作のキモです。いわば「変形倉庫番」の巨大な問題集といった趣の作品、と説明できるかと思います。

    各パズルステージをつなぐ「オーバーワールド」も、それ自体がひとつのパズル。ステージへ向かう道中でも、知恵とひらめきを活かす楽しさを味わえます。「クリアまでに数百時間」と言われる本作ですが、進行速度は「ひらめき」に大きく左右されるため、人によって差は出てくるでしょう。筆者の場合は序盤からかなり難しく感じ、すんなりクリアできるステージはあまり多くありませんでした。この調子だと数百時間では済まないかも……とも感じています。

    チュートリアルを終えて到着する場所からは、東西南北に4つの世界が広がっています。それぞれの世界にはまったく異なる系統のパズルが待ち受けているので、順番に紹介していきましょう。

    北の世界「運び屋の英雄たち」では、能力の異なるキャラクターを使い分け、倉庫番のように物を動かしてパズルを解いていきます。序盤に登場するのは、岩を2個以上同時に押せる力持ち、岩を押せない代わりに引くことができるキャラクター、そして岩やキャラクターと自分の位置を交換して移動できるキャラクターの3人です。

    岩を押すキャラクターは素直に扱えるのですが、残りの2人はかなりのクセモノ。引くキャラクターは引く方向に動くと岩を引っ張ってしまいますし、位置交換のキャラクターは移動先に交換できる物があると強制的に入れ替わってしまいます。「引っ張りたくないのに引っ張ってしまった」「ワープしたくないのにせざるを得ない」という状況に何度も頭を抱えましたが、その不自由さこそがパズルのキモです。

    3人の能力をうまく噛み合わせて解けた瞬間の気持ちよさは格別です。一般的な倉庫番では、岩を隅や壁際に押し込んでしまうとそれ以上動かせなくなり、そのまま詰んでしまう場面がよくあります。この世界では引っ張りや位置交換を使って壁際から岩を救い出せるのも、面白いところでした。

    東の世界の主役は鏡です。鏡に映った自分や物体を、鏡が向いている方向へワープさせることができます。途中からは鏡が2枚以上登場し、自分を分裂させるといった直感に反する解き方も求められるようになり、なかなか手強くなっていきます。

    1マス単位の精密な位置調整が求められる場面は他の世界より多いと感じましたが、そのぶん4つの世界の中では最も純粋な倉庫番に近く、オーソドックスな「ザ・パズル」といった印象です。キャラクターごとのクセやアクション的な要素が少ない分、盤面とじっくり向き合い、論理を一つずつ積み上げていく昔ながらのパズルの楽しさを味わえます。

    個人的には「この鏡を使うなら、この位置に立つしかない」と消去法的に解法を絞り込んでいけるため、一番サクサク進められたのがこの東の世界でした。

    南の世界では、跳ねる石を蹴飛ばし、水の流れを利用したり、水上を渡ったりしながら進んでいきます。石の挙動など覚えるべきルールが多く、最初はかなり難しく感じました。

    タイミングを合わせて石を蹴るなど、アクションパズル的な側面が色濃いのもこの世界の特徴です。とはいえ、時間の早送りや遅送り、やり直しが可能なので、アクションの難度が高い場面でも無理無く突破できる設計になっています。

    この世界は最初に思い描いていた解法とはまったく違う挙動で道が開けることがあるなど意外性が多く「ひらめいた!」という感覚がとても強い世界です。筆者にとってはかなり難しい世界でしたが、そのぶん新鮮さと面白さも存分に味わえました。

    西の世界では、集めた宝石を配置してビーム放射器を起動し、色によって異なる効果を持つビームを駆使して、壁をすり抜けたり岩を破壊したりしながらさらに宝石を集め、洞窟からの脱出を目指します。

    1ステージが巨大で、画面をまたいで連動するギミックがあるため、基本的には“引きの視点”でプレイすることになります。そのため他の世界のパズルとかなりビジュアルが異なり、新鮮さを感じられるパズルでした。

    しかし、考えることが多いうえ、即座に方向転換ができないといった独特の制約があるため難易度は他の世界に比べてかなり高く感じます。さらに「解法はひとつだけではないのでは?」と思わせる自由度の高さもあるため面白い世界でした。

    4つの世界ごとにパズルの系統がガラリと変わるのはもちろん、同じ世界の中でも場所ごとに傾向が変わり、独特なルールが次々と追加されていくため、まったく飽きることがありません。大ボリュームのパズルに「溺れる」ような感覚は、他ではなかなか味わえない体験だと思います。

    『Order of the Sinking Star』は、決してライトなパズルゲームではありません。一方で、便利なやり直し機能が試行錯誤を支えてくれるため、難問にもじっくり向き合えます。

    パズルゲーム好きにはたまらない作品であるのはもちろん、本格派パズルゲームの初心者にもぜひ挑んでほしい一作です。スイッチ2やPS5で、長時間じっくり熱中できるパズルゲームを探している方は、ぜひ本作を手に取ってみてください。

    Thekla, Inc.とArc Gamesが開発を担当した『Order of the Sinking Star』は、PLAYISMよりニンテンドースイッチ2/PS5版が10月29日(木)より発売中。通常販売価格は3,400円(税込)です。

    『Order of the Sinking Star』(PlayStation Store)『Order of the Sinking Star』(Nintendo Store)

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