【舛添直言】次期政権発足まで紆余曲折も、「暫定首相」ネタニヤフにイラン攻撃再開の観測
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舛添 要一
国際政治学者
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2026.10.31(土)
10月28日、総選挙の出口調査の結果を受け、エルサレムにあるリクードの選挙本部で声明を発表しようとするネタニヤフ首相と、何やら耳打ちする側近(写真:ロイター/アフロ)
10月27日、世界中が注目する選挙が行われた。イスラエルの総選挙である。結果は与野党伯仲となった。どの政党も単独で過半数に達していないので、連立交渉が必要となる。ネタニヤフ首相が政権を維持するのか、あるいは政権交代が起こるのか。イスラエル政治の動向は、今後の中東情勢にも大きな影響を与える。
国内の分断を示す選挙結果
イスラエルの国会(クネセット)は、一院制で全国1区の完全比例代表制で120議席を選ぶ。阻止条項(得票率の最低ライン)は3.25%である。そのため、単独過半数(61議席以上)を獲得する政党がなく、常に連立政権を組むことになる。
1948年の国家樹立後、マパイ(労働党)が一党優位体制を続けてきたが、1977年5月の総選挙でリクードが勝ち、メナヘム・ベギンの政権が成立した。その後は、左右両勢力の間で政権交代を繰り返し、1996年5月の初の首相公選で、ネタニヤフ政権が誕生した。それからも第一党は変化し、エフード・バラック、アリエル・シャロン、エフード・オルメルトと首相が交代した。2009年に首相へ返り咲いたネタニヤフは、2021年にいったん政権を失ったものの、2022年12月の総選挙後に再び首相に就任した。
今回の総選挙の投票率は77.9%に達した。10月29日に公表された開票結果では、ネタニヤフ首相率いる右派・宗教政党陣営が53議席、反ネタニヤフ陣営が48議席、アラブ系政党が19議席を獲得した。いずれの陣営も過半数の61議席に届かず、連立交渉が政権の行方を左右することになった。
連立交渉の鍵を握るのは、アラブ系政党の19議席だ。ただし、反ネタニヤフ陣営にもアラブ系政党との協力に慎重な勢力があり、単純に両者の議席を合算して政権交代が実現するわけではない。
政党別では、リクードが27議席、反ネタニヤフのアイゼンコット元参謀総長の率いる中道の「ヤシャル(「まっすぐ」の意味)」が、21議席である。
そこで、連立政権交渉が必要となるが、アラブ系政党はネタニヤフと協力する気はない。一方、アイゼンコットとは協力する可能性があるが、実現は容易ではない。
ヘルツォグ大統領は、連立政権を樹立できる可能性が最も高い政治家に組閣を指示するが、誰を選ぶかはまだ不明である。指示された政治家が組閣に失敗した場合、国会は解散し、90日以内に再選挙が行われる。
