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    Appleは米国現地時間10月28日、初めてタッチ操作に対応したMacBook Proを発表しました。これまでAppleはタッチ対応のiPadと非タッチ対応のMacを明確に区別してきましたが、ここに来て両者の違いが一気にあいまいになってきた印象です。Appleが長年否定してきたMacのタッチ対応は、どのような経緯で実現したのでしょうか。

    目次

    タッチ対応Macの噂は以前からあったがAppleは否定

    スティーブ・ジョブズ氏が否定的だったことでも知られるMacのタッチ対応ですが、2016年にMacBook ProにTouch Barというタッチインターフェースが導入されてからというもの、ディスプレイ自体のタッチ対応への期待が高まりました。

    タッチ対応Macのコンセプト動画が公開されるなど、ユーザーの間では盛り上がっていた話題でしたが、Appleの幹部たちは否定的な姿勢を崩しませんでした。

    当時ワールドワイドマーケティング担当上級副社長だったフィル・シラー氏は2016年、タッチ対応Macを社内で何度も試したものの、Macには適していないという結論に至ったことを明らかにしています。

    現在はAppleフェローとなったシラー氏ですが、2017年にもメディアからMacのタッチ対応について質問され、「ノー」と明確に否定していました。

    Appleにとって、Macのタッチ対応は技術的に実現できない機能ではなく、あえて採用しない機能だったわけです。

    2024年にはApple幹部の回答に変化が

    その後もAppleは、Macの操作にはキーボードやトラックパッドが適しているという考え方を維持してきました。

    一方、2020年頃にはMacBookのタッチ対応を示唆する特許の存在が話題になるなど、将来的な実現を期待させる情報も出ていました。

    注目したいのは、2024年になってApple幹部の回答に変化が見られたことです。

    当時ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に所属していたジョアンナ・スターン氏が、AppleのMac・iPad製品マーケティング担当副社長トム・ボガー氏にMacのタッチ対応について質問したところ、同氏は将来的に考えを変える可能性を否定しませんでした。

    それまでのApple幹部の発言と比較すると、かなり柔軟な回答だったと言えます。

    そして2026年10月、ついにタッチ対応MacBook Proが発表されたわけです。

    今回Appleの幹部たちは、ディスプレイ技術やAppleシリコン、ソフトウェアの進歩によって、Macの品質を犠牲にせずにタッチ操作を導入できるようになったと説明しています。

    過去の発言を振り返ると、Appleが単に方針を撤回したというよりも、技術的な条件が整うのを待っていたという解釈もできそうです。

    すでに一部のiPadとMacはかなり似たものになっていた?

    AppleはiPadのマーケティングの一環で、「コンピュータって何?(What’s a computer?)」というフレーズを使用してきました。

    2017年にはiPad ProとSmart Keyboardを軽快に使いこなす少女の姿を描いたコマーシャルが話題になりました。

    最後に少女が「コンピュータって何?」と問い返す内容でしたが、この広告に違和感を覚えたユーザーも少なくなかったようです。少女とiPadに水をかけるパロディ動画まで公開されるなど、インターネット上でも話題を呼びました。

    Appleはその後も、iPadを従来のパソコンに代わるデバイスとして売り込んできました。

    一方、iPad Pro自体の軽量化やMagic Keyboardの進化に伴い、両者の重量差もほとんどなくなっていきました。

    2024年に発売された13インチiPad Pro(M4)とMagic Keyboardの合計重量は実測で約1,246グラムとなり、13インチMacBook Air(M3)の約1,240グラムとほぼ同じでした。

    つまり、タッチ操作に対応したiPad Proにキーボードを取り付けると、重量面ではMacBook Airとほとんど変わらないという状況が生まれていたのです。

    もちろん、OSやアプリの使い勝手には依然として大きな違いがあります。

    しかし、ハードウェアの形態が近づいていたところに、今回MacBook Proのタッチ対応が実現したことで、両者の境界線がさらに薄くなった印象です。

    今後はキーボードまでもがタッチ化?

    Appleはこれまで、MacBookのキーボード部分にもタッチ操作を取り入れる技術を検討してきました。

    画面を直接触って操作できるMacBook Proが登場した今、将来的には物理キーボードを持たないMacBookという製品も、以前ほど非現実的なものには感じられません。

    もっとも、物理キーボードには触覚的なフィードバックという大きな利点があり、単純にタッチパネルへ置き換えればよいというものではありません。

    Apple初の折りたたみスマートフォンであるiPhone Duoも登場したことですし、これまでの製品の形にとらわれない新しいMacBookが登場する可能性にも期待したくなります。

    かつてタッチ操作を否定していたMacが、今では画面に直接触れて操作できるようになりました。

    10年後のMacBookがどのような姿になっているのか、少し楽しみになってきました。

    Photo: Apple

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